良い不動産会社を見つけたら専任または専属契約を
前回に引き続き、任意売却物件で成功するための出口戦略について見ていきます。
【失敗しない売却術4―賢く売却するための不動産会社選び】
最近では、投資用不動産を扱う不動産会社も多くなっており、様々な方法が選択できます。賃借人を募集するときは「専任仲介」よりも「一般仲介」のほうがスピードが速いのですが、売却に際しては「「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」そして「一般媒介契約」という3種類があり、賃貸の場合よりも複雑になってきます。
賃貸同様に、専任や専属よりも一般のほうが有利かというと、売買に関しては難しい選択になります。結論から言えば、良い不動産会社を探すことができれば「専任」もしくは「専属」が効率的と言えるのではないでしょうか。専任と専属の違いは、自力で買主を探し出すことができるかもしれない、という心当たりがある人は「専任」にして、自分で探そうという意思はない、という人は「専属」がいいと思います。
これらの違いについては、不動産会社サイドから言えば、一般媒介契約の場合はやはり一生懸命に売ったとしても、他社にもっていかれてしまえば1円にもなりませんし、広告費も自社持ちで出すことになるわけですから、売ろうという意気込みが全然違ってきます。そういう意味では、専任もしくは専属のほうが、早く売れる可能性は高くなります。
素早く、確実に売るノウハウを持つ不動産会社を探す
さらに、最近はインターネットを使った売却が普及してきて、結局のところは売り出されている物件の価格が適正なものであるのか、あるいは割高なのか、といったことがすぐにわかってしまうような状況になっています。
言い換えれば、素早く、そして確実に売るためのノウハウを持っている不動産会社を探してくることが重要と言っていいでしょう。たとえば、売却価格をいくらに設定するのか、といった重要なことも、不動産会社によっては微妙に変化してきます。任売物件の場合、仕入れ値が割安のために、それほど無理をしないでも利益は出てしまうのですが、投資用不動産というカテゴリーで見ると、売却価格の決め方次第で、もっと大きな利益が得られたのに、そのチャンスを失ってしまう可能性もあるわけです。
そういう意味でも、投資用不動産に慣れている不動産会社を見つけて、専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約を結び、より正確な「キャッシュフロー」を提示して、売却価格を決めるほうがいいと思います。不動産会社もできるだけ、早く売ろうと真剣になってくれるはずです。
そういう意味では、キャッシュイン(収入)とキャッシュアウト(支出)が分かるような書類を揃えておくと、投資用不動産に強い不動産会社を見つけられた時に、すぐに相談ができて便利かもしれません。
ちなみに、キャッシュインを示すものとしては、賃貸料が分かる「賃貸借契約書」が必要です。また、キャッシュアウトが分かるものとしては、
●管理委託契約書・・・管理費の支出や修繕積立金の金額が分かる書類。
●固定資産税納付書・・・不動産投資で大きな経費のひとつが固定資産税。
●水道、光熱費の領収書・・・管理スペースの電気代、ガス代、水道代などがある場合。
●その他・・・リゾート地の温泉管理費など特殊な支出がある場合。
こうしたキャッシュフローが正確にわかれば、投資用不動産に慣れている業者であれば、より正確に近い査定額、売却できる価格を算出してくれるはずです。