確定申告の「面倒くさい」をちょっとだけ解決する方法

※本記事は、楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で2020年1月24日に公開されたものです。

 

確定申告の準備、皆さんは進んでいますか? 税理士としては「またこの季節が来たか」と憂鬱(ゆううつ)になりますが、自身で確定申告をする方も、頭が痛くなってしまうのではないでしょうか。

確定申告はそもそも「面倒くさい」

そもそも確定申告は面倒くさいものです。筆者自身が確定申告を行う所得の種類を挙げてみても、給与所得、事業所得、不動産所得、配当所得、譲渡所得、雑所得がありますし、ふるさと納税(寄付金控除)や生命保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、社会保険料控除など、所得控除も数多くあります。こうして書いているだけでこれから必要な作業にうんざりしてしまうほどです。

 

とはいえ、少しでも面倒な作業からは解放されたいもの。そこで、確定申告の作業を少しでも簡略化する方法を考えてみたいと思います。

「源泉徴収ありの特定口座」かつ配当金は「株式数比例配分方式」にする

まず簡単にできることは、証券口座を作るときの口座です。

 

手間を考えると、筆者としては源泉徴収ありの特定口座を勧めます。一般口座で売買した場合、売買記録を自分でつけ、損益も正確に計算しなければなりません。デイトレーダーなど売買の回数が多い方であれば、発狂しかねないレベルの面倒くささです。

 

源泉徴収なしの特定口座なら、損益の計算は証券会社にしてもらえますが、確定申告は必要です。確定申告を不要にしたいのであれば、源泉徴収ありの特定口座にすべきです。

 

さらに、配当金の受取方法を株式数比例配分方式にすることで、同一年中の株式の譲渡損と配当金を特定口座内で損益通算してくれるため、確定申告をしなくても良くなる可能性が高まります。

ふるさと納税は「ワンストップ特例」を活用すべきか

ふるさと納税を行った方も多いと思いますが、「ワンストップ特例」は使っていますか?

 

これは、年間5自治体以内であれば、定められた手続きをすることにより確定申告せずともふるさと納税の寄付金控除が受けられるという制度です。

 

筆者はワンストップ特例を使っていません。なぜなら、事業所得などがあるため必ず確定申告をしなければならないからです。

 

実はワンストップ特例は、確定申告をすると特例自体が全て無効になってしまいます。ですから、毎年確定申告が必要な方は、ワンストップ特例の手続きをすること自体が無駄な作業になってしまうのです。

 

ワンストップ特例の適用を受けるためには、自治体ごとに申請書や本人確認書類を送る必要があるなど結構面倒な作業が必要です。

 

せっかく時間をかけて面倒な作業をしたのに、その作業自体が無駄になってしまった…ということのないように気を付けてください。

医療費の領収書は専用の保管場所を作って入れておく

医療費控除を受けるために確定申告をする方も多いと思います。でも、医療費控除額の計算をするためには、医療費の領収書などをきちんと保管しておかなければなりません。

 

今頃になって1年分の医療費の領収書を慌てて探すというのは時間の無駄です。医療費の領収書を保管する場所をあらかじめ決めておき、必ずそこに保管するようにすれば、確定申告の時期に慌てずに済みます。

 

これは、事業所得がある方や、副業で雑所得がある方が領収書などの書類を保管する際にも当てはまります。

 

書類整理がしっかりできていないと、探し物に無駄な時間を費やしてしまいます。面倒を避けるためには日頃からの準備が重要になってきます。

年末調整は抜け・漏れのないようしっかりと確認しておく

年末調整については以前のコラムでご説明しましたが、もし年末調整の内容に抜けや漏れがあった場合でも、後日確定申告をすることにより対応可能です。

 

例えば年の途中で入社した場合、前職の源泉徴収票を新たに入社した会社に提出しなければ、年末調整をしてもらえないため。後日の確定申告が必要です。

 

また、保険料控除証明書などを紛失したため生命保険料控除や地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除といった所得控除を年末調整で受けられなくても、必要書類を準備して確定申告をすれば問題ありません。

 

でも、年末調整の際に必要な書類を準備して会社に提出しておけば、後で確定申告をする、という面倒な作業が不要だったかもしれないのです。

 

年末調整に必要な書類は、10月頃から順次送られてきます。きちんと保管して、年末調整の際に慌てて探さないようにしましょう。

費用を払って税理士に作成してもらった方がオトクな場合も

自営業の社長の多くは自身の確定申告を税理士に依頼しています。それはなぜだと思いますか?

 

1つは「お金で時間を買っている」からです。確定申告をするにはそれなりの時間がかかります。でもそれによりお金を生み出すわけではありません。

 

お金を払って確定申告を税理士に依頼することで、浮いた時間をご自身の事業のために使うことで、結果的には得をすることになるのです。

 

もう1つは、「税金のことはプロに任せた方が結果的に得をする」ことを知っているからです。

 

筆者も仕事柄、税理士に任せなかった確定申告書を数多く見ますが、90%以上は誤りが見つかります。計算ミスや勘違いにより、税金を余計に支払ってしまっているケースも数多くあります。

 

もし税理士に任せていれば余計な税金を払わずに済んだのに…ということが往々にしてあるのです。

 

もし、確定申告に費やす時間がもったいない…と感じている方がいらっしゃったら、税理士に依頼する、というのも1つの方法です。

 

 

足立 武志

足立公認会計士事務所代表 公認会計士・税理士・ファイナンシャルプランナー

 

※本記事は、楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で2020年1月24日に公開されたものです。

 

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著者紹介

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