ニューヨーク株式市場、26日。ダウ平均株価の終値は326.15ドル高の26,362.25ドルとなり、3週間ぶりの高値となった。中国商務省報道官やトランプ米大統領の発言を受け、米中両国が、貿易摩擦の解決へ向け発展的な方向へ進んでいることを市場は好感。来月1日には中国に対する第4弾課税が発動される見込みだが、土壇場にきて延期、または中止の可能性も出てきたと捉えられたようだ。高値圏を推移していることで短期トレーダーから「暴落の予兆」を指摘されることも多いNYダウだが、どこまで上がり続けるのか。検証する。

NYダウは「暴落」するのか?

長期で見ると右肩上がりの成長を続けているNYダウ。特にここ最近では7月11日に初の27,000ドルを超えて史上最高値をつけると、記録を更新し続け、同月7月15日には終値で27,359.16ドルとなった。
 

その後もトランプ大統領のツイートなどに影響されながら、上がり下がりを繰り返し、冒頭で述べたように26日現在の終値は26,325.25ドルと、過去と比較するとずっと高値圏にいる。

 

米国の経済指標は、トランプ大統領が選挙戦に向けて作成した「成果動画」を見るまでもなく、概ね好調であり、NYダウの好調さには裏付けがないわけではない。

 

ただし、世界経済全体で見ると、米中貿易摩擦の激化や合意なきブレグジット(英国のEU離脱)など、恐慌の引き金となるような爆弾をいくつか抱えており、「金」などへのリスク回避を目的とした資産の分散も見て取れる。

 

金価格が最高値を更新するなどで注目されると、「金の価値は、貨幣や有価証券が紙屑になっても落ちることはない」という、お決まりの説明が広く出回るため、世界の金融市場が破綻するイメージが持たれやすくなる。また、NYダウのように高値圏を推移している指標は特に、短期トレーダーがチャートから「暴落の予兆」を発見しやすい。これらが合わさり、不安に思っている人も多いのではないか。

 

NYダウに「暴落」の予兆あり!?

 

確かに、世界経済を見渡すと順風満帆とは言い難い状況だが、NYダウが暴落することはあるのか?

 

国際情勢の動き方次第では、NYダウも大きく下落する局面はあるかもしれないが(それを暴落と呼ぶのならば、その可能性はある)、長期で見れば、今の社会そのものが大きく変わらないかぎり、また立ち直る可能性は高い。

 

NYダウを形成するアップル、ボーイング、マイクロソフト、インテル、ウォルト・ディズニー、Visa、JPモルガン・チェース、マクドナルド、ジョンソン・アンド・ジョンソン、ナイキ……など、名だたる企業30社の株価が、立ち直れないほど暴落し、こぞって紙屑同然になるまでの状況は、資本主義の崩壊くらいのインパクトがあるものでしか、想像し難い。

NYダウは「上がり続ける」のか?

NYダウに限らず、価格が高値圏にある際には「このまま上がり続けるのだろうか?」ということは気になるところだろう。

 

もちろん、永遠に落ちずに上がり続けることなどはないのだが、日々、上がったり下がったりしながらも長い目で見たときに「上がり続けている」かどうかは、長期の投資で資産形成を考えている人にとっては大変重要である。

 

投資の話なので「絶対」はないのだが、これに関して、NYダウについては知っておくべき大きな特徴がある。それは銘柄の入れ替えだ。

 

ご存じのとおり、NYダウは米国における様々な業種から、主要銘柄が時代に合わせて30種選定され、その株価を平均し調整した指標だ。例えばの話であるが、アップル社がまだ見ぬ競合の新しい技術に負け、株価がズドンと落ちたとしても、代わりにその競合がNYダウに組み込まれるということもある。この場合、アップル社1社に投資しているのであれば、まさしく株価の暴落を体験することになるが、NYダウという指標に投資しているのであれば、そのリスクは低い。

 

時代と共に競争原理のなかで、現在NYダウに組み込まれている企業が落ちていったとしても、同じ業種のなかで相対的に上がってきた企業があれば、その分の上昇は見込むことができる。

 

資本主義においては、やはり大資本を持っているものが強いという考え方がある。それに則り、NYダウに組み込まれるような米国の大手企業が、今後、「さらに勝ち続ける」と見るのであれば、NYダウは「上昇し続ける」と考えることができるだろう。

 

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