複数の移動平均線が重なり合って1本になると・・・
上昇の初動をとらえるには、株価がほとんど動かないところから、複数の移動平均線が1本に重なり合った「収れん」を見つけることが大きなポイントとなります。
株価がほとんど動かないところというのは、エネルギーのマグマが溜まっている状態です。こうした状態から移動平均線の収れんが現れると、その直後に、大きなエネルギーが爆発し、株価が大きく上昇することが往々にして起こります。移動平均線の収れんは、新たな相場に転換する節目となるのです。
次は、低位株のチャートで見ていきましょう。下記の図表のチャートはエスケイジャパン(7608)です。長らく安値圏で横ばいが続いていましたが、突如、3本の移動平均線が重なり合って、収れんしていることが確認できると思います。さらに、出来高が急増し、ローソク足の陽線が75日移動平均線を上に突き抜けたことが確認できます。こうした移動平均線に株価が到達する動きも買いシグナルとなります。
【図表 収れんのパターン例】
これだけの条件が揃ったら、上昇相場に入るのはほぼ間違いないと判断し、迷わずエントリーしましょう。日中は仕事をしている人が多いと思いますので、夜のうちにこうした値動きを確認しておき、翌日の寄り付きで買いを入れてください。ちなみに移動平均線が収れんした状態というのは、図表にあるような異なる種類の移動平均線が、一定期間、小幅な価格帯で推移している状態をいいます。
活用したい「逆指値注文(ストップ注文)」とは?
株を売買するときの注文方法について、筆者は大きく分けて「指値注文」と「成行注文」の二つがあると述べました。実は、この二つ以外にも「逆指値注文(ストップ注文)」という注文方法があります。やや中級者・上級者向けになりますが、大変便利な注文方法なのでご紹介しておきたいと思います。
逆指値注文とは、「株価が上昇し、指定した価格以上になれば買い」、「株価が下落し、指定した価格以下になれば売り」とする注文方法です。「指定した価格以下で買い」、または、「指定した価格以上で売り」とする通常の指値注文と逆の注文方法であるという意味から、「逆指値注文」と呼ばれます。
例えば、「株価が75日移動平均線を上抜けたら買おう」と考えた場合は、その節目の価格に逆指値の買い注文を入れておきます。株価がその価格まで上昇すれば買い注文は約定しますが、そこまで上昇しなかった場合はキャンセルとなります。
図表のエスケイジャパンで無事、注文が約定したとすると、その後は2倍以上の大相場に発展しています。過去3年間の値動きをさかのぼってみると、底値は200円台の前半付近です。そのため、このように株価が底値圏にあるときに移動平均線の収れんを見つけることができると、より大きな収益を取りに行くことができます。