辞書はいらない!映画やアニメで「英語を覚える」凄い効果とは

正しい文法に則って中身のある話ができるなら、カタカナ英語でも問題ない…。英語学習の場でそのような主張を耳にすることがありますが、実際は、外国人にとってカタカナ英語の聞き取りは相当な苦行です。しかし、幼児期から英語の発音に親しみ、まねをしていれば、正しい発音を身につけることも可能です。本記事では、幼児英語教育研究家の著者が、映像を活用した発音の学習法について解説します。

「一生懸命耳を傾けなければならず…」

日本人と話をする機会の多い外国人や、日本へ旅行に来た外国人に話を聞くと、「カタカナ発音が多いと、一生懸命耳を傾けなければならず、聞いていて疲れる」と言います。発音がカタカナ風でも、語彙が豊富で文法が正しければ、もちろん通じます。しかし、聞き取る相手には負担をかけているのです。

 

最近はデパートの中、電車の中など日本にいてもいたるところで英語のアナウンスを耳にするようになりましたが、外国人の中には「デパートの英語のアナウンス、聞き取りづらくてよくわからなかった」という人もいました。アナウンスですから、当然正しい英語で書かれたものをきちんと読んでいるはずなのですが、それでも「わかりにくい」と受け取られてしまうことがあるのです。

 

英語の発音は、人との出会いでいうと「第一印象」と同じです。語彙・文法のレベルが同等で、きれいな発音で話す人とそうでない人がいれば、当然聞き手は発音がきれいな人のほうに耳を傾けます。

 

子どもが英語を話すようになったときも、当然その違いが出ます。発音がいいと相手に通じやすく、コミュニケーションが取りやすくなるため、子どもは「自分の英語が通じた」と、自信を持つようになります。

 

家族3人でアメリカを旅行したとき、空港の入国審査の質問には、娘に自分で答えさせてみました。流暢にやりとりすることができ、係官に「アメリカに住んでいる子どもかと思った」とほめてもらったのが、よほどうれしかったのでしょう。アメリカではレストランやホテルで子どもが係の人にあいさつをすると、たいていにこやかにほめてくれます。子どもにとって、ほかの大人に認めてもらうということは大きな意味を持ちます。英語を話すのが楽しくなるきっかけを増やしてあげるためにも、よい音を聞かせ、よい発音を育てることが大切です。

子どもは言葉も「人のまね」をして覚えていく

生まれたときから英語を聞いている子どもは、頭の中でいったん日本語に直してから英語にするのではなく、自分の見たもの、聞いたものをそのまま英語で表現することができるようになります。そうした能力を養うためには、絵本でも動作やストーリーなどが絵からよく理解できるものを選び、映画やアニメも、自分の日常の行動や心の動きに近いものを見せてあげるとよいでしょう。

 

イヌがdog、ネコがcatというのはイヌやネコの絵や写真を見て覚えることができますが、例えばI’m happy.(うれしい)、I’m sad.(悲しい)といった表現をするときはどうでしょうか。単にうれしそうな顔をしている人、悲しそうな表情を見て覚えるのではなく、探していた宝物が見つかって喜んでいるストーリー、かわいがっていたイヌがいなくなってとても悲しんでいる物語など、心の動きを読みながらそれを自分の頭の中にある英語表現と結び付けていくことができるものがいいでしょう。

 

また、親のまねをして料理をしたりお化粧したりしたがるように、子どもは言葉を発するときもほかの人のまねをします。おいしそうにおやつを食べながら「Yummy!」(おいしい!)と叫んでいる子どもを映画やテレビの中で見たら、自分もおやつを食べたときにYummy! と叫ぶかもしれません。娘が3歳になったばかりの頃、旅行先で見た英語のアニメがよほど印象的だったのか、シャンプーが目に入って悶えている人の長いセリフを覚え、お風呂のたびにまねしていたことがあります。“Shampoo got into my eyes!! It burns my eyes!!!!” というセリフです。

 

何が子どものツボに入るかわかりませんが、これほど長いセリフでもスーッと覚えられる幼児期が羨ましいほどです。

 

こうして身につけた英語表現によって、教科書で見る型通りのやりとりではなく、自然な生きたコミュニケーションをすることが可能になります。例えば、英語で「・・・してもいいですか?」と聞かれたとき、学校で英語を習ったたいていの日本人の口から出てくる返事は、「Yes」や「OK」ではないでしょうか。実際のネイティブのコミュニケーションでは、返事の仕方は「Great!」(いいね!)、「Cool!」など多岐にわたります。coolは昔辞書で見て「涼しい」「カッコいい」という意味で覚えている人が多いかもしれませんが、現代の口語英語では「すごい」「素晴らしい」という意味でよく使われます。映画やアニメで英語を覚えれば、辞書を引かなくても、その場の状況に合わせた多彩な表現を使うことができるようになるのです。

 

 

三幣 真理

幼児英語教育研究家

 

幼児英語教育研究家

ヒューストン生まれ。4歳で日本に帰国したのち、12歳でカナダへ。慶應義塾大学理工学部入学後、環境情報学部へ転籍。フランス語(第一外国語)、イタリア語(第二外国語)を学び、語学への理解を深める。卒業後は、日本アイ・ビー・エムシステムズ・エンジニアリング株式会社勤務、フリーランスで翻訳・通訳の仕事に携わるほか、日本の英語教育学者の第一人者である東京大学名誉教授の岡秀夫教授に師事。
現在は、敬愛大学でSkype英会話の講師を務めるほか、幼児英語教育研究家として子どもたちの英語教育に携わる。日本人男性との間にもうけた一女をバイリンガルに育て上げた。

http://life-produce.jp/

著者紹介

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幻冬舎メディアコンサルティング

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