前回は、任意売却物件を購入する方法について説明しました。今回は、任意売却物件の売買を成功させるために、リスク回避として考慮したい2つのポイントを見ていきます。

将来の転売費用、売却価格を考慮して物件を購入する

任売物件の売買で成功するためには、どうすればいいのか。これがもっとも大切な部分ですが、任売物件にもむろんいろいろなリスクはあります。これらのリスクを回避するためには、ここのポイントは押さえておきたいというところがあります。筆者は、大きく分けて次の2点だと考えています。

 

①市場価格より最低2割以上安く買え!
任売物件は市場価格よりも2割以上安い物件で購入したいものです。市場価格の2割安に達していない物件は、潔く諦める、といった思い切りの良さも必要かもしれません。

 

なぜ、2割なのかといえば、将来的に転売するときのことを考えて逆算してみるとわかります。かかる費用としては、たとえば、購入した時点で支払う「不動産取得税」、所有権を移転する場合の印紙代や司法書士代があるほか、現在の住人が退去する場合は「引っ越し代」を提供しなければならない場合もあったりします。つまり、購入の時点だけでもかなりのコストがかかるわけです。仮に、1500万円程度の任売物件を購入しようとすると、ざっと計算しても最低100万円程度はかかってしまいそうです。

 

仮に市場価格1500万円の物件を、任意売却で2割安の1200万円で購入したとしましょう。初期投資などで100万円かかったとしても、市場価格の1500万円で売却できれば、単純計算ですが200万円程度の利益は出ることになります。

 

プロが不動産投資で失敗しない理由は、こうした仕入れ価格に対して売却価格がいくらぐらいになるのか、ある程度、正確に推測できることです。いわゆる「目利き」というものですが、このあたりの能力は長年の経験と幅広い知識によるものですが、個人投資家もできれば信頼できるプロにアドバイスを受けて成功させたいものです。

賃借人の支払い能力への不安は保証会社を付けて解消

②家賃は保証会社の保険を付ける
賃貸住宅で一番怖いのは、やはり「空室リスク」です。任売物件の場合は、そのまま住み続けたいという人が、競売を避けて任意売却する場合が多く、そういう意味では、賃貸人を探すことや、そのためのリフォーム費用などは不要ですが、ひとつ不安があるとすれば、住宅ローンを払えなくなって家を手放さなければならなくなった人が賃借人になるわけですから、支払い能力に問題はないのか、そのあたりが不安にならざるを得ません。

 

その対応策としては、すべての住人にお願いするわけではありませんが、家賃保証をしてくれる保証会社に入ってもらう場合があります。通常は2年契約で、保証料は家賃の30%程度ですが、家賃保証があれば賃貸料の延滞などにも対応できるはずです。

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    本連載は、2014年10月10日刊行の書籍『任意売却物件ではじめるローリスク不動産投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    任意売却物件ではじめる ローリスク不動産投資

    任意売却物件ではじめる ローリスク不動産投資

    安田 裕次

    幻冬舎メディアコンサルティング

    サラリーマンが副収入を得る方法として注目を集める不動産投資。しかし不動産は決して安いわけではありません。 初期費用がかかるほどリスクは高くなるため、不動産投資の基本はできるだけ安価で条件の良い物件を探し出すこと…

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