「訳あり物件」はほとんど表には出てこない
任売物件ですが、どうすれば購入できるのでしょうか。任売物件を扱っている不動産会社は、どこにでもあるというものではありません。むしろ、数が少ないのが現実です。そんな状況の中で、一般の個人投資家が任売物件をどうやって購入すればいいのでしょうか。
そもそも、これまで任売物件は、不動産会社同士の限られたマーケットになっており、親しい関係にある不動産会社同士だけで、情報をやり取りしてきたのが現実です。その親しい関係の不動産会社同士で売買の契約が決まらないと、次は、不動産会社=プロが利用する「レインズ」と呼ばれるインターネットの物件情報に掲載されます。
その物件が任意売却物件であるかどうかは、プロが見れば一目でわかります。任意売却特有の表記がされているからです。ちなみに、どの程度の任売物件が出てくるのかどうかはまずわかりません。もともと、訳あり物件はほとんど表には出てこないため、たとえば年間でどの程度の物件が販売されるのか、といったことは簡単に掴めるものではないのです。
プロの不動産業者から情報収集するのが有効
ただ、ここ数年の傾向として、任売物件の数そのものは少なくなりつつあります。「金融円滑化法」によって、金融機関がローン破綻などの発生を一時的に抑えたために、本来なら破綻すべき案件が先送り状態になっているからです。その金融円滑化法も、平成25年3月末に期限切れとなって、今後はいままでのツケが回ってくるために、一度にどっと出てくる可能性もあります。
なお、任売物件の場合には、競売前までに各種手続きを済ませなければならず、時間との勝負になるので、1日でも早く売らなければならないケースが多く、特定の投資家だけに情報を提供することもあります。ただし、プロの不動産業者に売却するほうが、さまざまな面でメリットが多く、素人の一般投資家が不動産会社へ行っても軽くあしらわれることが少なくありません。どんな物件がいいのか――任売物件にもいろいろありますから、そういった情報も、親しくなった不動産業者に聞くと良いかもしれません。