ニューヨーク株式市場、週明けの19日。ダウ平均株価の終値は249.87ドル高の26135.79ドルとなり、3日連続の伸びとなった。14日には債券市場で2年債と10年債の金利が逆転する「逆イールド」が起こり800.49ドル安と今年最大の下げ幅を記録していた。現在、逆イールド現象は見られていない。過去にはリーマンショックなどの歴史的暴落からも立ち直ってきたNYダウに死角はないのか? 検証する。

NYダウとは?

NYダウとは、ダウ工業株30種平均のことで、選ばれし30社の株価の平均から算出される指数である。30社のラインアップはそうそうたるもので、

 

アップル

アメリカン・エクスプレス

ボーイング

キャタピラー

シスコシステムズ

ウォルト・ディズニー

ゴールドマン・サックス

ホームデポ

アイ・ビー・エム

インテル

ジョンソン・エンド・ジョンソン

JPモルガン・チェース

コカ・コーラ

マクドナルド

マイクロソフト

ナイキ

ファイザー

P&G

Visa

ウォルマート

 

……などなど、日本でも馴染み深い大会社がズラリと並ぶ。これだけのラインアップなので、「手堅い」と考える投資家も多い。

リーマンショックで暴落も、今年は史上最高値を更新

それでも2008年のリーマンショック時には、半値近くまで暴落した。しかし、そこから復活し、今年2019年の7月には史上最高値を更新(27,359.16ドル)。初の2万7,000ドル突破時にはトランプ大統領や大統領補佐官でもある娘のイヴァンカ・トランプがツイッターで興奮していたことは記憶に新しい。

 

ちなみに1929年のブラックマンデーでも大幅な下落を記録しており、このことが世界恐慌の一因となったとも言われている。過去、こういった暴落を経験しながらも、復活して最高値を更新し続けているのがNYダウである。

もし「大暴落」が起きたら、大損してしまうのか?

米中貿易摩擦、英国のEU離脱(ブレグジット)、ドイツの景気後退……世界経済の危機を誘発するようなリスクが毎日のように報道される。実際、「明日どうなるかはわからない」とまでは言わないが、いつ危機的状況が訪れてもおかしくはない。

 

世界的な恐慌が再び訪れて、NYダウが大暴落したとき、そこに投資をしている投資家たちは大損してしまうのか? 実はそうとは言い切れない。NYダウに長期積立投資をしている投資家にとっては、暴落期間は「バーゲンセール期間」とも言えるのだ。

 

積立投資とは、毎月定額を買い増していく投資法である。価格が上昇していれば買える数は少なくなるし、価格が下落すれば、その分だけ多く買える。なので、そこから復活できる底力のある投資対象ならば、「大暴落」は安く大量に買っておける大チャンスとなる。

 

「大暴落」が起きたら、どうなる?
 

「下落局面で買い増しするなど、リスクが高すぎるのでは?」と考える人もいるだろう。確かに個別株を選定するのであれば、どんな大企業でも、そのまま破綻してしまうリスクは考えられるかもしれないが、NYダウのように世界に名だたる大企業がこぞってダメになってしまう状況は、なかなか想像しにくい。

 

大暴落しても「さすがにもうダメだ……」とやめてしまわないかぎりは、また価格が上昇したときに、大きく利益が出せる可能性もある。そこまでではなくとも、今回のように下落後、また上昇する……という局面は、長期積立投資にとって真骨頂を発揮できる局面と言ってもよく、どちらに転んでも悪いことではなく、順調に持っている口数が積み上がっていくのだ。

「長期」で運用するモチベーションはあるか?

歴史的な大暴落からも、都度、復活をとげているNYダウ。これに長期積立投資をしていくことは、かなり手堅く感じたかもしれないが、問題は本当に「長期」で投資するモチベーションがあるかどうかだ。

 

長期積立投資は、相場が上がったり下がったりしても狼狽せず、毎月同額をコツコツと20年、30年と積み立てていかないかぎり、そこまでの効果は期待できない。

 

たとえ「狼狽しない!」と決心していても、大恐慌が起きると自身の収入も危機的状況に陥ることがある。取引先の倒産、勤め先の倒産、サラリーカット……、はたしてそれでも同額を積み立てていく余裕は残されているか。

 

とはいえ、日本で問題となっている「老後資金」のことを考えると、長期積立投資はまさしく最適解のひとつと言っても過言ではないだろう。老後のために毎月コツコツと積み立ていくというならば、目的にかなっている。

 

ただし、毎月の取引となるので「手数料」でカモにされないためにも、投資先はしっかりと選定したほうがいいだろう。

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