不動産投資で成功するには、出口戦略=売却で失敗しないことが重要です。本連載では、不動産売却のなかでも任意売却物件に特化した「失敗しない売却(転売)術」について見ていきます。

大きなキャピタルゲインが狙える可能性もある任売物件

不動産投資で成功する大切なコツとは、出口戦略=売却で失敗しないことだと言っていいかもしれません。そのためには「適正な価格で売却すること」「ベストなタイミングで売却すること」「売却先の賢い探し方」そして「売却のコストと手順」などについて、きちんと押さえておく必要があります。本連載では、任売物件の上手な売却方法について、順を追って解説していきます。

 

【失敗しない売却術1―適正な価格で転売する】

任意売却物件(以下、任売物件)で安く仕入れた不動産も、売却のタイミングや売却価格を誤って判断したのでは意味がありません。任売物件は、購入した時点の市場価格で売却すれば、諸経費は別にしてそれだけで2割程度の利益は出ているはずですが、問題は売却時点の市場価格であり、その物件の正確な価値です。

 

たとえば、不動産価格は経過年数とともに下落していく傾向にあります。仮に、購入から5年が経過した時点で売却しようとしたときに、これまではデフレだったために、不動産価格は一方的に下落するのが普通でした。しかし、今後はアベノミクスなどの影響で逆に大きく値上がりしているかもしれません。

 

任売物件は、「インカムゲイン」も、「キャピタルゲイン」も狙える物件ですが、今後はより大きなキャピタルゲインが狙えるかもしれないということです。

 

そもそも1980年代後半のバブル時代まで、日本の不動産市場は、買っておけば値上がりするものでした。不動産投資ブームが全国的に拡大し、不動産価格もうなぎ上りでした。不動産価格というよりも、正確には土地価格が上昇したわけですが、あの時のようにはならないと思いますが、2020年のオリンピックを控えた東京近郊では、バブル期を思い出させるようなことがあるかもしれません。そうなると、ますます不動産価格を正確に判断し、適正な価格で売却することが求められます。

 

ただ、残念なことにこうしたテクニックというのは、素人とプロとの間には大きな差があります。信頼できる不動産業者に依頼して、売却の価格やタイミングを決めたほうがいいかもしれません。

権利関係が複雑な任売物件はプロの投資家に売却を

不動産業者も、実は任売物件のようにちょっと複雑で、格安で手に入るような物件は素人ではなくプロに販売したがります。そもそも不動産価格が大きく値引いて販売される理由は、大きく分けて次のような3つの理由が考えられます。


①権利関係が複雑になっている
②事故物件、土地の形が悪いなど物件そのものに問題がある
③違法建築、間取りが悪いなど建物に問題がある

 

任意売却が安い理由は、①の権利関係の複雑さが最も大きな要因になりますが、言い方を変えれば複雑で大変な作業があるわけです。素人の投資家に対しては、そうした様々な事情を一つ一つ丁寧に説明することになるわけですが、プロの投資家であれば細かく説明していく必要もないし、また売買の決断も早い特徴があります。

 

任売物件は、ある意味で時間の勝負でもありますから、さっさと決断してくれるプロに販売したほうが楽なわけです。そして、任売物件を購入したプロの不動産業者も、購入した物件をクリーニングやリフォームして一般の消費者に転売することで利益を出します。

 

①以外の理由になると、一度更地にして建て直す、あるいはリフォームするなど、かなり大掛かりな修繕などが必要になってしまいます。そういう意味では、プロの不動産業者も手を出しにくくなります。

「家賃」と「標準的な利回り」から適性価格を割り出す

さて、実際に適正価格での売却を考えたときに、どんな計算方法を使って適正価格を割り出せばいいのでしょうか。もともと市場価格より2割程度格安な任売物件の場合、市場価格で売却できれば、それだけで2割程度のキャピタルゲインを得られるわけですから、適正な価格での売却=市場価格と同程度の価格で転売できればいいことになります。

 

とはいえ、年月を過ぎると市場価格も微妙に変化してきます。そこで、投資用不動産の場合の適正価格の算出方法を紹介しておきましょう。この方法は、「家賃」と「標準的な利回り」を使う方法で、たとえば家賃が月額10万円で年間120万円だった場合の適正価格を算出すると、次のようになります。その地域の標準的な利回り(不動産業界では「キャプレート」と呼ばれます)を10%とした場合は、

 

■年間家賃収入120万円÷その地域の標準的な利回り10%=1200万円


年間家賃120万円、標準的な利回り10%だった場合の投資用不動産の適正価格は、1200万円ということになるわけです。ちなみに、どうしても早く売りたい、あるいはなかなか売却できない場合は、標準的な利回りをやや上回る売却価格で売りに出すといいのかもしれません。たとえば、標準的な利回りを1%ずつ増やして設定すると、適正価格は次のように変化していきます。


●利回り11%……1090万円
●利回り12%……1000万円

 

逆に、もう少し強気に売りたい、という場合には標準的な利回りを9%とか8%に落として、販売価格を選ぶといいかもしれません。適正価格を正確に把握できれば、あとはその時の状況に応じて、あるいは物件の状況などに応じて転売価格を決めていけばいいわけです。

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    本連載は、2014年10月10日刊行の書籍『任意売却物件ではじめるローリスク不動産投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    任意売却物件ではじめる ローリスク不動産投資

    任意売却物件ではじめる ローリスク不動産投資

    安田 裕次

    幻冬舎メディアコンサルティング

    サラリーマンが副収入を得る方法として注目を集める不動産投資。しかし不動産は決して安いわけではありません。 初期費用がかかるほどリスクは高くなるため、不動産投資の基本はできるだけ安価で条件の良い物件を探し出すこと…

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