つみたてNISAに「金」の単一指数の投資信託が入らないワケ

2019年9月、国税庁により「民間給与実態統計調査」の結果が発表されました。本調査によると、サラリーマンの平均年収は441万円とのことです。年金問題をはじめ、少子高齢化による働き手不足など、老後不安につながる問題が尽きないですが、この年収のなかから資産を形成していくしかありません。そこで、老後資金の形成手段として「金投資」が役にたつか、考察していきます。

現物資産として知られる「金」だが…

◆金投資とは?

 

金投資とは、一般的に金を直接購入したり、投資信託という形で投資をすることです。

 

金は現物資産として知られます。困ったときには現金化できる存在です。かつては、通貨自体や通貨の裏付けとして使われました。ただし、金は金属ですので、配当金や優待、分配金などが付きません。

 

現物資産として知られる「金」
現物資産として知られる「金」

 

◆筆者は金投資に否定的です

 

先に筆者個人の意見としては、金投資には否定的です。

 

なぜでしょうか。それは、金での投資は、性質的に投機になりやすいからです。どういうことでしょうか。

 

それは、金は成長に積極的に参加していない資産だからです。鉄・アルミなどと同じ種類の資産です。

 

鉄やアルミで資産形成をしている人って、かなり少数でしょう。なぜ、鉄やアルミで資産形成をしないのかを考えれば、金投資の意味も見えてくるのではないでしょうか。

いわゆる「投資」とは本質的に異なるワケ

◆欲しい人が多いか・少ないかは、将来の見通しに賭ける(博打)しかない

 

現在、金を買って、将来、地球上で金の価格が上昇しているか、していないかは、そのときの需要によります。つまり、金が欲しい人が多ければ、価格が上がっていて儲かるわけです。

 

反対に、金の需要が少なければ、価格が下がっており、損をします。これは現時点では、どちらの見通しになるかわかりません。そのため、見通しに賭けることになります。

 

この賭けるという行為は、投資とは本質的に異なります。つみたてNISAに金の単一指数の投資信託は入っていません。この理由は上記である、と筆者は考えています。

 

◆金の投資信託ってどういうこと?

 

金の投資信託というものがあります。

 

どういうことでしょうか。現物の金を個人が購入するのは、資金面や保管面で大変です。

 

そこで、小額から買い進めることのできる方法として、投資信託があります。投資信託なら百円程度から購入することができますので、買いやすいです。

 

◆金の価格が上がるのは、どんな要因があるの?

 

金投資で価格が上昇する要因には次のようなものが挙げられます。

 

●世界的な金利低下により、債券からお金が流入

●米中貿易摩擦により、株式相場が不安定になり、株式からお金が流入

●各国の中央銀行が外貨準備の一部をドルから金にシフトしている

●株式のような破綻懸念がない

 

世の中にはいろいろな金融商品があるものですね。

 

 

佐々木 裕平

金融教育研究所 代表

 

 

金融教育研究所 代表

1979年生まれ、広島市出身、2013年より金融教育研究所代表(旧名:佐々木FP事務所)

書籍の執筆・個別相談・公開講座(セミナー)を中心に、金融教育を推進中。金融・保険商品の販売・勧誘・斡旋は行っておらず、中立公正な立場から金融教育に努める。定期的に公開講座を開催中。
公開講座ではiDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてニーサを使用した資産形成の普及啓もう活動を行う。

所属学会・協会:行動経済学会/日本FP協会/金融財政事象研究会

著書に「入門 お金持ち生活のつくり方」(こう書房)、「ストレスゼロの絶対貯金」(青月社)、「学校では教えない! お金を増やす授業」(ぱる出版)がある。

著者紹介

連載1級FP技能士が伝授!賢い個人投資家になるための「正しい金融リテラシー」

本連載は、「金融教育研究所」掲載の記事を転載・再編集したものです。

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