税務調査を録音することはできるか?
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
節税メリットを得られるのは「年収3000万円」から
みなさんは海外不動産をおすすめしている業者から「節税になる」という説明を受けたことはないでしょうか。とくにアメリカの物件でその表現がよく見られます。
それは欧米と日本で減価償却の考え方が異なるところから生まれたものです。欧米ではたとえ木造の住宅であっても、長く使うということが前提にあります。日本の減価償却は、定められた年数を過ぎると価値がゼロになりますが、欧米では売買が行われるたびにその年数がリセットされます。中古住宅でも持ち主が変われば、また新築の状態から減価償却が始まるわけです。
そこを巧みに使って節税をしようというのが、今日本で流行している節税目的の海外不動産投資です。たとえば「アメリカの木造住宅で築年数の古いものを買うと、減価償却が早くできて得」といったセールスです。
ただし、「節税」の名目に騙されて、いい加減な物件を買わされているケースも多いようです。「儲からなくても、節税になるからいいや」とオーナーも納得させられてしまうわけです。
ある程度以上の所得のある人にとって、「節税」という言葉は甘い響きに感じられるようです。儲かってしまった人が合法的に節税しようと思うと、できることは限られています。
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海外の不動産は値段が基本的に下がりません。日本の税制の考え方は、古くなったら建物の価値は下がるというものですから、それをアメリカの建物に適用すると、価値が下がっていないのに税金が下がります。
ただし、これは税金を後送りしていることで、物件を一定期間で売ったら、後で税金を払わなければなりません。6年以上個人で持っている人には2割の分離課税になりますので、それ以上税金を払っている人は得になります。
たとえば年間30%以上の所得税を払っている人は得です。それは年収がだいたい3000万円くらいの人ですね。したがって、年収1000万円くらいの人は、「節税」という言葉にあまり反応する必要はありません。
売り手と買い手の間に広がる、圧倒的な「情報格差」
ところが、日本ではニュートラルな立場で海外不動産を相談できる人がなかなか見つかりません。それでなくても不動産の世界は売り手と買い手の情報力に圧倒的な差があります。売る人がすべてのことを知っているのに、買う人はほとんど何も知らない。国内でもそうなのに、まして海外となるとその情報量の差は圧倒的になります。
しかし海外不動産に詳しい人といえば、売り手の側の人ばかり。彼らは自分の扱っているものを売りたいがために、自分のところの物件を褒めたたえ、他の物件をけなします。アメリカの物件を扱っている人は「アメリカが一番。あとはダメ」と言いますし、オーストラリアの物件を扱っている人は「オーストラリアが一番」と言います。
それは参考になる本を買っても同じで、著者のバックグラウンドでどこをすすめるかが違います。
私は海外不動産を扱うようになったとき、販売だけではなく、海外不動産のコンサルティングでメシを食っていこうと考えました。情報格差を利用して売る人ばかりの世界で、海外不動産をまじめな商いとしてアドバイスする人がいてもいいんじゃないかと思ったからです。
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ただし、そのためには本気の覚悟が必要です。そして、コンサルだけでも食っていけるような仕組みを作らなければいけません。
そのために、私は「会社を急いで大きくしないこと」と「お客様からしっかりセミナー会費をいただくこと」の2点をポリシーとすることにしました。鮮度が高く、利益に直結する情報をふんだんに提供すれば、お金のあるお客様はちゃんと会費を払っていただけます。決して安いとはいえない会費を払ってでも、本当の話を聞きたいと考えるお客様は一定数存在するのです。
そうやって海外不動産投資のセミナーを繰り返し開催しているうちに、お客様から同じ質問がくるようになりました。それは、「あなたのおすすめはどこですか」というものです。その質問に対して真摯に答えていくうちに、「今、ドイツにこういう物件がありますよ」とお答えすることが多くなりました。
自分たちが見ている中で一番いいと思っている物件を紹介すると、ドイツの特定エリアばかりになっていったわけです。
それならお客様をドイツに連れて行って、現地を見てもらおうと考えるようになり、今では年に何回か、ドイツの物件を視察するツアーを開催しています。
市川 隆久
株式会社国際不動産エージェント 代表取締役
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