2019年3月のマーケットの振り返り②

三井住友DSアセットマネジメント株式会社が、2019年3月のマーケットについて振り返り、「1. 概観、2. 景気動向、3.企業業績と株式、4. 金融政策、5. 債券、6. 為替、7. リート、8. まとめ」のそれぞれについて解説します。今回は、「3.企業業績と株式、4. 金融政策」を見ていきましょう。※本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するマーケットレポートを転載したものです。

3.企業業績と株式

<現状>

 

S&P500種指数の3月の1株当たり予想利益(EPS)は172.83米ドル、前年同月比の伸び率は+6.6%でした。1月が同+9.5%、2月が同+6.8%と伸び率の鈍化が続いています。東証株価指数(TOPIX)の予想EPSは127.05円(同▲1.7%)と、前月の同▲0.4%から下落率が拡大しました(いずれも予想はリフィニティブI/B/E/Sベース)。3月の米国株式市場は、S&P500種指数で前月比+1.8%と上昇率は前月の同+3.0%より縮小したものの、3カ月連続の上昇となりました。回復期待が高まった半導体株が相場をけん引しました。下旬には米国の10年国債利回りと3カ月物財務省証券の利回りが逆転する「逆イールド」が発生し、景気後退への懸念が高まったことから一時下落しましたが、短期間のうちに落ち着きを取り戻しました。一方、日本株式市場は業績の見通しに対する不透明感が燻り、TOPIXで前月比▲1.0%と、小幅な下落となりました。

 

<見通し>

 

S&P500種指数採用企業のEPSは18年が前年比+24.1%、19年が同+3.3%です(19年3月29日発表、リフィニティブI/B/E/Sベース)。一方、日本の予想経常利益増益率は18年度(19年3月期決算)が前年度比+4.6%、19年度(20年3月期決算)は同+7.0%です(東証1部除く金融、QUICKコンセンサスベース、19年3月29日現在)。米国の予想EPSは前月比伸び率は鈍化しているものの、1月の171.66を底に上昇に転じてきました。収益環境が改善するかが注目されます。一方、日本の予想EPSは下方修正が続いており、収益環境の改善にはまだ時間がかかりそうです。

 

EPSと株価指数の推移(米国)

※EPSとは・・・[Earnings Per Share]=1株当たり利益。当期利益を発行済株式数で割ったものです。 (注)データは2009年3月~2019年3月。EPSはリフィニティブI/B/E/Sによる予想ベース。 (出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
※EPSとは…[Earnings Per Share]=1株当たり利益。当期利益を発行済株式数で割ったものです。
(注)データは2009年3月~2019年3月。EPSはリフィニティブI/B/E/Sによる予想ベース。
(出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

EPSと株価指数の推移(日本)

※EPSとは・・・[Earnings Per Share]=1株当たり利益。当期利益を発行済株式数で割ったものです。 (注)データは2009年3月~2019年3月。EPSはリフィニティブI/B/E/Sによる予想ベース。 (出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
※EPSとは…[Earnings Per Share]=1株当たり利益。当期利益を発行済株式数で割ったものです。
(注)データは2009年3月~2019年3月。EPSはリフィニティブI/B/E/Sによる予想ベース。
(出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

4.金融政策

<現状>

 

FRBは、3月19日、20日に開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利(FFレート)の誘導レンジを2.25%~2.50%に据え置きました。また、バランスシートの縮小ペースを5月から徐々に緩め、9月には縮小を終了することを発表しました。

 

ECBは、3月7日の理事会で政策金利、預金ファシリティ金利(金融機関が手元資金をECBに預け入れる際の金利)を各々0.00%、▲0.40%に据え置きました。また、利上げ開始時期の先送りと、景気支援策として銀行への新たな資金供給制度の導入を発表しました。

 

日銀は3月14日、15日に開催した金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決定しました。長期金利の操作目標である10年物国債利回りをゼロ%程度に操作する金融調節を継続し、長期国債を買い増すペースも年間約80兆円の目処を継続しました。

 

<見通し>

 

