2019年4月の水関連株式市場

ピクテ投信投資顧問株式会社が、日々のマーケット情報を分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

4月の投資環境

4月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨ベース)で上昇しました。

 

 

世界の株式市場は、米国のISM製造業景況指数や雇用統計、中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)などの経済指標が良好な内容となったことや、米中通商協議の進展期待などを背景に月初から上昇基調となりました。その後も、英国の欧州連合(EU)離脱期限延長が合意されたことや、金融やハイテクを中心に良好な企業業績の発表が相次いだこと、中国の2019年1-3月期国内総生産(GDP)や米国の小売売上高が市場予想を上回ったことなどが好感され、月末にかけて上昇基調を維持しました。

 

業種別では、情報技術、コミュニケーション・サービス、金融などが上昇した一方、ヘルスケアや公益は下落しました。ヘルスケアは米国の医療保険制度に対する政治的な議論の高まりを背景に大きく下落しました。

 

こうした中、水関連企業の株価(現地通貨ベース)は上昇したものの、市場に比べ小幅な上昇に留まりました。セクター別では、装置製造エンジニアリングセクターが最も上昇し、上下水道ビジネスセクターおよび環境マネジメントサービスの両セクターも上昇しました。

 

装置製造エンジニアリングセクターでは、消費者関連銘柄は引続き軟調な住宅関連データの影響を受けるものの、ハト派的な米金融政策姿勢を織り込んできています。3月に悲観的な通期業績見通しにより株価が下落していたファーガソンが上昇に転じ回復しました。フォーチューン・ブランズ・ホーム&セキュリティは第1四半期決算によりキャビネット&ドア事業のリストラが期待通り進められていることが評価され株価が上昇しました。また、アルバーツ・インダストリーズは専門的なニッチ分野に特化する事業基盤が評価されたことに加え原油価格上昇の恩恵を受け上昇しました。一方、ペンテアは、スイミング・プール向け事業の比率が高く夏に向けた第1四半期の業績が要となりますが、悪天候と前期に配給業者による値上げ前の駆け込み購入により軟調な業績となり、株価が下落しました。熊津コーウェイ(ウンジン・コーウェイ)は、新しい株主となった熊津(ウンジン)が市場からの株式取得を終了したことを発表したため下落しましたが、東南アジアでの浄水フィルターおよび空気清浄フィルター事業の拡大を計画しており、長期的に見て魅力的であることに変わりありません。

 

上下水道ビジネスセクターは、アクア・アメリカがガス事業の買収を目的としたカナダの年金基金からの資金調達に加え、市場で多額の調達に成功したことから上昇しました。ベオリア・エンバイロメントは、市場が同社の多額の資本によらずに技術的知識に基づいた長期的視野に立った戦略を評価し始め、年初来、好調なパフォーマンスで推移しています。また、サンパウロ州基礎衛生公社は政府による公衆衛生規制の法案整備が順調に進んでいることが好感されており、市場からは民営化進展への道筋と広く捉えられています。

 

環境マネジメント・サービスセクターは、リサイクル価格の低下が業績を悪化させるとの懸念があるにも関わらず、2017年の古紙価格の下落以来、効率的な運営により第1四半期業績が良好であったことから、廃棄物処理銘柄が上昇しました。ウェイスト・マネジメントおよびウェイスト・コネクションズはM&A戦略を進めています。ウェイスト・マネジメントは競合のアドバンスト・ディスポーザル・サービシズ社を買収しようとしており、これにより米国の廃棄物処理業界のコスト面での効率化や生産性の改善が見込まれます。

 

 

 

[図1]水関連企業の株価推移 円換算ベース、月次、期間:2009年4月末~2019年4月末 ※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース) 出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表1]水関連企業の株価推移
円換算ベース、月次、期間:2009年4月末~2019年4月末
※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

 

[図2]水関連企業の株価収益率(PER)の推移 月次、期間:2009年4月末~2019年4月末 ※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表2]水関連企業の株価収益率(PER)の推移
月次、期間:2009年4月末~2019年4月末
※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

※MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。

今後の見通し

世界の経済成長の不透明感は、よりハト派にシフトした米金融政策と中国の景気刺激策を背景に低減し、足元の世界のマクロ景気は安定を見せています。グローバル企業の2019年の利益成長は2018年の増益ペースに比べ減速すると予想されていますが、グローバルでのGDP成長率見通しは2018年並みの水準とされています。

 

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。

 

 

※データは将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

 

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※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。

 

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2019年4月の水関連株式市場』を参照)。

 

 

(2019年5月21日)

 

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ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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