特定口座の源泉徴収あり・なし、配当金の受け取り方法は大丈夫?証券税制がらみの諸手続き

※本記事は、楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で2019年12月20日に公開されたものです。

 

株式投資をするうえで切っても切れないのが「証券税制」。NISA、特定口座、配当金の受け取り、節税…全てに証券税制がからんでいます。

 

年末に向けて、やるべきことを再確認しましょう。

NISAの取り扱い金融機関変更はいつまでに行えばよい?

NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)は税法上認められた証券税制の1つで、決まりごとがあります。例えばNISA口座での株式投資は、1年間ごとに1つの金融機関でしか行うことができません。

 

逆に言えば、今年はA証券、来年はB証券と取り扱い金融機関を変更することができます。

 

この金融機関変更は、いつでも自由に行えるわけではありません。当年中に変更したい場合は当年9月30日までの手続きが必要です。10月1日以降は翌年からの変更となります。

 

つまり、現時点(2019年12月中旬)では2020年分からの変更ができることになります。

 

一度でもNISA枠を使った場合は、その年は金融機関の変更ができなくなります。

 

また、NISAの取り扱い金融機関を変更した場合、ロールオーバー(非課税期間の5年を経過した後、翌年のNISA枠を使ってNISAでの保有株をさらに5年間延長保有できるようにする手続き)はできなくなりますので注意してください。

 

税制がからんだ手続きになるので、金融機関変更にはかなり時間がかかります。1カ月ほどは見ておいた方がよいでしょう。この間、NISA枠を使った株式の買付はできなくなります。金融機関変更の手続きをしたいのであればお早めに行うことをお勧めします。

特定口座・源泉徴収「あり」「なし」の切り替えは?

特定口座とは、株式の売買にかかる税金の計算を証券会社が代わりに行ってくれる、大変便利な口座です。この特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の口座があります。

 

源泉徴収なし口座は税金の計算自体は証券会社が行いますが、確定申告を自分自身で行う必要があります。源泉徴収あり口座は、税金の計算だけでなく納付も証券会社が行ってくれます。そのため原則として確定申告は不要で、必要に応じて確定申告をすることもできます。

 

筆者は源泉徴収ありの特定口座を使っていますし、個人投資家におススメなのは源泉徴収ありの方です。でも、源泉徴収なしの特定口座を使っている方も相当数いらっしゃいます。

 

もし源泉徴収なしの特定口座を使用していて、源泉徴収ありに変更したい場合は、年内に特定口座での株式の売却等がないのであれば当年中に変更ができます。年内に株式の売却等をすでにしている場合は翌年からの変更になります。

 

例えば2019年は源泉徴収なしで、2020年から源泉徴収ありに変更したいという場合、2020年に入ってから株式の売却等をする前に変更の手続きをしておく必要があります。

 

頻繁に株式の売買をする方であっても2019年中に手続きを済ませば大丈夫ですので、切り替えを希望される方は早めに手続きをしてください。

配当金の受け取り方法の変更は?

配当金の受け取り方法には以下の4つがあります。

 

●株式数比例配分方式

●登録配当金受領方式

●配当金領収証方式

●個別銘柄指定方式

 

このうち圧倒的に有利なのが、証券会社の口座で配当金を受け取る株式数比例配分方式です。通常、株式等の売却損と配当金を損益通算するためには確定申告が必要ですが、源泉徴収ありの特定口座で、かつ株式数比例配分方式を選択している場合は、同一年の売却損と配当金を特定口座にて自動で損益通算してくれます。

 

また、NISA口座で保有している配当金にかかる税金を非課税にするためには、株式数比例配分方式を選択する必要があります。これも意外と知らない方が多いので要注意です。

 

もし現状の配当金の受け取り方法が株式数比例配分方式以外で、これを株式数比例配分方式に変更したい場合は、口座を有する証券会社のホームページ等にて、いつでも手続きができます。

 

NISAの金融機関変更や特定口座の切り替えのように、期日や条件があるわけではありませんので、変更したいときにいつでも変更できます。

益出し・損出しで節税するならいつまでの売却が必要?

年末のこの時期になるとよく耳にする言葉が「益出し」「損出し」。益出しとは含み益のある株を売却して利益を実現すること、損出しとは含み損を有する株を売却して損失を実現させることです。

 

詳しくは今週の「含み損、含み益を上手く使って節税対策!株式投資の年末準備」で説明していますが、まだ使いきれていない繰越損失を使って節税するならば益出しを、今年の利益を圧縮して節税したいのならば損出しをする必要があります。

 

2019年の株式市場は12月30日まで開いていますが、特定口座の場合は12月30日に益出しや損出しの売却をしても間に合いません。12月30日の売却は受け渡しが2020年になってしまうからです。

 

年内受け渡しベースの最終売買日は12月26日です。益出しや損出しをするのであればこの日までに売却をしておくようにしてください。

 

 

足立 武志

足立公認会計士事務所代表 公認会計士・税理士・ファイナンシャルプランナー

 

※本記事は、楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で2019年12月20日に公開されたものです。

 

楽天証券の投資情報メディア。トウシルのテーマは「お金と投資をもっと身近に」です。投資は、お金に振り回されないためにできることのひとつ。でも、リスクもありますし、むずかしくもあります。トウシルでは、みなさんが投資に対してお持ちの疑問や不安を減らし、投資へのハードルをさげるためのコンテンツを提供します。

https://media.rakuten-sec.net/

著者紹介

連載楽天証券の投資情報メディア「トウシル」発 お金を守るための基礎講座

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