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なぜ、こんな質問をするのかというと、出会い系サイトからの迷惑メールにも、同じような誘いのコピーが満ちあふれているからです。もちろん、最近は少し受信拒否のシステムが浸透してきましたが、一時は出会い系サイトに登録しなくても、このような誘いのメールが届いていたかもしれません。
そのメールの文言をいくつか並べてみましょう。「好きです。あなたに、どうしても会いたい」「今度、同窓会があります」といったものから、「私の○○○○万円の相続財産をもらってください!」といったものまでさまざまな文言が並んでいます。
そのような誘いをたくさん受け、「オレってモテるのかも」と勘違いしたことはありませんか? 見ず知らずの相手から、突然ウマすぎる誘いに・・・。まず、ないでしょうね。
このような誘いのメールにだまされてしまうような人は、まずいません。ところが不思議なことに、不動産会社の「売り物件探し」のチラシでは、まだ、「今なら私の家は売れるのかな?」と勘違いしてしまう人がいるのです。また、勘違いする人がいると思っている不動産会社があるのです。
しかも家の売買は単価が大きいので、千人、万人に一人でも勘違いしてくれたら、業者にとっては大きな収益源になり、売り仲介の立場に一歩近づくということになります。
このような事情は、賃貸住宅に暮らす若い人をはじめとした一般的な消費者はよくわかりません。家を購入して初めて売り物件を求めるチラシの多さに気づき、勘違いしてしまうのです。
さらに、実際に家を売りに出すとなると、不動産業はいろいろなテクニックを使います。相場としては3000万円の家でも4000万円で売れるかも? と話をもちかけ、別の物件を売るための“商材”に使ったりもします。連載第12回で紹介した「まわし物件」として活用することもあるのです。
不動産業界の取引はブラックボックスの中にあり、個人の売主は取引のしくみをまったく知らない「情報弱者」ですから、ひどい言い方をすれば勘違いしたあなたの家は、不動産業者に好きに使われてしまうこともあります。
そのようなことも平気で行われているのが、不動産業界なのです。