日本では年間約130万人の方が亡くなっています。つまり相続税の課税対象になろうが、なかろうが、130万通りの相続が発生しているのです。お金が絡むと、人はとんでもない行動にでるもの。トラブルに巻き込まれないためにも、実際のトラブル事例から対策を学ぶことが大切です。今回は、編集部に届いた事例のなかから、とある兄と妹の間で生じた相続問題をご紹介。円満相続税理士法人の橘慶太税理士に解説いただきました。

結婚と離婚を繰り返す兄が、6度目の結婚

「また結婚するの?」と呆れたようにいうA子さん。その言葉は、3歳上の兄に向けられたものです。

A子さんの兄は、大学を卒業した直後、23歳で1度目の結婚。相手は学生のころから交際している同級生でした。しかし、その2年後には離婚をしました。

 

「やっぱり、恋愛と結婚は違ったね」とあっけらかんと話す兄に、A子さんも「縁がなかったのね。離婚なんて、珍しい時代じゃないから」と、すんなり受け入れることができたそうです。

 

その後、兄は30歳を前に再婚。いわゆる合コンで知り合った女性でした。「今度こそ、良い人が見つかってよかった」と祝福をしたA子さんでしたが、今度は1年もたたずに離婚に。「生活スタイルが180度違った」という離婚理由を聞いて、「そんなこと、結婚する前にわかっていたでしょ」と疑問をぶつけたA子さんでしたが、兄は「結婚してみないとわからないんだよ」とケロリといってのけました。

 

その後も、結婚と離婚を繰り返した兄は、来月には50歳を迎える前に、6度目の結婚をするというのです。

 

「もうわたし、最初のお嫁さんも、次のお嫁さんも、その次のお嫁さんの顔も覚えてないわ。勝手にしたらいいわ」

 

こうしてAさんは、50歳を前に6度目の結婚をしました。恋愛、結婚の面ではまったく尊敬できない兄でしたが、そこを除けば尊敬できる兄だとA子さんはいいます。子どものころは勉強ができて、スポーツができる、自慢の兄でした。そして、独立志向が強く、30歳を前に独立し、いまでは、従業員を抱える社長となっていました。

 

「会社はもう20年近く続いているのに、なんで女性とは続かないんだろう……」

 

首を傾げるばかりの兄に、さらに驚かされることが起きるのは、半年ほど経ってからのことでした。

 

 

次ページ「がんなんだ」と兄から突然の告白。さらに……

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    ※本記事は、編集部に届いた相続に関する経験談をもとに構成しています。個人情報保護の観点で、家族構成や居住地などを変えています。

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