前回は、株を売買するときの「指値注文」と「成行注文」のタイミングについて説明しました。今回は、低位株の買い注文を入れる、絶好のタイミングとなるパターンについて見ていきます。

買い注文を入れたい二つの絶好タイミングとは・・・

前回に引き続き、低位株投資の買い戦略について見ていきます。


「低位株」投資でなかなか勝つことができない人は、その要因として“パターン認識スキル”が身に付いていないということが挙げられます。もちろん銘柄によって値動きのパターンは異なりますが、投機筋が介入する低位株には、以下のシグナルが現れます。

 

【シグナル1】 もみ合い相場(横ばい)が長く継続している

【シグナル2】 直近の安値を割らない状況を確認できる

【シグナル3】 その後出来高が急増し、長いローソク足(陽線)が現れる

 

しかし、上記の代表的なパターン以外にも、ある一定のパターンを形成することがあります。そのパターンは大きく分けて二つあり、買い注文を入れる絶好のタイミングとなります。

 

①ブレイクアウト
株価が移動平均線を上抜けるなど、新たな上昇トレンドに入ることを「ブレイクアウト」と言います。ブレイクアウトが現れたときには、相場は常に上がったり下がったりを繰り返していますが、直近の高値を超えて、新しい高値に向かいそうなタイミングです。そこにすかさず買いを入れるということです。ブレイクアウトをとらえてエントリーする手法は、素直に上昇トレンドの波に乗っていく方法になります。

 

②押し目買い
全体としては上昇トレンドを描いている相場でも、常に一本調子で上がり続けるわけではありません。「押し目買い」とは、そうした上昇途中で一時的に株価が下がった押し目(安値)をとらえて買いに入る方法です。

 

【図表1 低位株投資で勝負をかける二つのパターン】

移動平均線で値動きの方向性をつかむ

そして中でも、長年の投資経験の中で、筆者がもっとも信頼しているのが「移動平均線の収れん」です。株価が移動平均線を上抜けるなどの「ブレイクアウト」というパターンについてご説明します。

 

移動平均線とは、株価の動きを平均化して、大まかな値動きの方向性を示した線です。ほとんどの株価チャートでは、ローソク足と一緒に移動平均線も描かれているため、セットで見ていくことで投資の精度が高まります。基本的に、移動平均線が上を向いていて、株価が移動平均線よりも上にあると、その株価は「上昇相場」にあると判断できます。一方、移動平均線が下に向かっていて、株価が移動平均線より下にあると、その株価は「下降相場」にあると判断できます。

 

移動平均線はさまざまな期間のものがありますが、短期線と長期線の2本を組み合わせるか、短期線、中期線、長期線の3本を組み合わせて使うのが一般的です。日足チャートの場合は、5日移動平均線、25日移動平均線、75日移動平均線が用いられることが多く、期間が短いものほど早く動き、期間が長いものほどゆっくりと動きます。

 

注目していただきたいのは、移動平均線の幅です。以下の図2の濃い色の線が5日移動平均線、薄い色の線が25日移動平均線となりますが、2本の移動平均線の幅が広がっては狭まって、狭まっては広がって・・・という動きを繰り返しているのがご覧いただけると思います。たまたまこちらのチャートでは上昇相場になっていますが、下落相場でも同じように、2本の移動平均線の幅は広がったり狭まったりという動きを繰り返します。

 

【図表2 移動平均線のイメージ】

本連載は、2015年12月10日刊行の書籍『初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法

初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法

紫垣 英昭

幻冬舎メディアコンサルティング

アベノミクス効果や日銀の金融緩和により、賑わいをみせている日本の株式市場。昨年からはじまったNISAに続き、ジュニアNISAの創設や教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置の延長など、若年層にむけての資産形成支援も充実…

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