「やや古」「エレベーターなし」だけど…
【相談内容】
物件選び中です。住みたいエリアの中で、ちょうど予算にぴったりの中古マンションを見つけました。平米数も住環境も理想的。でも、目安よりも築年数がやや古く、エレベーターがついていないという点が気になっています。業者の方もその二つを「デメリット」として挙げていました。※本記事では、株式会社シンプルハウス代表取締役・山本武司氏の書籍『中古住宅×リノベーション ローコストで叶える「世界にひとつだけの家」』(幻冬舎MC)から一部を抜粋し、実際のリフォーム事例を見ていきます。
Case:デメリットがどうしても気になって…
ずばり、まずは「住まいで一番大切にしたいものは何か」について考えましょう。もし「築浅の住宅」が最優先であれば、確かにその物件はふさわしくないのかもしれません。また「足腰が弱いのでエレベーターは必須」ということであれば、階段のみの物件はデメリットとなるでしょう。
しかしそうではなく「階段=不便」だとか「築年数=古さ」といった固定概念にとらわれているだけだとしたら、物件選びの方法を見直す必要があります。自分たちの暮らしにおいて何が一番重要なのか、見極めきれていない可能性があるのではないでしょうか。
S邸のご夫婦は、5階建でエレベーターのない物件を選ばれました。そしてこちらの建物は梁や柱がなく、壁や床・天井といった面のみで構成される「壁構造」です。間取りの自由が利きにくいということから「リノベには不向き」と考える方もいますが、お二人の理想の家は「すっきりしていること」でした。であるならば、柱や梁のない壁構造はうってつけでした。
「これだけは絶対」という理想が明確であればあるほど、リノベーションは成功しやすいものです。何度も言うように、物件に100点はありません。業者の言葉に惑わされず、「自分が本当に大切にしたいもの、叶えたい理想の住まい」について、今一度整理してみてください。
リノベーション費用詳細
解体処分工事:55万円
造作意匠工事:125万円
建具家具工事:215万円
設備刷新工事:320万円
電気防災工事:50万円
内装仕上工事:85万円
インテリア工事:120万円
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合計:970万円
※設計・諸経費は含んでいません
※参考価格であり契約金額ではありません
※税抜価格です
山本 武司
株式会社シンプルハウス 代表取締役