税務調査を録音することはできるか?
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
教授「むにゃむにゃ・・・、てっぱんステーキもっと食べたい・・・」
助手「ちょっと、教授、起きてくださいよ!」
教授「あれ? てっぱんステーキ(※宇都宮市民がこよなく愛する某ステーキ屋さんの看板メニュー)はどこじゃ?」
助手「ここはステーキ屋じゃありません。教授の大好きなてっぱんステーキも、コーンポタージュも、ここにはありませんよ」
教授「なんじゃと! アル、お主まさかわしの・・・」
助手「食べてません。もう、いつまで寝ぼけるんですか! 永住権のメリットについて話してる途中で、教授眠っちゃったんですよ」
教授「そうじゃった。わしとしたことが面目ない。そうそう、永住権があると子どもの教育にどんなメリットがあるかということを話そうとしていたんじゃった」
助手「お子さんの教育ですか?」
教授「そうじゃ。アルよ、お主もGAFAというのを聞いたことがあるじゃろ?」
助手「GAFA? ガンダム・ファンの略ですか?」
教授「違う! Google、Apple、Facebook、Amazonの頭文字をつなげたものじゃ。世界を牽引する、この4つの大企業の創業者はすべてアメリカ人じゃ」
助手「そうなんですか!?」
教授「彼らは、ずば抜けた発想力と強いリーダーシップ力を発揮して、これらの企業をマンモス企業へと成長させたんじゃ。アメリカの教育は、日本と比べて自主性や独創性を大切にするからのう。そういう教育を子どもに受けさせてやりたいと考える親も多いというわけじゃ」
助手「つまり、将来自分の子どもをビッグにさせたい親がアメリカを目指すわけですね!」
教授「そう単純な話ではない。たとえば、アメリカの場合、中学校や高校でも、飛び級もあれば留年もある。『それぞれの子どもの成長にあわせた教育を提供すべき』という理念があるんじゃな」
助手「それじゃあ、僕なんか飛び級しまくって、15才くらいで大学生になってたかもしれませんね!」
教授「あるいは、留年しまくって、まだ高校生をやってたかもしれんな」
助手「そんな〜(泣)」
必要単位さえ取得すれば「飛び級」が可能
◆GAFAを生んだアメリカ式の教育制度とは
子どもを留学させたい、インターナショナルスクールに入学させたいと考える親は決して少なくありません。小さいころからネイティブスピーカーの英語に触れ、英語で意思疎通ができるような子に育てたいというのも理由の1つでしょうが、それは1番の理由ではないようです。
GAFA、すなわちGoogle、Apple、Facebook、Amazonという現在の世界をけん引する巨大企業は、すべてアメリカで生まれています。アメリカには、既存の枠や価値観に捕らわれず、自由な発想でビジネスを構築していこうという風土が根付いており、また、それを実現していくマネジメント能力を身につける機会も日本に比べて多いといえるでしょう。
集団での規律を重んじる日本の教育と、個性を大切にするアメリカの教育。一概にどちらが優れているとはいいづらいですが、グローバルな社会で活躍できる人間になれるような教育をわが子に受けさせたいと考える親御さんは、子どもをアメリカに留学させたり、インターナショナルスクールに通わせたりしようと考える傾向にあるようです。
ところで、アメリカと日本の教育制度には、かなり違いがあるのをご存じでしょうか。
まず、日本では全国一律の教育内容が実施されているのに対し、アメリカでは地域や学区によって教育内容が異なります。
たとえば日本では、文部科学省が全国一律の教育内容を定めています。他方、アメリカでは、各州が教育行政を担っています。また日本では、小学校6年制、中学校3年制、高校3年制で共通していますが、アメリカでは州によって、小学校6年制・中学校2年制・高校4年制だったり、小学校5年制・中学校3年制・高校4年制だったりするのです。
アメリカでは、学区というものが重要になります。ハワイ州以外の州では、州内を複数の地域に分割し、それぞれが独立した学区として、独自の教育行政を実施しています。つまり、使用する教科書やカリキュラムを学区ごとに決めているのです。なおアメリカでは、小学校1年生からコンピューターの実習クラスを設けている学校も多いようです。
トランプ政権下におけるアメリカの教育制度について心配する方もいるでしょう。しかし、アメリカの教育制度は、あくまで各州の各学区が広い裁量のなかで決定しているため、トランプ政権による直接的な影響というのは考えにくいです。
日本では、大学に入ると単位制となり、各学部や学科の必須科目を取りつつ、興味のある選択科目もとり、卒業に必要な単位を取って卒業します。
アメリカでは、この単位制が高校からすでに始まっています。生徒の自主性が重んじられているわけです。また、卒業に必要な単位さえ取得すれば、高校4年間を全うせずとも卒業することができます。SF作家のアイザック・アシモフは15歳でコロンビア大学に入学していますし、いわずとしれた世界的アーティストのレディー・ガガは17歳でニューヨーク大学に入学しています。
「子ども自身の学力」にあった学年で勉強させる
◆ハンディキャップを持つ人などへの手厚いサポート
またアメリカでは、学習障害や発達障害を持つ子どもに対する教育が充実しています。学習障害・発達障害の認定を受けた生徒には、個別教育計画が作成され、個々にあった特別な教育プログラムが無償で提供されています。
これに関連して、たとえば早生まれの子どもは、親が希望すれば入学を1年遅らせることができますし、小学校であっても留年や飛び級があります。飛び級はいいとしても、留年させられるなんてひどい!と感じるかもしれませんが、学習進度は子どもによって様々です。
たとえば、中学2年生で一次関数につまずいてしまった場合、これを理解しないまま中学3年生で二次関数を習っても、理解できるはずがありません。それならば、中学2年生をもう一度やり直して、しっかり理解をしてから中学3年生に進んだほうが、落ちこぼれることなく、学習を進めていくことができます。アメリカでは、年齢よりも、その子ども自身の学力にあった学年で勉強することがよしとされているのです。
◆長い休暇を利用した多様な人生経験
アメリカは夏休みが長く、約3ヵ月あります。多くのアメリカの学生は、この期間に会社のインターンシップをして社会経験を積んだり、海外留学をして異文化に触れたり、サマーキャンプで乗馬やアウトドア、スケートなど、普段なかなかできない自然との触れ合いを体験したりするなど、実に多様な過ごし方をします。
このようにして、勉強以外のあらゆることにチャレンジして、新しい体験をする機会が与えられているわけです。学校以外の同世代の学生(そのなかには、母国語も宗教も国籍も違う、様々な人種の学生が含まれているはずです)と交流することにより、多様な価値観に触れ、グローバルな感覚を身につけることができるのだといえるでしょう。
上野 潤
弁護士法人イデア・パートナーズ法律事務所 所長弁護士
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