修繕管理には大きなコストがかかるケースも・・・
任意売却物件の場合、離婚や自己破産などによって家庭不和な状態の所有者が多く、通常の中古マンションに比べて、室内が荒れているケースが少なくないといわれます。そのため、やや修繕管理のコストがかさんだり、時間がかかる場合もあります。さらに、空室期間をできるだけ少なくし、次の入居者をスムーズに受け入れるためにも、ただ単に壁紙を張り替えたり、清掃したりするだけでなく、入居したいと思わせる修繕が必要かもしれません。
たとえば、修繕という範囲を超えて、思い切ってリフォームに踏み切ってみるのも一つの方法かもしれません。実際に、弊社でも任売物件を購入して、リフォームを行い、現代風な内装に作り変えて、高い価格で転売できた、あるいは、スムーズに新しい賃借人を入居させることができたケースが数多くあります。任売物件の場合は、この修繕管理にも注目しておく必要があるということです。
リフォームをすることで「表面利回り」アップも可能
そもそも投資用不動産の場合、その投資効率を示す重要な指標として「表面利回り」が大きな意味を持つと説明しましたが、この利回りを自分自身の力で向上させることができます。その方法がリフォームなのです。リフォームをすることによって、それまでの家賃収入よりも高い家賃を得ることが可能になるわけです。
むろん、購入価格にプラスアルファして、リフォームのコストを加算しなければなりませんから、一気に大きく利回りがアップするわけではありません。いずれにしても、創意工夫次第で投資用不動産はそのパフォーマンスを大きく変えることができるということです。
実際に、リフォーム後はそのまま新しい賃借人を募集することでインカムゲインを引き続き追求することも可能ですし、場合によっては転売してキャピタルゲインの獲得に切り替えることも可能です。
任売物件は、インカムゲイン、キャピタルゲインどちらも狙うことができますが、リフォーム後はより有利にどちらかを選択できる、ということです。ちなみに、リフォームにも一定のルールがあります。
たとえば、キャピタルゲインを狙う場合のリフォームというのは、マンションのような区分所有物件の場合は、内部を優先的にリフォームすることになります。外装部分は管理組合の管轄であり、一入居者が出ていく余地はありません。中小型のマンション1棟とかアパート1棟、もしくは一戸建ての場合も、室内のリフォームを優先して、外装は後回しになっても構わないでしょう。転売する際に現状次第で外装のリフォームを検討するのがいいと思います。
地元の比較的小規模なリフォーム業者が狙い目
ちなみに、リフォーム業者の選び方も重要なポイントになりますが、賢い業者選びのコツは次のような業者に依頼するのがいいかもしれません。
①物件の近くにある地元のリフォーム業者
②家内工業的な規模で仕事をしている業者
③派手な広告を出していない
④不動産屋から評判を聞いておく
要するに、地元の比較的小規模なリフォーム業者が、結局は格安でやってくれるというわけです。こういう業者は、通常は大手の不動産会社やリフォーム会社から下請けで受注しているために、利益の少ないビジネスを強いられており、直接受注すれば大手から仲介手数料のようなピンハネをされずに済むために、仕事も丁寧で、きちんとやってくれる可能性が高いと言えます。ただし、腕が確かかどうかはわかりませんから、知り合いや任意売却を仲介している不動産会社に、その腕の良し悪しを聞いてみることです。
いずれにしても、任売物件の場合、「資金調達」「物件選び」そして「修繕管理」が重要になってくるのは確かなようです。この3点をきちんとクリアしておけば、いわゆる「出口戦略」もスムーズに考えられ、さらに様々な事態にも対応できるはずです。