※本記事は、楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で2020年1月14日に公開されたものです。

1年に一度、NISA口座は変更できる

NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)口座は個人課税と密接につながっているため、暦年、つまり「1月から12月」ごとに、一つのNISA口座を開設する仕組みになっています。これを別の言い方で言えば、「毎年最初の取引前に、開設するNISA口座を選択できる」という意味でもあります。

 

将来制度変更が予定されているものの(一般NISAについては、2024年から新NISAに制度が変更される予定)、今年2020年については2019年と同様の条件で、一般NISA、またはつみたてNISA口座が開設できます。もちろんどちらか一つの口座です。

 

一般NISAとつみたてNISAは、制度の条件がいくつか異なります。

 

大きな違いは年120万円で最大5年の非課税投資を選択するのか、年40万円で最大20年の非課税投資を選択するのかという点です。この場合、「単一年」の投資可能額は一般NISAが高いものの、「累積」での投資可能額はつみたてNISAが高いという関係があります。また現状、つみたてNISAにはロールオーバー(乗り換え)は想定されていないという違いもあります。

 

投資マニア的には「隔年ごとに一般NISAとつみたてNISAを交互に開設し、10年で一般NISA600万円、つみたてNISA200万円の合計800万円を獲得する」というロジックは成り立ちますが、あまり現実的ではありません。

 

すでに一般NISA口座を持っている人は2020年、ちょっと考えてみてもらいたいのは「つみたてNISA口座への切り替え」です。

こんな人はつみたてNISA口座でもいい

一般NISAについては2019年年末の税制改正大綱で公表されたように、2024年から「新NISA(仮)」への変更が予定されています。仕組みが2階建て方式になり、ベースの1階部分は年20万円をつみたてNISA対象の投資信託などに積み立て投資を行います。2階部分は現行一般NISA対象商品から、レバレッジのあるリスクの高い商品などを除き、年102万円まで投資できます(すでにNISA口座を保有している場合などは、1階部分の積み立て投資は不要)。

 

しかし、こうしたニュースを見て「制度が小刻みに変更されると、将来的な制度の継続性はどうなるだろうか」と不安に感じた人もいると思います。一方、つみたてNISA口座は現行制度のままで、口座開設可能な年を2037年から2042年まで延長することとなっているため、将来的に制度が継続する安心感があります。

 

また、「そもそも年間で40万円以上の投資をすることはない」「定期的な積み立て投資をする」「投資信託をベースとした運用で考えている」という人の場合も、一般NISAからつみたてNISA口座への変更を考えていいかもしれません。まず年120万円という枠組みを使い切れていないわけですから、制度の長期的な継続性を選択するのにマイナス要因はありません。

 

それに商品性の点でも、つみたてNISA口座に切り替えても支障がないという点でも切り替えのデメリットが生じないということになります(なお、一般NISAでも投信積立の設定は可能です)。

初回の買い付けをすれば、その年のNISA口座は確定するのでご注意を

つみたてNISAに切り替えるにあたって、注意点が一つあります。あなたが2020年頭に一般NISA口座で買い付けをしてしまうと、2020年の口座は一般NISAを選択したことになり、同一年の途中では変更はできません。

 

もし、「2020年はつみたてNISAでもいいかな……」と思うなら、NISA口座の管理画面にアクセスして、口座の種類を変更しておきましょう。

 

例えば楽天証券の場合、「NISA、つみたてNISA」のカテゴリーで「口座開設、区分変更」を選択、「NISA口座区分変更申込/受付」で変更ができます。

 

手続きの仕組み上、リアルタイムで変更できるわけではありませんが、積み立て投資は月一度程度で定額購入を行うことがベースですから、それほど心配する必要はありません。変更が終われば、その旨、連絡がきます。

 

投資商品を選択したら、購入頻度や投資金額を設定してください。なお、初回購入が2月になる場合は、年40万円の投資枠に合うように毎月の投資額を増やすこともできます。

つみたてNISAがこれからはより注目されるかも

今までつみたてNISAについては年間投資額が少ないことがクローズアップされがちでした。しかし20年先まで税制優遇が確定している、という魅力がこれからは注目されてくるかもしれませんね。

 

 

山崎 俊輔

ファイナンシャル・プランナー

 

※本記事は、楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で2020年1月14日に公開されたものです。

 

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