別荘としての宿泊も、ホテルとしての貸出も可能
不動産投資では、人口増加率や経済成長率などのデータから、投資先エリアを判断することが重要です。また、どの物件を購入すればいいのかを判断するには、「売れる」物件かどうかがカギとなります。どんなに将来性のあるエリアを選んでも、購入した物件がなかなか売却できなければ、値引きすることになり、元本割れする可能性があるわけです。
本記事では、「売れる」不動産のなかでも、不動産投資家に人気の、今ハワイで注目されている「ホテルコンドミニアム」についてご紹介していきます。
◆そもそも「売れる」不動産かどう判断する?
アメリカには、MLS(Multiple Listing Service)と呼ばれる、不動産のデータベースシステムが存在します。地域ごとの不動産会社が会員となって物件情報を登録しており、間取りや築年数などの基本情報はもちろんのこと、登記履歴、近隣物件、近隣学校などの情報も閲覧することが可能です。
このMLSを利用し、物件がマーケットに出てから経過している日数を指すDOM(Days On Market)や過去の成約件数などを調べるのが、アメリカでは主流です。
まずは、これらの情報を得ることからスタートしましょう。
◆ホテルコンドミニアムとは?
ハワイには、別荘を所有しながら貸出を行える、バケーションレンタルというサービスが存在します。そのため、日本人には人気なのですが、コンドミニアムの場合、30日間以内の短期貸しができない場合もあります。
そこで、ホテルコンドミニアムが注目されています。ホテルコンドミニアムとは、ホテルとして運営されているコンドミニアムです。購入したオーナーは、もちろん自らも別荘として宿泊でき、利用していない期間は1日単位で貸し出して、賃貸収入を得ることができます。
ホテル運営側と賃貸収入をシェアすることになりますが、その代わりメンテナンスを行ってもらえるメリットがあります。また、家具や備品を揃える必要がなく、ホテルのアメニティ施設を自由に利用できるのも魅力的です。
◆ハワイで人気の理由とは?
ホテルコンドミニアムが人気な理由は、もちろんハワイにセカンドハウスを所有でき、かつ1日単位で貸し出して賃貸収入を得られることです。
管理費、維持費は比較的高いですが、ハワイは単身利用者や観光客が多いことに加え、人気のエリアであれば、空室率は低く、稼働率が高くなるため、十分もとがとれます。稼働率が高ければ、もちろんインカムゲインも見込めます。さらに、ハワイは今後も開発が進み、人口増加が見込まれています。不動産価格上昇の可能性は高く、キャピタルゲインも期待できます。
節税の面でもメリットがあります。ホテルコンドミニアムの法定耐用年数は、ホテルとして計算することができ、戸建てよりも短くなります。RC造であれば、39年経過していれば、7年で減価償却が可能です。さらに、減価償却の対象は建物のみと定められていますが、ハワイの建物比率は8~9割のため、対象額も非常に高くなります。この点が、日本の投資家に人気な理由です。
オーナー自身が快適に宿泊でき、さらにスピード減価償却が可能、なおかつ稼働率の高く、売却時にも有利なものが、投資物件として適しているといえます。
次項より、1980年以前(39年以上経過)に建てられたホテルコンドミニアムのなかで、特に人気のエリアであるワイキキ地区とアラモアナ地区から、築年数の古い順にいくつかご紹介します。
日本人投資家が注目する「4つのホテルコンド」
①キャッスル・ワイキキ・ショア
キャッスル・ワイキキ・ショアは、1960年竣工のホテルコンドミニアムです。今回紹介するなかでもっとも古い物件ですが、近年、1階の商業施設や各部屋が段階的にリノベーションされていて、綺麗になっています。
なにより、ワイキキで唯一のオーシャンフロントのホテルコンドミニアムであることが、最大の魅力です。一歩外に出れば、そこは青い海です。サーフィンなどのアクティビティで遊んで、シャワーをすぐに浴びることもできます。バルコニーからは絶景を堪能でき、夕日も最高です。毎週金曜日には、ビーチで上がる花火を見られるのも、大きな特典の1つです。さらに一歩外に出れば、フォート・デ・ルッシー・ビーチパークという広い公園も近く、ゆったりと過ごせます。
②イリカイ・ホテル(イリカイ・アパートメント)
イリカイ・ホテルは、アラモアナ地区にある、総戸数1023戸のホテルコンドミニアムです。近年、価格がどんどん上昇していて、この1年で最も高額で売却されたスタジオタイプの部屋は、なんと111万ドルとなっています。それでもDOMは短く、契約件数も多いため、かなり流動性が高い物件です。
1965年に建てられた物件ですが、26階ある建物の共通エリアと居住空間が全面リフォーム、2014年には22~25階が、2016年には2階がリノベーションされ、人気を集めています。
そのほか、稼働状況に関わらず、毎月ある程度の収入を保証してくれる「固定配当システム」を活用できることも、投資家から評価されています。
そして、こちらの物件も、アラモアナ地区で数少ないオーシャンビューのホテルコンドミニアムです。ロケーションとしても抜群で、アラモアナ・ショッピングセンターやビーチが近く、遊びに事欠かないですし、空港からも近いので利便性も高いです。日本語が通じる、上野メディカルクリニックという病院が近くにあるという点も、日本人にとって安心です。ベスト朝食賞を受賞したレストラン「Cinnamon's(シナモンズ)」も入っており、食の面でも楽しむことができます。
③アラモアナ・ホテル
アラモアナ・ホテルは、その名の通り、アラモアナ地区にあるホテルコンドミニアムです。1970年竣工で、2005年にホテルコンドミニアムとして生まれ変わりました。36階建てで1150戸と、イリカイホテルを凌ぐ戸数です。
何でも揃っているアラモアナ・ショッピングセンターと直接つながっていて、娯楽には事欠かなく、道を隔ててアラモアナ・ビーチもあり、ロケーションは抜群です。
そして特徴的なのは、高級ホテルを思わせるアメニティ施設です。ドアマンやコンシェルジュ、バレーパーキングサービスなどはもちろんのこと、最上階で全景を見渡せるレストランや、広いプールやマシンなど充実したジムが完備され、外に出なくても1日中過ごせてしまうほどです。
④アイランド・コロニー
アイランド・コロニーは、ワイキキにある43階建ての超高層ホテルコンドミニアムです。以前はコンドミニアムでしたが、リノベーションを経て、現在はホテルとして利用可能となっています。1979年に竣工され40年経過していますが、非常にスタイリッシュでモダンです。
1部屋が比較的小さく、平均20万ドル前半で購入可能ということで、売れやすい物件です。各ユニットは小さめですが、広くゆったりとしたバルコニーが設けられているので、観光客に喜ばれています。
そして、最大の魅力は、恵まれた周辺環境です。ワイキキのちょうど中央に位置しているので、徒歩圏内にレストランやショップが集まっており、車で移動すればワイキキ・ビーチ、大型ショッピングセンター「ロイヤル・ハワイアン・センター」、ホノルル動物園、アラワイ・ゴルフコース、ダイアモンド・ヘッドといった人気スポットが約15分以内のところにあり、ハワイが凝縮したような場所となっています。
柳原 大輝
WIN/WIN Properties, LLC 共同代表
株式会社WIN WIN Properties Japan 代表取締役