リスク分散しやすい「バランス型投信」…本当に初心者向きか?

投資対象がかたよると、長期投資であってもリスクが過剰に高まってしまいます。そのため、バランスを取った運用方法である「分散投資」を行うことをお勧めします。今回は、プルーデント・ジャパン代表取締役の瀧川茂一氏、ファイナンシャル・プランナーの小山信康氏の共著『5000円から始めるつみたてNISA』(彩図社)より一部を抜粋し、「バランス型投資信託」運用上の注意点について解説します。

お手軽な「バランス型」投資信託でも油断は禁物

投資対象がかたよってしまうと、いくら長期投資に挑んでも、リスクが過剰に高まってしまうため、ある程度バランスをとった運用、つまり分散投資を行うことを心がける必要があります。

 

つみたてNISAで分散投資を行う方法は2つあります。


①複数の資産を組み合わせた投資信託(バランス型)を選ぶ
②特定の資産のみで運用する投資信託を組み合わせる


バランス型は、効率の良い分散投資ができるように、あらかじめ理論的に資産配分が決め
られているものです。単独でもバランスがとれる運用をしているので、「バランス型」
と呼ばれています。

 

なかには、相場の状況等に合わせてその資産配分を自動的に変更していく投資信託もあます。バランス型の投資信託をひとつ選ぶだけで分散投資ができるので、初心者にとってはお手軽な選択肢と言えます。

 

バランス型を選ぶだけで分散投資できる
初心者でも、「バランス型」を選ぶだけで分散投資できる

 

しかしお手軽とはいえ、商品ごとにリスクが違うため、バランス型の投資信託であっても、安心とは言い切れません。

 

バランス型投資信託は株式・債券(国内、外国、新興国)とREITなど、複数の資産で運用されていますが、全体のうちどの程度の割合を株式で運用しているかによって、リスクの大きさが変わります。(関連記事:初心者おすすめの「つみたてNISA」、デメリットは意外にも…

 

また、株式の割合が同じでも、そこに新興国株が含まれていると、よりハイリスク・ハイリターンになります。他にも、REITのリスクは株式のそれに比較的近いので、その場合は株式とREITを合わせた割合でリスクの大きさを判断することになります。

 

このように、「バランス型投資信託」と一言でいっても、内容はさまざまです。

 

[図表1]バランス型投資信託の例

 

なんだか難しいように感じるかもしれません。実際、バランス型の投資信託は、初心者から見ると中身が複雑すぎるように見えることもあるようです。

 

しかし、資産のカテゴリーごと(国内株式、外国債券等)の運用割合は、各種資料に必ず示されています。どの程度株式で運用しているのかなど、チェックする必要のあるポイントはいくつかありますが、理論的に効率の良い分散投資を行っている投資信託であることは間違いないので、やはり初心者こそ、このバランス型投資信託の活用を前向きに検討すると良いでしょう。

年齢に合わせてリスクを減らしてくれる運用方法も

そして、もうひとつ気をつけたいポイントがあります。

 

バランス型投資信託は、常に変動する相場の中で一定のバランスを保ってくれるので、短期的な変動を気にせず積み立て続けることができます。しかし、投資家の状況の変化には対応してくれません。

 

投資家の状況の変化とは、年齢の変化です。

 

年齢が高くなってくると、投資で失敗した場合に、その失敗を取り戻すだけの時間的な余裕がなくなります。そのため、年齢が高くなるにつれてリスクの低い運用を行うことは必須となります。

 

じつは、このような状況の変化を考慮し、年齢に合わせて自動的に少しずつリスクを減らしていってくれる投資信託もあります。そのような投資信託を「ターゲットイヤー型」といいます。

 

[図表2]ターゲットイヤー型投資信託の例

 

ターゲットイヤー型は、事前にある年(ターゲットイヤー)を定め、そのターゲットイヤーが近づいてくるに連れて、組み入れ資産の比率を変更していく投資信託です。

 

一般的に、ターゲットイヤーが近づいてくると、リスクの高い資産の組み入れ比率を引き下げ、その分、より安定的な資産の組み入れ比率を引き上げるような組み換えを行います。

 

仕組みを理解するのは難しくても、とりあえず理論的に自分に合った運用をしたいという人は、このようなターゲットイヤー型を選ぶと良いでしょう。

 

なお、ターゲットイヤー型を選ぶ際には、次のどちらかを選ぶのがセオリーです。

 

①自分が生まれた年に近い西暦が示されているもの

②自分が60歳になる頃の西暦が示されているもの

 

【バランス型投資信託を選ぶ際のチェックポイント】
・資産に占める株式の割合
・新興国資産の有無
・REITの有無・割合
・自分の年齢で許容できるリスク

 

 

プルーデント・ジャパン 代表取締役

瀧川 茂一

 

ファイナンシャル・プランナー

小山 信康

 

プルーデント・ジャパン株式会社 代表取締役

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。ファイナンス修士(専門職)MBA、企業年金管理士、DCコンシェルジェ®。
システムエンジニアを経て、自身のライフイベントをきっかけに、確定拠出年金分野での教育専門会社である同社に入社。
多くの運営管理機関からのアウトソース業務を請けつつ、大手確定拠出年金制度導入企業から直接「加入者目線の継続教育」の企画を依頼され年間200回以上の「DC継続教育」プロデュースを手掛ける。

著者紹介

CFP®
FP技能士1級
1級企業年金総合プランナー
DCコンシェルジェ®

主な著書は『投資は投資信託だけでいい』『リターンとリスクがよくわかる図解投資のカラクリ』(小社刊)、『貯金のできる人できない人』(マイナビ新書)、『お金持ちは2度カネを生かす! 』(経済界)など。

著者紹介

連載初心者でも簡単!『5000円から始めるつみたてNISA』

本連載は、平成30年刊行の書籍『5000円から始めるつみたてNISA』(彩図社)から一部を抜粋したものです。最新の法令・税制等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

5000円から始めるつみたてNISA

5000円から始めるつみたてNISA

瀧川 茂一/小山 信康

彩図社

2018年1月、「つみたてNISA」が生まれました。これは名前の通り、お金をコツコツ積み立てていく制度ですが、預貯金とは違い、投資によって単なる預貯金よりも多くの資産を築くことを目的としています。 投資というと、「経…

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