退職後、「自分のやりたいこと」をビジネスで実現させる方法

人生100年時代。どんなセカンドライフを実現したいと考えていますか? ゆとりのある老後を暮らせる資産が構築できても、「なんだか退屈…」な毎日では、本当の意味での“豊かなセカンドライフ”とは言えません。そこで本記事では、税理士の山田知広氏の著書『オーナー社長のスゴい引退術』より一部を抜粋して、「ビジネスでやりたいことをやる方法」について見ていきます。

M&Aで小さな会社を買ってみる

自分の夢を叶えるビジネスを始めたいと思ったとき、1つの方法としてM&A情報サイトを活用する方法があります。譲渡価格が数百万円の事業も多く見られます。興味のある
会社が売りに出されていれば、買い取ってすぐに事業を始められます。

 

先日もM&Aサイトを見ていたのですが、立地もよく固定ファンも一定数ついている黒字経営のラーメン店が売りに出されていました。条件のよい店なのですぐに買い手がつい
てしまいましたが、まめにチェックしていると好物件がときどき見つかります。

 

そういう店舗を買い取って商売を始めれば、店長やスタッフ、メニューのレシピやノウハウがすべて付いてきますから、オープンの日から採算が見込めます。仮に800万円で買い取ったとしても、1カ月の利益が50万円であれば、単純計算で16カ月で元が取れます。17カ月目からは利益が積み上がっていくのですから、商売としては上出来でしょう。

 

これが一から立ち上げとなると、客が付かないかもしれず、経営が軌道に乗るまでが大変です。回転資金や運転資金を回収できないまま、最悪は撤退ということにもなりかねま
せん。

 

ただ「安いから」「何かをやってみたいから」「儲かりそうだから」という安易な理由や直感で飛びつくことは危険です。もともと「ラーメン屋をやりたい」「ラーメンのことなら誰にも負けない」という強い意思の元で始めることは大賛成です。何をやればよいかわからない、考えが漠然としている方は、とりあえず手を出すのではなく、本当に自分がやりたいことかどうかを、まずは考えていただきたいと思います。

 

① 自分が好きなこと、没頭できることは何か

② 自分の強み、専門性は何か


③ 世の中のトレンドやニーズは何か

 

この3つを掘り下げていくと、自分に合ったビジネスが見えてきます。

 

子どものときに好きだったこと、熱中してやったこと、人より得意で誉められたことなどを思い出していくと、1つや2つは見つかるのではないでしょうか。それを世の中のニーズやトレンドと融合させていけば、ビジネスの形になります。

 

そのビジネスの立ち上げ準備は、引退前の数年前から始めたいものです。たとえば、会長職として社長のサポートをしながら、会社の多角化経営の一環で新事業に取り組むのです。会社の人材やノウハウ、経営資源を利用でき、金融機関も低利で融資してもらえるで
しょう。

 

新たに取り組んだビジネスが大儲けとはいかなくても、定期的な収入を得られるように
なれば、そのビジネスは会社と分離して、退職金として引き取ればよいのです。

 

自分のやりたかったビジネスで、なおかつ収入源にもなるのですから、それほど幸せなことはありません。その事業の収入は利回りで換算すると、収益物件の不動産と比べても
遜色ない、それ以上に結構いい利回りになっているのではないでしょうか。

「やりたいこと」がわからない人はどうすればいいか?

「そんなこと言っても、自分には新しいビジネスになるようなやりたいことは何もないよ」

 

そういう声が聞こえてきそうです。

 

この「やりたいこと」は、必ず儲けが出る必要はありません。社会的に評価される必要もありません。新事業をやるにあたって「他人の目や評価を気にしない」としたら、やり
たいことは何ですか?

 

その答えがなかなか出ない方は、この質問に答えてください。「やめたいことは何ですか?」

 

紙に書き出してみてください。どんなことでも構いません。これならいっぱい出るので
はないでしょうか。

 

書けるだけ書き出した後で、もう1回、自分自身に質問してみてください。「これを全部やめられたとしたら、やってみたいことは何ですか?」

 

・本当は音楽がやりたかった。

・本当は海外に住みたかった。

・本当はオープンカーに乗りたかった。

 

本当は〇〇がしたかった、が出てくるはずです。お金がない、時間がない、余裕がない、
で諦めていたことがあるはずです。親に無理だと言われていたこと、奥様に止められていたことがあるはずです。会社経営の中でも、新規事業として利益が見込めないから、時期
早尚だと諦めたことも多くあると思います。その中にも「本当はしたかった」があるはず
です。時間を忘れ没頭して調べたこと、試作に熱中して気付けば朝だったこと、ビジネス
プランを思いつきワクワクして眠れなかったことがあるはずです。

 

周りにどう思われようと構わない、利益が出なくてもよい、あなたがイキイキして充実しているほうが家族も嬉しいに決まっています。それをやることで、まず自分が幸せになり、さらには誰かが幸せになるかもしれないのです。それならば、絶対にやった方がよいと私は思います。直接的な収入が得られなくても、それまでに他の収入源を準備すれば、それで済むことなのです。

 

「アレいいなあ、羨ましいなあ」と思えたらチャンスです。あるいは、誰かがやっている姿を見て「何か気になる」「文句をつけたくなる」「腹がたつ!」と思えるのも何かのサインです。そこにきっとヒントがあります。

 

人間は一度やりたいと思いつつ諦めたことは、忘れてしまうようにできているそうです。
そのほうが辛くないので、忘れたふりを自然にしてしまうのです。しかし、潜在意識は何
か反応するのでしょう。人がやっている姿を見て「恨めしさから腹がたつ!」となるのだ
と思います。

 

私の周りでも、50代からゴルフを始めてシングルになった方、トライアスロンを始めた
方、ビートルズのカバーバンドを結成した方、ペンション経営を始めた方、そば屋を開業
した方、ハワイで会社設立した方など、セカンドライフで何かに挑戦しておられる方々は
表情もイキイキして、幸せそうです。

 

あなたの「本当は〇〇したかった」は何ですか?

 

今からでも遅くはありません。逆に今だからこそ、できてしまうかもしれません。それ
を叶えられるセカンドライフにしませんか。

 

山田知広税理士事務所 代表
株式会社八事財産コンサルティング 代表
株式会社経営情報センター 代表
株式会社中日本エム・アンド・エー・センター 代表
名古屋税理士会所属、愛知県行政書士会所属、
TKC全国会所属
日本M&A協会理事会員、青年経営者研修塾所属 税理士・行政書士
経済産業省 認定経営革新等支援機関
M&Aシニアエキスパート
家族信託専門士

1971年生まれ、愛知県名古屋市出身。2002年税理士登録。これまで150件以上の相続申告を経験。個人・法人の事業承継対策や相続税対策を行い“モメない相続対策”コンサルティングを行なう。中小企業のM&Aサポートや、若手経営者の勉強会「ATMビジネスラボ」を主宰し後継者教育にも力を入れる。2018年で事務所創立60周年。

著者紹介

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