PERを使った銘柄探しは落とし穴?割安株選びの注意点

※本記事は、2019年10月10日に楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で公開されたものです。

PERが低い銘柄を見つけたらどう感じますか?

割安株を選ぶときに多くの個人投資家が参考にしているPER(株価収益率)。でも使い方に気を付けなければ逆効果になってしまうこともあります。今回は、これだけは知っておきたいPERの使い方をお伝えします。

 

PERの適正水準は15~20倍程度で、PERが低いほど割安であると、株式投資の教科書には書かれています。

 

この点を踏まえ、例えばPERが5倍とか、7倍の銘柄を見つけたら、あなたはどう感じますか?

 

めちゃくちゃ割安な銘柄を見つけた!超ラッキー」とか、「今すぐ買わなければ!」と思っていませんか? 実はその感じ方、非常に危険と言わざるを得ません。

 

実際、PERが1桁の銘柄を割安と思って投資した結果、さらなる株価の下落で大きな損失を被ってしまうケースが後を絶たないのです。

 

筆者がPER5倍、7倍の銘柄を見つけたら、「なんでこの銘柄、PERがこんな低い水準で放置されているんだ?」と真っ先に感じます。

 

そして次に「PERがこんなに低い水準に放置されている理由が何かあるに違いない」と思います。

 

まずは低PER銘柄を見つけたら、割安な株だと喜ぶのではなく「PERが低い」=「低いだけの理由があるはずだ」と考えるクセをつけるようにしてください。

PERの活用術

PERが低くても株価がさらに値下がりすることも多いなど、PERは皆さんの想像以上に使いこなすのが難しい指標です。そのため筆者としてもあまり重視していません。

 

筆者がPERを活用して割安株を選ぶときは、次の2点に注目します。

 

(1)業績が急速に伸びている銘柄ではないこと

もし業績が急速に伸びていて、今後も伸びるのならば、PERが1桁などの低い水準で放置されているということは考えられません。逆に、足元の業績は絶好調である反面、今後の業績の伸びが鈍化したり、悪化することを投資家が見越しているからPERが低い水準で放置されているとみるのが無難です。

 

(2)業績が毎年伸びてはいないが、長い目でみて増収増益の傾向にあること

業績が毎年伸び続けている成長株であれば、PERは高めになります。一方、業績が伸びたり伸びなかったり、といった銘柄は、成長株に比べるとPERは低くなります。

 

しかし、長い目で見て増収増益の傾向にあるなら、業績が好調であることには変わりありません。PERが低く、評価されていない銘柄であっても株価は上昇する可能性が高まります。

最終的な判断は株価のトレンドを最優先

なぜPERが低い状態で放置されているのか? これにはいくつかの理由が考えられます。例えば、売買高が少なく流動性リスクが高いため、その分株価が割安に見えることもあるでしょう。将来の業績が伸び悩んだり、悪化すると投資家が思っているために、当期の利益を基準にして考えたPERでは表面上割安に見えるだけ、ということも考えられます。

 

もちろん、本当に株価が割安にもかかわらず、人気がないため割安のまま放置されている可能性もあります。多くの投資家の関心が成長株に向いているような時期であれば、十分にあり得ます。

 

しかし、私たち個人投資家は、PERが低い状態で放置されている本当の理由を正確に知ることができません。その一方、本当に割安な銘柄であればいつかは買われることになるでしょう。表面上割安に見えるだけの銘柄なら株価は上昇せず、場合によっては下落を続けるかもしれません。

 

したがって、「最終的な判断は株価のトレンドを最優先する」というのが筆者の考え方です。

 

割安であると自分が判断した銘柄が本当は割安でないならば、株価は上昇しない、もしくは下落することになりますから上昇トレンドになりません。それなら買わなければよいだけです。

 

割安と判断した銘柄が本当に割安であっても、外国人やプロ投資家が買ってくれなければ株価はなかなか上昇トレンドになりません。その間は、買いは控えるようにします。でも、彼らが本格的にその銘柄を買ってくれれば、上昇トレンドになりますからその時に私たちも買えばよいのです。

 

PERは非常にシンプルで分かりやすいですが、実際は使いこなすのがとても難しい指標です。

 

PERが低いから割安、と単純に判断するのではなく、PERが低いさまざまな理由が考えられるという点を理解し、株価のトレンドを併用して大きな失敗をしないように活用してみてください。

 

 

足立 武志

足立公認会計士事務所

 

※本記事は、2019年10月10日に楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で公開されたものです。

 

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