文字と音つなぐ「アリテレーション」で英語を楽しく学ぶ

小学校から英語教育の重要性が高まるなか、子どものときから英語の文章力を鍛えるにはどうしたらよいのでしょうか。本記事では、子どもの英語の基礎的な力をつけるための、簡単かつ有効な学習法をご説明します。

リズムのよい英語の文章が、子どもの文章力を養う

単語を文に組み立てていくうえでは、絵本や童謡の英語読み聞かせの経験が役に立ちます。英語の文の流れが頭の中に入っているので、うまく文字をそれに当てはめていくことができれば、文章として書いていくことができます。

 

また、マザーグースのようなリズムのよい英語の文章が、子どもの文章力を養うのに役立ちます。例えばこれは、「What Are Little Boys Made Of?」(男の子は何でできている?)という、有名なマザーグースの一節です。

 

What are little boys made of?

Snips and snails

And puppy-dog’s tails

Tha’ts what little boys are made of

 

男の子は何でできている?

ぼろきれやカタツムリ

そして子犬のしっぽ

男の子はそういうものでできている

文字と音の関係が頭に入りやすい「アリテレーション」

連載第2回で、フォニックスという音とつづりのルールを説明しましたが、2行目のsnipsとsnailsの「sn」の音が語頭で韻を踏んでいます。このような語頭の韻を踏む組み合わせを「alliteration(アリテレーション)」と呼びます。

 

アリテレーションもライムもマザーグースやDr.Seussの得意分野で、フォニックスを指導する前に聞き慣れているだけで、文字と音の関係が頭に入りやすくなります。

 

そして2行目のsnailsと3行目のtailsが、「ails」と語尾で韻を踏んでいます。さらに、what little boys are made ofという言葉を繰り返すことで、子どもの頭の中にこの一節が刻まれます。

 

日本人が成長してから学ぶようにI+have+a+penと一語一語組み合わせてI have a pen.と書くのではなく、音のリズムを文字に乗せて書くことができるようになるのです。

 

なお、ABCを覚えるための絵本として紹介したDr.Seussのシリーズは、リズムとライム、文のパターンを重視していて、英語を文で書けるようになるためのよいお手本となります。

「好きな絵本」を書き写させるのも有効

子どもは好きな絵本の絵をまねて、自分で絵を描いてみようとしたりします。英単語を書くことができる子どもであれば、絵と一緒にそれに関連した単語を書いてみるといいかもしれません。

 

もしくは、絵本に書かれている文章をそのまま書き写すことができたら、幼児としては大変優秀です。完璧な文ではなくても、書かれていることに近いものであれば十分です。

 

もしくは、日本語の絵本について、そこに何が出てきたか英語で教えてもらい、単語を書いてみるのもいいでしょう。慣れてきたら、絵を説明するための文を書いてみるようにします。日本語で読んだものを英語で表現することができるということは、日本語での理解と英語での理解が、脳の中できちんと結び付いているという証拠です。

 

その日にあった出来事を、英語で「1行日記」にする

ヒアリングやスピーキングの練習と同様、書くことも毎日少しずつ続けて習慣化することが大切です。自分の気持ちや考えを少しでも英語で書くことができるようになったら、子どもに横書きの日記帳を用意してあげましょう。

 

その日にあったことを何でも、1行でもいいので英語で書きとめてもらうようにします。「お母さんとスーパーに行った」「チョコクッキーを食べた」など、身近なことを英語で表現できるようになりたいものです。

 

何を書けばいいのか戸惑うこともあるかもしれないので、親は、「今日何をした?」「今日見たテレビは?」といったように、ちょっとしたヒントを出してあげるといいでしょう。

 

最初は1行、2行の短いメモのようなものかもしれませんが、慣れていくうちに、自分の行動を物語のように語って書くことができるようになるかもしれません。

 

[図表]日記に使う英語表現

大事なのは量より質――暗記した単語の数に頓着しない

受験勉強の際にできるだけ多くの単語を覚えることを心がけてきた親の世代としては、子どもが単語をいくつ覚えることができたかが気になるかもしれません。

 