米国では、FRBが金融政策に対するスタンスを慎重化させており、景気の減速に歯止めがかかっても当面は現行の政策金利を据え置くと見られます。

 

ユーロ圏では、 ECBが19年の成長率見通しを大幅に引き下げました。政策金利の引き上げは従来見通しより後ずれが見込まれ、預金ファシリティ金利の引き上げは20年4-6月頃、主要リファイナンス金利の引き上げは20年7-9月頃になると見られます。なお、量的緩和終了後もECBは再投資により、国債などの保有残高を維持する見込みです。

 

日本は、物価上昇率が日銀の目標である2%に当面、到達しない見通しのため、金融政策を据え置く見込みです。

 

各国・地域の政策金利の推移

(注)データは2017年3月1日~2019年3月31日。日本は政策金利(参考値)、米国はFederal Fund Rate(誘導レンジの上限)、ユーロ圏はECB預金ファシリティ金利、英国はRepo Rate、豪州はOfficial Cash Rateを使用。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
(注)データは2017年3月1日~2019年3月31日。日本は政策金利(参考値)、米国はFederal Fund Rate(誘導レンジの上限)、ユーロ圏はECB預金ファシリティ金利、英国はRepo Rate、豪州はOfficial Cash Rateを使用。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

5.債券

<現状>

 

米国では、10年国債利回りが大幅に低下しました。3月のFOMCで、FRBが景気や政策金利の見通しを下方修正したことから、ハト派姿勢を一段と強めたと受け止められました。また、10年国債利回りが3カ月物財務省証券の利回りを約11年半ぶりに下回る「逆イールド」が発生し、先行きの景気後退を示唆するとして警戒感が高まりました。欧州では、ECBが金融緩和方向への早期転換を行ったことや、ドイツの3月製造業購買担当者景気指数(PMI)悪化などを受けて、3月22日にドイツ10年国債利回りが2016年10月以来となるマイナス水準に低下しました。その後、月末にかけて下げ幅を広げました。日本の10年国債利回りは、上旬にはプラス圏に上昇する場面もあったものの、米長期金利の動向を睨みつつ、月間を通じて概ねマイナス圏で推移しました。米国の社債については、国債との利回り格差が前月末に比べ縮小しました。

 

<見通し>

 

当面は、景気の下振れリスクが金利の下押し要因として意識される可能性があります。インフレ圧力が依然として力強さに欠ける中、FRBやECBなどは政策スタンスを慎重化させており、米欧の金利は低位での推移が続くと予想されます。日本では、景気・物価の勢いが鈍化するとの想定のもと、日銀の追加緩和観測が高まる可能性がありますが、当面は現行の金融政策の枠組みは維持されると見られ、長期金利は低位での安定した推移となる見込みです。

 

主要国の10年国債利回りの推移

(注)データは2017年3月1日~2019年3月31日。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
(注)データは2017年3月1日~2019年3月31日。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

先進国国債の利回り、社債スプレッドの推移

(注1)データは2017年3月~2019年3月の月次データ。 (注2)社債利回りと社債スプレッドは ブルームバーグ・バークレイズ・グローバル社債インデックス。先進国国債利回りはFTSE世界国債インデックス。 (出所)Bloomberg L.P.、FTSE Fixed Income LLCのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
(注1)データは2017年3月~2019年3月の月次データ。
(注2)社債利回りと社債スプレッドは ブルームバーグ・バークレイズ・グローバル社債インデックス。先進国国債利回りはFTSE世界国債インデックス。
(出所)Bloomberg L.P.、FTSE Fixed Income LLCのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

 

(2019年4月3日)

 

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調査部は、総勢25名のプロフェッショナルを擁し、経済や金融市場について運用会社ならではの高度な分析を行い、それぞれの見通しを策定、社内外に情報発信しています。三井住友DSアセットマネジメントの経済・金融市場分析面での中枢を担っている他、幅広い投資家に良質な情報を伝えるべく、活動する機会や媒体は多岐にわたります。年間で約1,000本の市場レポートを作成し、会社のホームページで公開中(2018年度実績)。

著者紹介

連載【マンスリー】マーケットレポート/三井住友DSアセットマネジメント

●当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
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