アプリ・ブロックチェーン開発の場「GitHub」
BULLヒロです。「3分で分かる仮想通貨」という、仮想通貨情報サイトを運営しております。
第41回以降は、「仮想通貨投資に必要なファンダメンタルの調べ方」をテーマに、実際に投資する銘柄を決める上で必要な知識を解説します。第2回は「GitHubから開発実態を読み解く」です。
◆開発陣がソースコードを共有する「GitHub」とは
GitHubとはエンジニアが共同作業を行う際に、プログラムのソースコードを共有し管理するプラットフォームです。現在、世の中で利用されているアプリケーションのほとんどは、GitHub上で開発管理され、ゲームなどのさまざまなサービスが生み出されています。
ブロックチェーン開発においても同様で、ほとんどのプロジェクトはGitHubで開発されています。GitHubはオンラインのクラウドサービス(ソフトウェアのインストールなしで、オンライン上のみで完結するサービス)なので、情報の一部が公開されています。この公開情報を活用することで、アルトコイン開発の実態を垣間見ることができます。
◆アルトコインの評価に使える「GitHub」の情報
それでは、実際にGitHubを開いて確認してみましょう。実は、仮想通貨の王者であるBitcoinの開発にもGitHubが使われています。BitcoinのGitHubページを開くと、下記のような画面になります。
中心に記載されている「commits」「releases」「contributors」の値に注目します。
「commits」は、ソースコードが更新された回数を表しており、この数が多いほど、頻繁に開発を行い、改善が続いていることになります。
「releases」は、細かいソースコードの変更ではなく、まとまったパッケージとしてリリースされた回数を表しています。仮想通貨に「完成品」はないため、ロードマップをもとにリリース計画を立て、実際に開発を繰り返しています。改善内容についても記載されているので、注目しているアルトコインについては読み込む価値があるでしょう。
「contributors」では、開発者の参加数がわかります。アルトコインごとに、開発陣の規模を相対的に比較し、発表されているホワイトペーパーが誇大でないか、開発体制が整っているかを確認します。
多くの仮想通貨プロジェクトが頓挫している一方で…
◆なぜ「GitHub」の情報から、価格の影響を読み取れるのか?
非常に残念な話ですが、仮想通貨のプロジェクトを調査すれば調査するほど、途中で頓挫しているか、そもそも実態がないものがほとんどということがわかってきます。それであれば、投資対象にはしないというのが、正しい投資家のあり方ではあるでしょう。
しかし、その実態とはかい離するように、「画期的なブロックチェーンに期待した資金」が兆単位で流れ込んでいるのです。そのため、仮想通貨市場のなかで相対的に優れていれば、資金が集まる構造になっています。
本来、ITに関わるベンチャーであれば、GitHubの更新頻度などではなく、事業の将来的な収益規模やフィジビリティで評価されるべきです。しかし、多くの資金が集まっているにも関わらず、仮想通貨市場は未だそれ以前の段階なのです。
現時点で仮想通貨に投資をしている立場としては、この状況を存分に活用すべきかと思います。実際に有効な指標を使い、効率よく投資対象を定めることは、間違いではない姿勢でしょう。
このほかにも仮想通貨、ブロックチェーンプロジェクトの実態を調査し、相対的な評価をつけられる指標はいくつかありますので、引き続き本連載で紹介していきます。