前回は、低位株投資を成功させるために実践すべきことをお伝えしました。今回は、株式投資で大勝ちしたら、一旦相場を離れて冷静になるべき理由を見ていきます。

大勝ち直後の「万能感」は非常に危険

時に相場は急落したり、方向性がつかめなくなることが起こります。

 

そんなときでも何かしら手掛けていないと落ち着かない、といってポジションを持ってしまうのが、近年増えている株中毒者です。オンライン取引が主流になり、いつでもどこでも株式投資ができるようになったことが大いに影響しているようです。

 

しかし、無理に取引を繰り返すようでは冷静な判断ができず、負け戦になるのも当然でしょう。

 

投資家が大きなリスクを取る局面は、大勝ちした直後に訪れるものです。負けが続いているときは、慎重になったり弱気になったりしているため、案外、それ以上の損失を出すことはありません。

 

しかしながら、大勝ちした直後は、自分だけはこのまま勝ち続けることができるんじゃないかと、気が大きくなっています。もっと儲けたいという欲望が湧き上がり、大勝ちしたその日のうちに、次の銘柄に収益を全額つぎ込む人もいるほどです。

休んでいる間に相場を「俯瞰的」に眺めてみる

こうしたイレギュラーな精神状態のときにこそ効果を発揮してくれるのが、「休むも相場」という投資の格言です。

 

自信を失ったとき、あるいは、気が大きくなってしまったときは、持っているポジションをすべて決済し、一度相場の外に出てみましょう。個人投資家が相場に臨む際には、「買う」「売る」に加えて、「休む」という行動もあるのです。

 

相場を休んでいる間は、監視銘柄リストに入っている低位株の過去10年の値動きを検証したり、「チャートブック」にくまなく目を通したり、過去の取引を振り返ったりと、今まであまり時間が取れずに疎かになっていたことに力を注いでください。こうした時間も取引しているに値するほど大切です。だからこそ、「休むも相場」なのです。

 

相場の外から客観的に相場を眺めてみると、今まで見えていなかったことに気付くこともあるはずです。前述した通り、個人投資家の最大の武器は「時間」です。「時間」という武器をうまく使いこなして時には休んでこそ、負けない個人投資家になることができるのです。

本連載は、2015年12月10日刊行の書籍『初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法

初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法

紫垣 英昭

幻冬舎メディアコンサルティング

アベノミクス効果や日銀の金融緩和により、賑わいをみせている日本の株式市場。昨年からはじまったNISAに続き、ジュニアNISAの創設や教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置の延長など、若年層にむけての資産形成支援も充実…

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