今回は、投資すべき「値下がりしない」物件について見ていきます。※本連載は、株式会社国際不動産エージェント代表取締役の市川 隆久氏の著書『海外不動産投資はなぜドイツがいいのか ホンネでお話しいたします』(とりい書房)より一部を抜粋し、ドイツ不動産のメリット・デメリット、他国不動産との比較をわかりやすく具体的に解説していきます。

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価値の根拠が明確で、かつ値下がりしにくい物件を選ぶ

長期間の低成長に慣らされてしまった日本人投資家は、「値上がりする土地を選ぼう」とすすめると、一様に懐疑的になります。でも、「土地は値上がりしない」という固定観念は捨てましょう。

 

日本で土地が値上がりしないのは、物件の供給過剰、過剰融資、人口減少、経済の低迷があるからです。そういう前提のない海外では、需要のある土地の価格は必ず時間とともに値が上がるものです。もちろん、一時的な浮き沈みは相場ですから必ずありますが、長い目で見れば右肩上がりになるものです。とくに人口が増加基調にあり、経済が成長しているような国では、値上がりするのがふつうで、値下がりするのは特殊な事情がない限り考えられないでしょう。

 

それでは、どのような物件を選べば良いかですが、それには世界共通の考え方が適用できます。

 

その考え方とは、「価値の根拠がしっかりしていて、値下がりしにくい物件を選ぶこと」です。

 

前半の「価値の根拠」というのは、いろいろと探せると思いますが、後半の「値下がりしない」とはどういうことでしょうか。

 

ひとつは「安いタイミングで買う」ということです。世界中の不動産を眺めていくと、必ず割安な地域が見つかります。私たちのようなプロが見て、「お、ここはこれから値上がりするな」と思えるような場所です。実際、ドイツのNRW州はまさにそういうエリアでした。

 

そしてもうひとつは、同じ国内で割安な場所に投資することです。

 

たとえばアメリカのニューヨークとロサンゼルス、シカゴ、ダラスの4都市を比較すると、ダラスの土地が最も割安です。しかし人口増加率を見てみると、ダラスだけが12.56%と2桁成長。そのおかげで不動産価格も右肩上がりです。値上がりする根拠のある土地を安いタイミングで買うとは、そういうことです。

 

別な角度から「値下がりしない」物件を見てみましょう。間違いないのは、ロンドン、パリ、ニューヨークといった世界の一流都市の都心部や、サンタモニカ、ワイキキビーチなどの世界的に知名度の高い高級住宅地、高級リゾート地、歴史的価値のある場所などです。もちろん、そういった場所の物件は非常に高額ではありますが。

 

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最後に「価値の根拠」になるものを列挙しておきますので、参考にしてみてください。

 

●人口増加

●経済成長

●金融環境

●需給バランス

●交通アクセス

●大規模開発

●評判の良い環境

●一般的な土地の好感度

●立地のオンリーワン性

●その他、人に選ばれる要因

しっかりと家賃を取り、値上がりを待つような保有を

それでは、具体的にドイツの不動産をどう買っていくかを提案していきましょう。

 

まず、私がおすすめしたいのは、3000万円くらいからの投資ですが、個別的には500〜600万円からの投資が可能です。

 

たとえば、過去に私たちが紹介して実際に売れた物件の例はこんな感じでした。

 

●1930年築の集合住宅の一室

●50平方メートル

●価格3万5000ユーロ(約455万円)

●利回り8%

 

今は8%台の利回りの物件は多くはありません。取得価格が上がってきているために、7%台がふつうです。諸経費を引いても年間25〜30万円の手取りにはなるでしょう。それなりの利回りがあって、価格も安い。しかもすでに入居者がいるので、すぐに家賃が入ってきます。

 

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ただし、利回りの高い物件はそもそもの価格が安いので、がんがん値上がりしていくようなものではありません。

 

どちらかというと、値下がりはしないという感じです。しっかりと家賃を取りながら、値上がりを待つような保有の仕方がいいでしょう。

 

私たちが「3000万円くらいの投資から始めるべき」と言っているのは、このような物件を複数保有して合計3000万円くらいにすれば、空室リスクも下げられていいのではないかと考えるからです。それに、せっかくドイツに投資しているのに、年間利益が数十万円ではつまらないでしょう。

 

現実に3000万円の投資をする場合は、一棟買いのほうが買いやすいかもしれません。というのは、500〜600万円の1戸物件は人気があって、かなり待たなければ買えないからです。たとえば過去に売れた例では、次のような物件があります。

 

●1902年築

●8戸

●価格28万ユーロ(約3500万円)

●利回り7.7%

 

家賃収入をどうするかですが、私たちはお客様に現地の銀行口座をサービスで開設していますから、そこに家賃をユーロでプールしておくのが一般的です。それをユーロのままイギリスや香港の金融商品で運用して、必要に応じて円に替えればよろしいのではないでしょうか。

 

私たちは金融資産を円:ドル:ユーロで4:4:2で持つのが理想と提案しています。

 

 

 

市川 隆久

株式会社国際不動産エージェント

代表取締役

 

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本連載は、2019年5月15日刊行の書籍『海外不動産投資はなぜドイツがいいのかホンネでお話しいたします』(とりい書房)から抜粋したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

海外不動産投資はなぜドイツがいいのかホンネでお話しいたします

海外不動産投資はなぜドイツがいいのかホンネでお話しいたします

市川 隆久

とりい書房

本書は斯界の第一人者がはじめてまとめた海外不動産投資の実践書です。 【なぜいま海外不動産投資にドイツがおすすめなのか】 30年間のデベロッパー経験と独自のマーケティング理論、27ヶ国78都市の不動産を視察し、 現在…

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