MMTの提唱者来日…それでもインフレには備えておきたい理由

「財政赤字は悪ではない」とするMMT(現代貨幣理論)の提唱者の一人、ニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授が来日、東京都内で講演した。巨額の財政赤字に苦しむ(と一般には考えられる)日本でも注目度は高い。MMTの是非については今後も議論が重ねられていくだろうが、この理論の中で肝となる言葉の一つが「インフレ」だ。財政赤字を恐れないMMTにも「過度なインフレにならないかぎり」という注釈がつく。インフレとは何か、なぜ備えなければならないのか。

インフレとは?

インフレとは、物価が上昇することにより、通貨(お金)の価値が下がることである。インフレには良い点、悪い点があるが、すべての資産を現金・預金で持っている人にとっては、明らかに歓迎すべきことではない。

 

理由は簡単で、例えば以前なら1万円で買えたモノを買うのに、1万100円(インフレ率1%)、1万1000円(インフレ率10%)というお金が必要になるからだ。

 

インフレになれば、基本的には物価だけでなく、給料なども上がることになるから、インフレ=悪ではない。むしろ、長い目で見れば、少しずつ物価も給料も上がっていくことが、健全な経済成長をしている証とされる。

 

現在、日本の政府・日銀は、このインフレ率の目標を「2%」に置いている。そしてご存じのとおり、なかなかこの目標が達成できない。インフレに導く手法は様々だが、最も単純なやり方は「お金を刷る」ことだ。世の中に出回るお金が増えれば、当然、その価値は下がるはずである。実際、政府・日銀は、異次元的な量的・質的金融緩和として、この「お金を刷る」ことと同様の効果を持つ政策を徹底的に行ってきたが、狙ったとおりの結果が出ていない。

 

なぜ、インフレにならないのか。ここには様々な説があり、だからこそMMTを支持する向きも出てくるのだが、今までインフレにならなかったからといって、今後もインフレにならないとはかぎらない。お金はすでにジャブジャブの状態であり、何かをきっかけにして一気にインフレが進行する恐れもある。「出ないだろう、出ないだろう」と積み上げ続けるのは、ギャンブルで掛け金が積み上がっていく状態にも似ていて、いつか「大当たり!」が発生してしまうリスクがある。

 

仮に、1年間のインフレ率が100%、200%という「ハイパーインフレ」状態になれば、現金・預金の価値は一気に目減りする。長年コツコツ積み立てて銀行預金が1億円に達し、「いよいよ富裕層の仲間入りだ!」なんて人も、すぐに庶民に逆戻りである。

万が一の「インフレ」から資産を守るには?

それでは大事な資産をインフレから守るために、どのような防衛手段があるだろうか。

 

お金の価値が下がり、モノの価値が上がるわけだから、インフレ対策には、資産を「モノ」に変えておく方法が有効である。具体的には、不動産、金(Gold)などがインフレ時に強い資産とされている。また、インフレになると企業収益が拡大する可能性があり、株式投資も選択肢のひとつとされる。

 

ただし、気をつけていただきたいのは、インフレのリスクを過度に喧伝し、不動産や金融商品を売りつけようとしてくる業者の存在である。確かにインフレは恐れるべきものではあり、ある程度の対策はたてておきたいが、将来の不安を煽り、変な投資を勧めてくるこういった輩は、まさに「今ここにある危機」だ。

 

しっかりと情報を見極め、モノはモノでも、「よくわからないモノ」には手を出さないスタンスが重要である。

 

GGOとは、GENTOSHA GOLD ONLINE(幻冬舎ゴールドオンライン)の略称。『あなたの財産を「守る」「増やす」「残す」ための総合情報サイト』を掲げ、企業オーナー・富裕層を主要読者ターゲットとして運営している(写真は編集長の立本正樹)。

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