誰もが「お金に不安のない人生」を望んでいるが…
「毎日、一生懸命働いているのになぜ収入が増えないのだろう・・・」
「生活を切り詰めて貯金をしているのに一向にお金が貯まらない。一生このままなのだろうか?」
国税庁の調査によれば、民間企業で働く人の年収は1997年の467万円をピークに、2017年時点で432万2000円にまで減少しており、今後も日本人の収入は右肩下がりが続くと予想されています。
追い打ちをかけるように、高齢化による社会保障費等の増加を背景に、厚生年金保険料が2004年から2017年までの14年間上がり続けるなど、金銭的負担は増大の一途をたどっており、手取り収入を考えるとその減少額はさらに大きくなっています。
人口減少を迎えた日本ではかつてのような経済成長が望めないため、給料の大幅な上昇は期待できません。また「働き方改革」と言いながらいまだに多くの企業では副業も禁止。さらには厳しい残業規制で給与が明らかに減っている。これでは収入をいくら増やしたくても困難です。
ニュースでも日々目にするように、国はインフレ目標を年2%とし、実際に様々なモノの値段が上がってきています。収入が減って物価が上がる。これでは生活も苦しくなる一方です。
厚生労働省の調査では、勤続20年以上の大卒定年退職者の退職金は直近20年間で2871万円から1788万円へと激減し、そもそも退職金制度のない企業は約8%から20%へ激増、つまり5社に1社は退職金がゼロという状況です。
将来への不安から、計画的にお金を貯めたいと考える人も多いと思いますが、超低金利政策が維持される現状では、銀行にお金を預けたところで貯金は全く増えません。「お金が増えますよ」という保険会社や証券会社の営業トークに乗せられて、積立型保険に入る人や、NISAで株式投資を始める人も少なくありませんが、日本では保険の運用利回りが低く、またNISAは商品の選択肢など制限が多いため、資産を大きくするための手段として十分とは言えません。
お金に不安のない人生は誰もが望むことでしょう。十分な資産があり、生活費の心配をすることなく、好きなことに時間とお金を使える豊かな生活を願うのはごく自然なことです。しかし収入や預貯金がなかなか増えない状況のままでは、理想の人生は到底かなえられそうにありません。この状況を打破し、リッチな生活を送れるようになるために、満足できるだけの資産を築く方法はないのでしょうか。
その答えは、投資を行うこと。すなわち「お金を上手に働かせることにより資産を正しく増やしていく」ことに尽きます。そのためには何より、投資に関する「正しい知識」を身に付けておかなければなりません。しかし残念ながら、今の日本で投資に関する正しい知識を得るのは難しいでしょう。
日本の投資信託は「手数料」を主な収入源としている
私はこれまで、証券会社やテレビ局でサラリーマン生活を送る傍ら、不動産を筆頭に株式や債券など様々な投資を行ってきました。それらの投資によって得た資金を元に、不動産・金融商品を幅広く取り入れた資産コンサルティングを業務とする会社を設立し、現在に至ります。
自らの投資経験、さらには現在、投資を検討している方たちの相談に応じる日々の中で、何よりも痛感しているのは「日本人は金融リテラシーが低いため、資産運用においていたずらに損をしている」ということです。
例えば、銀行は保険と投資信託のメリットを盛んに説いて購入を勧めてきますが、それはこの二つが大きな収益源となっているからです。
投資信託においては、海外のファンドの多くが成功報酬によって成り立っているのに対して、日本のファンドは取引による手数料を主要な収益源としています。
そのため、投資家が儲けていようと儲けていまいと、ファンドを扱う証券会社は、あの手この手のセールストークを使って短期間での売買を勧める傾向にあります。投資家は無益な売買を繰り返させられ、利益をほとんど得られないどころか、逆に手数料を考えると損をしてしまっていることが当たり前のように起きているのです。
こうした投資家に不利益な状況は、実は投資信託に限らず様々な場面で見られます。保険や不動産なども「業者側の思惑を知らない」ことで投資の初心者が不利になっているケースは少なくありません。
確実に資産を増やして不安のない人生を送るためには、売り手側にいいようにされない知識や知恵を学ぶことが必要不可欠です。
竹田 真基
株式会社グランディル/代表取締役社長