えっ、マンション敷地に戸建て?建築基準法のバグ
ぷん太(@55openman)のツイート
「えっ?ここに?建てていいんっすか?」
「いいから建てろ。建てたもん勝ちだ」
「う、売れるんっすか?」
「後の事は建ててから考えりゃいいんだよ!」
4月、グローバルキャスト社がカーサ桜上水の駐車場に強引に戸建を建て裁判沙汰に。その後どうなったのでしょうか…
#クソ物件オブザイヤー
【そこにはパンチの効いた光景が広がっていた】
分譲マンション「カーサ桜上水」の敷地の一部が売却され、そこに不動産会社によって戸建てが建築されてしまった。
今現在は驚きの光景となっている。
この場合「カーサ桜上水」は容積率超過の違法物件となる可能性が非常に高く、マンションの資産価値が大幅に落ちてしまう可能性も…。
【解説】建築確認の制度がおおらかなため、意外と違法マンションってあるもんだ
これはびっくりするやろうww どう? 自分ちのマンションの敷地に急に戸建てが生えてきたら? しかしまぁ上場もしてるTHEグローバル社の子会社がようやったなこれ。揉めるの見えてたのにね。
しかしまぁ笑てるみなさんもマンション買うときに敷地がちゃんとあるか調べるか? 調べんやろ? そもそも敷地が所有権なんか借地権なんか地上権なんかで何が違うんかわからんやろ?
元々マンションを建てるときに必要な建築確認いうんは建物の敷地におおらかな部分があって、特に昔は建築確認を申請する人がその敷地に対して所有権(や借地権)を持っているかの確認が甘かった。極端な話、他人の土地に勝手に建築確認申請するのも可能やったんや。
この今でも理論上は存在する建築基準法のバグで、新築時すでに実は他人の土地まで敷地として設計された違法なマンションが存在してたり、竣工後に敷地の一部が売り飛ばされたりするケースは多いんや。
マンションの敷地の道路に面してる所だけうすく土地切って分譲した後もそこだけ持ってるデベもおったな。今度マンション建て替えする時に絡むためや。そう、青い瓦に白い塗り壁のあのシリーズや。
一つの土地を二重に売るのは確かに儲かる話だが…
【ナゼ?】元からあるマンションが違法建築に!?
マンションを新築する際の建築確認においては敷地とされていた部分を、建物竣工後にマンションの購入者とは関係のない第三者へ売却してしまっているケースが、古いマンションでは稀に見られる[図表1]。
マンションの分譲事業者から見れば、マンション購入者と第三者へ、一つの土地を二重に売ってるわけで、これは儲かる話となる。
しかしこの場合、たとえば面積300坪、指定容積率400%の敷地に容積率いっぱいの建物1200坪を建てて、そのうちの敷地100坪を第三者へ売却してしまったとすると、200坪の土地に1200坪の建物が建っていることになる。容積率600%となり、指定容積率を超過した容積オーバーの違法マンションとなってしまうのだ。このカーサ桜上水では、駐車場として活用されていた敷地は、実はマンションの借地となっておらず、地主が自由に売買できたがために問題が生じた[図表2]。
むしろ成約価格は上昇しているという不可思議
【どーなる?】5年後に戸建ては撤去され更地に マンションの価値は?
本件は結局のところ、グローバルキャスト社から管理組合へ再度、敷地の売買がなされ(ただし売買代金は新築された戸建ての賃料によって5年間に渡ってグローバルキャストへ支払われ、売買代金の完済を持って所有権移転登記がなされる)、容積オーバーは解消されるものと思われるが、そもそも一般の購入者は中古マンションの敷地がきちんと新築時の敷地と同一であるかなど確認しないので、敷地売却がなされ戸建てが建った2017年前後でカーサ桜上水の成約価格に大きな下落は見られなかった。むしろマンション相場全体の上昇を受けて2018年、2019年と続けて成約価格は上昇している。
【こんなクソに気をつけろ‼】
・家を買う時は敷地の権利と範囲に注意
・建築確認の制度にいまだバグあり
・青い瓦のマンションはやめておきましょう
※ 本記事は、書籍『クソ物件オブザイヤー』(KKベストセラーズ)より一部を抜粋、再編集したものです。
全宅ツイ