内容紹介:
日本企業の大多数を占めるファミリービジネスは、世界では地域経済への貢献などに誇りや自覚を持っている企業と見なされることが多く、アジア諸国からは日本の事例を学びに来る人々がいる。
しかしファミリービジネスは事業承継が複雑で、どのようにこれを進めてよいかわからないという声がよく上がる。
本書は事業承継をめぐる課題について、著者のこれまでの研究に基づく老舗企業の事例、また、幻冬舎ゴールドオンラインの連載をベースに読みやすくまとめた一冊。
さらに、単にそれらの問題解決というだけでなく、経営戦略・経営組織・ガバナンスなどの経営学の知見を踏まえ、より発展的に、事業承継を契機にイノベーションを起こす一助となることを目指している。さらに、ファミリービジネスにおける事業承継からの知見を元に、一般の中小企業、さらには大企業にまで普遍的に適用できるヒントを、テーマごとに示している。
事業承継の成否は、日本の産業活力の今後を左右するため、中小企業庁でもそのサポートを行っている。2016年刊行の『事業承継のジレンマ』が実践経営学会名東賞、ファミリービジネス学会賞を受賞した著者による、事業承継にかかわる当事者や士業の専門家、ビジネススクールの学生などに向けた基本書。
【もくじ】
はじめに
第1章 事業承継とは何か
第2章 現経営者の役割と課題
第3章 後継者の当事者意識と独自性の育成
第4章 先代経営者と後継者の関係性
第5章 利害関係者と後継者の関係性
第6章 経営戦略と次世代組織の構築
第7章 後継者の企業家行動とガバナンス
おわりに
書籍名:『事業承継の経営学 企業はいかに後継者を育成するか』
著者:落合 康裕
神戸大学大学院経営学研究科博士後期修了。博士(経営学)。大和証券株式会社、日本経済大学経営学部准教授を経て、2018年より現職。ファミリービジネス学会理事。
現在、ファミリービジネスの事業承継について経営学の観点から研究を行う。大学での教育研究活動を軸に、多くのビジネススクールにて事業承継講座の講師を勤める。
2015年に、日本で初めてのファミリービジネスの実証研究書となる『ファミリービジネス白書 2015年版』を株式会社同友館から発行。2018年には、『ファミリービジネス白書 2018年版』を株式会社白桃書房から発行する。同書の刊行時より、企画編集委員長をつとめる。
主著『事業承継のジレンマ―後継者の制約と自律のマネジメント―』(白桃書房、2016年)にて、ファミリービジネス学会賞、実践経営学会名東賞受賞。
出版社:白桃書房
価格:本体2,273円+税