アメリカのネイティブの子どもは小学生で1万語以上覚えているといいますが、そこには単に知識としての語彙が多く含まれていて、普段、日常会話の中で頻繁に使う語は、1000〜2000程度と言われています。これは、日本の中学生が3年間で習う語彙数に匹敵します。

 

子どもが難しい単語を覚えていると親としては誇らしく感じられるかもしれませんが、単語数が多いことは、それほど大事なことではありません。自分にとって身近なものや出来事を表現するための単語を知っていて、実際にそれを使いこなすことができるかどうかのほうが大切です。

 

英語圏には、「My First 1000 English Words」(自分にとって最初の英単語1000)というテーマの子ども向けの本が数多く出ているので、まずはそれらを参考にするとよいでしょう。そういった本を見ていると、大事なことは量ではなく質であることに、改めて気づかされると思います。

テレビや絵本で「身近な単語」を自然に身につける

また、愉快でかわいい動物たちの様子から単語や文章を学ぶことができる『Richard Scarry’s Best Word Book Ever』もお勧めします。

 

私が子どものころ大好きだった本で、自分で大事にとっておいたものを、娘も喜んで読んでいます。年代を超え、代々喜ばれる名作シリーズです。絵から意味のニュアンスが伝わってくるので、見ているうちに日常生活で必要な数多くの単語を身につけることができます。

 

日本人は主に英語の教科書や受験勉強で単語を覚えるので、environment(環境)やdevelopment(発展)といった難しい語はよく知っています。しかし、英語圏であれば幼児でも知っているような平易な語についての知識が欠けていることも多々あります。

 

例えば、次の言葉を英語で何と言うかご存じでしょうか。

 

クモの巣

電球

 

答えは「クモの巣=web」「電球=lightbulb」「霜=frost」です。「環境」について話をすることのできる人が、英語で「クモの巣」をなんと言うか知らないとしたら、果たして相手の外国人にどう思われるでしょうか。

 

テレビや絵本を見ながら、自分の中で自然に英語の言葉を育んでいったバイリンガルの子どもであれば、こういったことは起こりません。自分にとって身近なところにあるものを表す語から順番に習得し、それを自分の言葉として使うことができるようになります。

 

語彙を増やしたいのであれば、子どもの成長に合わせ、徐々に難度の高い語に触れていくようにしましょう。

 

小さいころ外国に住んで日常的に英語を話せるようになった子どもも、成長して日本に帰り、英語を使わないようになると、頭の中のボキャブラリーは、小さいころのままで止まってしまっています。

 

日本にいて子どもをバイリンガルに育てる際は、成長するにつれ多様な言葉に触れ、それを自分のものとして使いこなすことができるようにしたいものです。

 

 

三幣 真理

幼児英語教育研究家

 

幼児英語教育研究家

ヒューストン生まれ。4歳で日本に帰国したのち、12歳でカナダへ。慶應義塾大学理工学部入学後、環境情報学部へ転籍。フランス語(第一外国語)、イタリア語(第二外国語)を学び、語学への理解を深める。卒業後は、日本アイ・ビー・エムシステムズ・エンジニアリング株式会社勤務、フリーランスで翻訳・通訳の仕事に携わるほか、日本の英語教育学者の第一人者である東京大学名誉教授の岡秀夫教授に師事。
現在は、敬愛大学でSkype英会話の講師を務めるほか、幼児英語教育研究家として子どもたちの英語教育に携わる。日本人男性との間にもうけた一女をバイリンガルに育て上げた。

http://life-produce.jp/

著者紹介

連載子どもの「英語ライティング力」をネイティブ級に育てる習慣

バイリンガルは5歳までにつくられる

バイリンガルは5歳までにつくられる

三幣 真理

幻冬舎メディアコンサルティング

グローバル化が叫ばれている昨今、世間では英語力が問われる風潮になりつつありますが、日本の英語力は依然として低いまま。 学校での英語教育も戦後間もない頃からのスタイルとほとんど変わらないのが現状です。 そのためか…

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