日本の在来工法の住宅は、本来は100年以上もつもの
虎の子物件とは、20年のローン期間を終えたあとでも、さらに20年以上貸し続けられる物件を対象にしています。目先の利回りよりも、長期にわたり貸し続けられる物件です。
40年以上というと、鉄筋コンクリートや鉄骨の建物しか思いつかない人もいるかもしれませんが、木造でも十分に40年、いや100年でも維持できるようになってきました。投資効率を考えると、建築コストの安い木造も視野に入れる必要があります。
2009年6月4日施行の国土交通省が推進している「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」というものがあります。この法律では、従来木造住宅は20年たつと無価値の扱いを受けていたものを、もっと長期に、100年でも維持・使用できるものにしようというものです。これに伴い、最近では木造住宅でも50年保証や100年住宅と銘打った住宅が販売されるようになりました。
この傾向は、賃貸住宅建設でもどんどん浸透していくものと思われます。本来、日本の在来工法の住宅は、定期的なメンテナンスさえしていれば100年以上もつものです、それが戦後の高度成長期に、20年ほどでスクラップアンドビルドする循環が定着してしまいました。しかし、これからは適切にメンテナンスして長期に利用する時代になり、昔のように築100年、200年という住宅も増えていくようになると思います。
このような長期優良住宅仕様で建てられた賃貸住宅なら40年どころか100年でも貸し続けられます。購入時のローンさえ終えれば、家賃はすべてあなたのものです。そのうちの3割でも維持管理のために残しておけば、長期にわたりあなたに収入をもたらしてくれる虎の子物件になってくれます。
物件の「予算」を考えるときのポイントとは?
予算は、1つの物件予算ということではなく、トータル予算と考えてもらうといいでしょう。ではトータル購入価格はどんな物件かというと、毎月100万円の家賃、年間家賃1200万円の場合、利回り8%の物件価格なら、1億5000万円(1200万円÷8%)相当、利回り10%の場合なら、1億2000万円(1200万円÷10%)相当になります。
相当というのは、1軒でもいいし何軒でもOKだからです。結局、投資トータルがいくらかということなのです。毎月100万円の家賃収入を得られるまでの投資額の目安予算です。
もちろんもっと利回りのいい物件であればあるほど、投資予算は安くなります。東京都心部を除けば、築の浅い中古物件を探せば必ず見つかるレベルです。
30代から不動産投資を始めた人なら、今持っている物件を担保に入れたり、売却したりすれば、50代でかなりいい物件を手に入れられます。あなたからすると1億円を超える投資と言えば途方もない金額かもしれませんが、値がさが張る不動産投資の中であればそれほどでもありません。普通のサラリーマンや専業主婦でも数億単位の不動産投資を平気で行っているのがこの世界です。
税務署から見ると、これくらいの物件でやっと、青色申告特別控除が受けられる「5棟10室基準」の事業的規模として認められる初心者レベルです。不動産投資としては、そんなに難しいことなくやれる範囲です。私からすると、収入を生まない自宅のローンのほうがよっぽど難しいと思います。ローンが終わるまで、ずっとあなたは働き続けなければならないのですから。