老後と資産形成への不安。人のせいにしない深層心理コントロールが成功のヒント

※本記事は、2019年6月27日に楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で公開されたものです。

老後2,000万円不足に向けて資産形成するなら?

足元では、金融庁の金融審議会による報告書『高齢社会における資産形成・管理』が話題になり、「老後資金2,000万円不足」が独り歩きしています。これはあくまでも平均値で、人生や個々で、老後どれくらいの資産が必要になるかも人それぞれです。2,000万円の貯蓄がなければ老後破綻するということではないし、逆に1億円あっても足りないという人もいるでしょう。そもそも人生、お金ではありません。「資産があること」と「幸せであること」は別です。

 

金融庁は、今回の報告書をきっかけに、資産形成について国民の意識が高まり、自助努力を含めた具体的な行動につながっていくことを期待していますので、この機会に自らの資産形成について、どのような人生であれば自分は幸せだと思えるかも含め、もう一歩踏み込んで考えてみてはいかがでしょうか?

 

では、資産形成についての話を進めていきましょう。報告書の中にも「長期・積立・分散投資の有効性」が記載されていますが、この方法が資産形成の王道と言えるでしょう。ただし、「長期・積立・分散投資」をしていればうまくいくのかというと、実際はそう簡単ではありません。計画通りになることを邪魔する要因は「自らの心理」です。資産運用で人の心理はうまくいかないようになっている、だからこそ、その心理にあらかじめ気付いておく必要があり、その心理に支配されないことが重要だと考えています。

うまくいかない本当の問題の正体は、“一喜一憂”の心理

その心理とは、“一喜一憂”の心理です。筆者は、どのような運用をするかよりも、一喜一憂してしまうか否かのほうがよほど重要で、それが強い人ほど資産運用はうまくいかないように感じます。

 

一喜一憂は、マーケットが上昇し資産が増えると「もっともっと」となり、お金を投じさせます。一方で、マーケットが下落し資産が減ると、不安になり怖がらせ、踏み込めないようにし、場合によっては、耐えられなくして売却させるなどします。

 

この結果、「高いところで買い、安いところで買えない、もしくは売却してしまう」ことを繰り返し、資産を減らしてしまうのです。積み立ての場合は、マイナスの状態が続くと「これ以上続けても意味がない」と思い込み、積み立て自体をやめてしまうのです。

 

一喜一憂にも様々な感情がありますが、一番問題があるのは“怖れ”でしょう。怖さを感じてしまうと、今が安いと思っても踏み込めず、買えなくなってしまいます。往々にして、トントンになったら止めたいという気持ちになるので、プラスもなくなってしまいます。

 

では、怖れが出てきた時に、どのように対応すればよいのでしょうか? それは怖れから逃げようとせず、向き合うことです。なぜ、怖れが出てくるのか、自らの心とじっくり向き合って書き出し、その1つ1つが現実に起こっていることなのかを確認していくとよいでしょう。実際には幻想である可能性が多々あります。「これ以上減ると、自分の老後は破綻する」など、その時点では現実となっていないにもかかわらず、将来のことに対して怖がっているのです。幻想だとしたら、怖れを抱く必要はありません。

 

うまくいかない人は、上がってワクワク、下がって怖いという一喜一憂の感情的な世界にいます。うまくいく人とうまくいかない人との違いは、一喜一憂、特に怖れに対して勇気を持って向き合い、乗り越えたか、支配されたままかの違いです。乗り越えた人は、至って冷静で、上がったら坦々と売り場を考え、下がったら坦々と買い場を考えている、不動心の世界に到達できているのです。

 

もう1つ、一喜一憂している人は、うまくいかない時に人のせいにする傾向があります。投資信託であればファンドマネージャーに不満を持ったり、トランプ大統領や安倍首相、日銀のせいだと考え、人によっては怒りの感情に到達したりします。うまくいく人は、誰のせいにもしません。最終的にはすべてのことが自分の責任と捉えているからです。

 

うまくいかなかった時に、決して人のせいにしないことです。その銘柄を最終的に選んだのはあなたです。ただし、あなたが悪いということではありません。ただ、資産が減っているというだけで、誰も、そしてあなた自身も悪くありません。そのように本心から思えた時、一喜一憂がなくなり、冷静さを取り戻すことができるでしょう。

「資産運用の構造」と「人生の構造」は共通している

筆者は中学3年から自己投資を通し、2000年からは証券マンとして、長らくこの資産運用に関わる中で、突き詰めれば詰めるほど、資産運用の構造と人生の構造は同じだという思いが強くなっています。

 

○逃げずに勇気を持って自らの怖れと向き合い、乗り越えていくと、その先に良い世界があること

○人のせいにしない、すべて自らの感じ方・思い次第だということ

 

資産運用で成功するための構造と、人生で成功するための構造は共通しているのです。

 

そして、資産運用の究極は「本当に私利私欲がなくなった時に、勝手に資産が増えていく」という世界です。資産運用をする根本は「資産を増やしたい」という私利私欲にあるのに、何を言っているのかと思われる方もいるでしょう。ただ、なぜ一喜一憂するのかというと、それは、「増やしたい」という私利私欲があるからでしょう。「今で十分だ」と心から思えて、私利私欲が本当になくなった時、一喜一憂自体がなくなります。だからうまくいくのです。

 

「資産運用でうまくいくには人格を磨くこと」が近道です。人格が具わっていれば、資産も増えてくるし、人からも好かれるし、仕事もうまくいき、家庭も円満になり、人生が素晴らしいものになってくるでしょう。その時には、心から幸せだと思えることでしょう。人生において人格を磨いていくとともに、資産運用においても人格を意識してみてはいかがでしょうか?

 

 

白石 定行

マネーブレイン株式会社

 

※本記事は、2019年6月27日に楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で公開されたものです。

 

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