中国統計、当面の回復局面を想定も持続性にやや不透明感

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中国では毎月この時期に主要な経済統計が集中的に公表されるうえ、今週は17日に1-3月期GDP(国内総生産)も公表される予定です。昨年後半は米中貿易戦争の影響などを背景に、景気減速が懸念された中国ですが底入れムードが高まっています。当面の回復局面が想定されますが、回復の持続性に、やや不透明な面も見られます。

中国経済統計:貿易データの回復は季節要因と見られるが、資金調達に改善が見られる

中国税関総署が2019年4月12日に発表した3月の貿易統計で輸出は前年比14.2%上昇し、市場予想(6.5%)、前月(-20.8%)を大幅に上回りました。輸入はマイナス7.6%と、市場予想(0.2%)、前月(-5.2%)を下回りました。輸出の改善は、今年は春節が2月上旬だったことで、3月データは押し上げられた面も見られます(図表1参照)。

 

[図表1]中国貿易統計(ドル建)輸出と輸入の推移 月次、期間:2014年3月~2019年3月、前年同月比
[図表1]中国貿易統計(ドル建)輸出と輸入の推移
月次、期間:2014年3月~2019年3月、前年同月比
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

 

一方、中国人民銀行(中央銀行)が12日発表した3月の社会融資規模は2兆8600億元(約48兆円)と、市場予想(1兆8500億元)、2月(約7000億元)を大幅に上回りました(図表2参照)。

 

[図表2]中国社会融資規模と新規人民元建融資の推移 月次、期間:2017年1月~2019年3月 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表2]中国社会融資規模と新規人民元建融資の推移
月次、期間:2017年1月~2019年3月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

 

 

どこに注目すべきか:貿易統計、社会融資規模、1-3月期GDP

中国では毎月この時期に主要な経済統計が集中的に公表されるうえ、今週は17日に1-3月期GDP(国内総生産)も公表される予定です。昨年後半は米中貿易戦争の影響などを背景に、景気減速が懸念された中国ですが底入れムードが高まっています。当面の回復局面が想定されますが、回復の持続性に、やや不透明な面も見られます。

 

まず、公表された貿易と資金調達データを振り返ります。

 

3月の輸出が上振れしたのは18年より春節の時期が早かった(昨年は2月後半、今年は2月前半)ことを反映した季節要因で、中国の統計ではほぼ毎年変動が見られます。

 

それでも市場予想を上回ったことや、地域別の輸出データが幅広い地域で前年比プラスを確保している点で、中国の貿易統計に底入れの兆しが見られます。ただ、恐らく中国内需が軟調なことを背景に、輸入は前年比マイナスであったことや、急回復した輸出も1~3月の平均は鈍化している点は割り引いて評価する必要があると思われます。

 

次に、資金調達データを見ると、社会融資規模、新規人民元建融資共に市場予想、前月を上回っています。前月からの上昇は貿易データ同様に春節休暇の時期に左右された面もあります。ただ、改善度合いが比較的大きい上、他の指標に上昇の兆しが見られえます。例えば、企業の設備投資のセンチメントに連動することが多いマネーサプライ(M1)は前年比4.6%と、市場予想の3.0%を上回りました。M1は過去数ヵ月市場予想を下回り続けていただけに、好転の兆しが感じられます。この週末、中国李克強首相が6~6.5%成長を含め今年の主要経済目標の達成に自信があると述べましたが、根拠が無いわけでもなさそうです。

 

中国1-3月期GDPは前年比6.3%程度が市場では予想されています。中国政府の景気対策が今後も効果を示すと見られることから、米中貿易戦争など不透明要因はあるものの、19年の中国の経済成長率は6.4%程度も想定されます。市場のコンセンサス(恐らく6.2%程度)を上回る可能性もあると見ています。

 

もっとも、数字は揃えられたとしても、資金調達拡大の背景は債務削減ペースを緩めたことも背景にあり、当面の減速は回避できても、中長期的な課題は残されたままである点に注意は必要です。

 

 

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『中国統計、当面の回復局面を想定も持続性にやや不透明感』を参照)。

 

(2019年4月15日)

 

 

梅澤 利文

ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト

 

ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト 

日系証券会社のシステム開発部門を経て、外資系運用会社で債券運用、仕組債の組み入れと評価、オルタナティブ投資等を担当。運用経験通算15年超。ピクテでは、ストラテジストとして高度な分析と海外投資部門との連携による投資戦略情報に基づき、マクロ経済、金融市場を中心とした幅広い分野で情報提供を行っている。経済レポート「今日のヘッドライン」を執筆、日々配信中。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

著者紹介

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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