米暗号資産投資会社ギャラクシー・デジタル社の共同創設者でCEOのNovogratz氏が、ビットコインを金(ゴールド)より多く保有していることを明かした。アルトコインを含めた市場展望を語る。

ビットコイン=「デジタルゴールド」になりつつある

米暗号資産投資会社ギャラクシー・デジタル社の共同創設者でCEOのMichael Novogratz氏(以下、ノボグラッツ氏と表記)は、米CNBCの番組「Squawk Box」で、自身のポートフォリオにおいて、金(ゴールド)よりビットコインを多く保有していることを明かした。その上で、ビットコインが再び5000ドル(約53万円)を下回ることはないとの見解を示している。

 

ノボグラッツ氏は、一般的な投資家のポートフォリオ配分に、暗号資産を2%~3%割り当てることを推奨している人物だが、自分自身での投資資産は、ゴールドが7%、ビットコインはそれ以上の割合で保有しているという。

 

◆デジタルゴールドとしてのビットコイン

 

ノボグラッツ氏は、数ある暗号資産のなかでも、ビットコインは確実にデジタルゴールドとしての地位を確立しつつあると主張する。

 

一方で、ユーティリティが重視されているイーサリアムやEOS等の「信頼できる」プロジェクトでは、グローバルスーパーコンピュータ「Web3.0」となるべく、熾烈な競争が繰り広げられているものの、現時点で明確に価値の保存手段として注目されるビットコインの時価総額とは離れてしまっている現状があると言及。どのプロジェクトが勝者となるかが明らかになるのは3年から5年後のことだろうと予測した。

 

その上で、ノボグラッツ氏自身が関わりを持つ、音楽の著作権をトークン化するプロジェクトを例に挙げた。ブロックチェーン技術が普及し、デジタル化とトークン化が進む近未来が予想されるなかで、Web3.0の勝者となるプラットフォームは、非常に大きな成功を収めることになるだろうと、現在のユーティリティを代表する主要クラウドプラットフォーム(アマゾン、マイクロソフト、アリババ等)と比較した上で述べた。

 

◆規制問題とリブラの功績

 

フェイスブックのリブラプロジェクトにより、世界の規制当局からの注目を集めた暗号資産だが、ノボグラッツ氏は、投資家が暗号資産へ参加するための顧客確認、マネーロンダリング対策等の規制は、アメリカやヨーロッパではすでに整いつつあるとの考え方を示している。

 

価値の保存手段としてのビットコインは、通貨として米ドルと競合するものではなく、単に別の資産クラスとして認識される可能性が大きいため、政府が懸念の目を向けるのは、リブラをはじめとした、米ドル等と競合しうる通貨としての役割に近いステーブルコインのほうだろうと述べた。

 

◆機関投資家が暗号資産市場へ参入し始めている

 

米国連邦議会の公聴会やG7でも議論されたリブラの功績は、ビザ、マスターカード、ウーバーやペイパルといった大企業の参加を得ることで、暗号資産が一定の信用に値するものだという認識を与えたことだという考えを明らかにした。

 

また、Fidelity Digital AssetsやBakkt等の暗号資産市場への参入により、機関投資家が暗号資産投資に参入するハードルが下がりつつあると主張している。

 

すでにハーバード大学、イェール大学、スタンフォード大学等のアメリカのトップ大学基金が暗号資産への投資を始めており、ほかの大学から投資の打診もあるとノボグラッツ氏は述べ、機関投資家が暗号資産へ参入し始めている現状に言及した。

 

数多く機関投資家は、どのように暗号資産投資へ参入すべきかを検討中だが、まず彼らはビットコイン投資から始め、その後ほかの暗号資産へ対象を拡大していくと予想。その時こそ、暗号資産相場の次なる上昇につながるものだと、ノボグラッツ氏は強気の姿勢を貫いている。

 

参考記事:CNBC youtube

 

※本記事は、2019年8月5日に「CoinPost」で公開されたものです。

 

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