投資とギャンブルの差を検証…「還元率」はどれくらい違う?

残念ながら、投資に損はつきものです。そのため、「投資とギャンブルは同じ」といったイメージを持つ人も多いでしょう。パチンコや競馬をはじめとした「ギャンブル」と、確定拠出年金やインデックス投資といった「投資」とでは、何が違うのでしょうか。本記事では、その違いについて見ていきます。

パチンコ・競馬などは還元率が85~75%程度

◆投資を始める前に解いておきたい誤解とは

 

投資って、損をすることがあります。これは大事なポイントですね。投資をすると、元本を下回る成果を招くことが多々あります。

 

・・・こういうと、「やっぱり損をするのが怖いから、投資はやめよう(でも興味はある)」という反応が返ってきます。

 

至極当然の反応です。ここで恐怖心を感じないのはかえって危険です。

 

◆損をしないと、得をする機会がない?

 

ここで、いったん頭を柔らかくして考えてほしいのですが、損というのは、ある偏った見方でもあります。そもそも、金融商品というのは、値段が上がったり下がったりを繰り返すモノです。一本調子で上がりっぱなし、下がりっぱなしというのは、あることはありますが、全体で見れば、順繰りに繰り返すモノです。

 

そして、損をするとき、つまり金融商品の価格が安いときがないと、得をするとき、すなわち価格が高いときもないのです。投資では、損得というものは、コインの表と裏のような存在といえるでしょう。

 

格言っぽくいえば、「損がなければ得がなく、得がなければ損がない」という感じでしょうか。投資初心者の方は、損を過剰評価せずに、正しく損を理解するようにしましょう。そうしないと、心理的なバイアス(ねじれ)が生じて、ムダな行動を取りやすくなります。

 

◆投資ってギャンブルですよね?

 

宝くじはギャンブル?
宝くじはギャンブル?

 

個人的な見解ですが、長期投資はギャンブルとは違います。ギャンブルとは、短期的であり、一方的に損をするものです。

 

まず、代表的なギャンブルである、パチンコ・競馬・競艇などを見てみましょう。下記のイメージ図をご覧ください。

 

還元率一覧
[図表]還元率一覧

 

パチンコ・競馬などは還元率が85~75%程度となっています。これはつまり、みんなで1000万円だしたら、そのうち750万円~850万円くらいが返ってくるということです。

 

単純に見ても、胴元の自治体などが得をして、ギャンブラー(出資者)が一方的に損をします。確かに、短期的に見れば、一人勝ちするケースもあるでしょう。しかし、長時間繰り返せば繰り返すほど確率は一定になり、損をしやすくなります。これがギャンブルです。

 

◆宝くじは最悪のギャンブル

 

宝くじなどは最悪です。還元率が50%を下回っているので、パチンコよりひどいのです。宝くじには一獲千金のロマンがありますが、冷静に考えれば、人の心のねじれを利用したギャンブルです。

長期でやらないと投資もギャンブルになりかねない

投資の場合は、長期で見ると世界が成長し、人口増加するため、還元率が100%を徐々に上回っていく理論です。

 

●100が減るのがギャンブル

●100が増加するのが長期投資

●100のままで分け合うのが、短期投資

 

「大金がないから投資ができない」もよくあるご意見ですが、大金が必要な不動産投資などをのぞいて、現在では毎月1万円程度から投資ができます。20年前の投資の世界とは、大きく様変わりしているのです。

 

◆コツコツ積立は理論的にも合理的

 

考えてもみてください。どうして、厚生年金や確定拠出年金が毎月コツコツお金を出す形式なのか?

 

それは、そのスタイルが合理的だからです。大金がないからといって、投資をしないのはかえって非合理的ではないでしょうか。

 

◆投資なんてしなくていいでしょう?

 

どうしてもしたくないならかまいませんが、投資はギャンブルではありません。冷静に考えてください。

 

●長期でコツコツと資産形成をしていく投資は、何のためでしょうか?

 

●確定拠出年金が原則60歳まで引き出せないのは何のためでしょうか?

 

老後のためです。今の20代・30代が年金受給世代になったときには、安定した生活が公的年金だけではまかなえない可能性が高いのです。

 

◆浪費のための投資から、老後のための投資へ

 

投資というのは、お金持ちが遊ぶお金欲しさに行うのではありません。それはギャンブルです。

 

本物の投資は、長期でコツコツと資産形成を目指すモノです。60歳以降の生活費を充実させるために、プライベート年金として、確定拠出年金や各種投資を行うのが心構えとしては健全だと思います。

 

◆まとめ

 

●投資の損を必要以上に拡大解釈しない

●短期で行うのはギャンブル、長期でするのが投資

●現代の投資では大金は必要無い

●投資は浪費のためではなく、老後のために考える

 

 

佐々木 裕平

金融教育研究所 代表

 

金融教育研究所 代表

1979年生まれ、広島市出身、2013年より金融教育研究所代表(旧名:佐々木FP事務所)

書籍の執筆・個別相談・公開講座(セミナー)を中心に、金融教育を推進中。金融・保険商品の販売・勧誘・斡旋は行っておらず、中立公正な立場から金融教育に努める。定期的に公開講座を開催中。
公開講座ではiDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてニーサを使用した資産形成の普及啓もう活動を行う。

所属学会・協会:行動経済学会/日本FP協会/金融財政事象研究会

著書に「入門 お金持ち生活のつくり方」(こう書房)、「ストレスゼロの絶対貯金」(青月社)、「学校では教えない! お金を増やす授業」(ぱる出版)がある。

著者紹介

連載1級FP技能士が伝授!賢い個人投資家になるための「正しい金融リテラシー」

本連載は、「金融教育研究所」掲載の記事を転載・再編集したものです。

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