激動の時代に翻弄されず、豊かで安定した生活を送るためには、自身で資産形成をすることが必要です。本連載は、収益不動産経営コンサルタントの三木章裕氏の最新刊で、2015年8月に刊行された『空き家を買って、不動産投資で儲ける!』(フォレスト出版)の中から一部を抜粋し、各年代ごとにふさわしい不動産投資による資産形成法をわかりやすく紹介します。

大切な終の棲家が「老後資金」を食いつぶす・・・

そもそも、資産づくりはどうして始めるのでしょうか? それは、根本的な目的が豊かで幸せな生活を送りたいという気持ちにあるからではないでしょうか。しかし、抽象的すぎて具体的に考えにくいかもしれませんので、もう少し踏み込んで考えてみると、まず一番心配なのは老後でしょう。実現したいゴール目標は、老後に誰にも迷惑をかけずに楽しく豊かに暮らしたいのではないでしょうか。

 

若い時なら、頑張って働いて収入を増やすこともできます。でも、高齢になればそんな収入増は見込めません。今持っているお金の中でやりくりして暮らすしかないわけです。しかも、年金もどうなるかわかりません。年齢とともに医療や介護費の負担も増加が予想されます。高齢化社会で、いったいいくつまで蓄えが必要なのか予想できません。まず、このような不安から解消されることが大切です。

 

たとえば、ここに現在80歳を超えた中野さん(仮名)という、夫婦ともにお元気なお2人がいます。彼らは人生設計を70歳くらいまでだと考えて、蓄えや住まいを考えていました。そのため、20年のローンも50歳で終わり、それから70歳くらいまで何事もなく住んでいた住宅が、70歳を過ぎた頃から老朽化が目立つようになり、修繕費用もかなりかかるようになりました。

 

ついに雨漏りもするようになり、屋根修理に200万円の修繕費が必要になりました。残り少なくなった老後資金をこれ以上減らして、娘さんの夫婦に迷惑をかけたくない、これから先の寿命もわからない中、老後資金を減らさないために自宅を処分する決断をしました。

 

建物の評価はゼロで、あまり良い値では処分できませんでした。その後、賃貸の高齢者住宅に入居することになりましたが、家賃など結構な負担となりました。せっかく終の棲家として購入された住宅でしたが、老後資金を切り詰めて暮らすしかなくなってしまったのです。中野さんは、「長生きしても、金ばかりかかるだけで、何も良いことがない」と嘆いていました。

夫婦2人の豊かな老後には毎月60万~70万円必要!?

中野さんのようにならないためには、老後いったいいくら必要なのでしょうか? 私の親友のファイナンシャルプランナーのM氏に聞きました。

 

老後70歳から夫婦2人で豊かで楽しく暮らすには、毎月60万~70万円は必要という結果が導き出されました。毎月60万~70万円も必要と言われると、現役時代でも大変な金額です。まして定年後の働けなくなった時期にそれだけ確保するのは大変です。

 

定年後に1億円の預金があったとしても、預金を食いつぶして毎月60万円使うと、約166カ月(約13年10カ月)、83歳で使い果たしてしまいます。また別の統計(出典:平成25年、生命保険文化センター老後保障「ゆとりある老後生活費」)ですが、夫婦2人のゆとりのある老後生活費は、平均値で月35.4万円です。

 

この生活費では約282カ月(約23年6カ月)、93歳で使い果たします。しかし、この生活費であれば、ある程度、子供さんたちに介護負担や資金援助をしてもらうことを想定しておくべきでしょう。

 

高齢化が進み、ますます平均寿命が上がっている日本ではけっして安心とは言えません。いろいろなケースから数字を出してみましたが、たとえ老後に1億円の預金があっても安心できるとは言えないのです。

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