昨今話題の教育資金一括贈与は「信託」の一種
夫:孫に今度教育資金を贈与しようと思うのだけど。
妻:うん。可愛いからね。
夫:そうだ。何で孫って可愛いのかな?
妻:また、自分の子と違って感慨深いものね。
夫:しっかりと育って欲しいし。
妻:それで、応援しようと思ったの?
夫:そうだよ。将来、社会に出て立派になって活躍してもらいたい。
妻:そうね。いいことね。
教育資金の贈与ですが、今までも、祖父母が直接孫の学校に授業料を払い込むのは、贈与とはみなされませんでした。昨今話題になっている教育資金の一括贈与の制度は信託の一種です。
この制度は、親、祖父などが、子、孫の教育資金として、1500万円までであれば、一括で贈与でき、税金はかかりません。手続きとしては、信託銀行などに教育資金を信託することが条件となっています。具体的にいうと、まず祖父の通帳から、孫名義の通帳にお金を振り込みます。
しかし、孫は自由に引き出して使うことができません。教育資金に使ったという領収証を持っていって、ようやく同額を引き出せることができます。
委託者:祖父(お金を出した人)
受託者:信託銀行(お金を管理する人)
受益者:孫(お金をもらう人)
便利な一括贈与だがデメリットも・・・
なお、資金を預けるときも払い出すときも信託銀行によっては手数料が不要なところもあります。また、「大学に入学金を払いたい」などと申し出れば、後日でも領収証の提出がよいところや、必要額を教育機関に直接振り込んでもらう「振り込み払い」も利用できるところもあります。各信託銀行の資料を取り寄せ自分のニーズに合うところを選択すべきです。
ただし、デメリットもあります。
●教育資金が必要な都度贈与をしていたら、何度も孫の喜ぶ顔が見られたのが、一括贈与なので孫の喜ぶ顔も一度だけしか見られない。
●贈与資金に余裕がなくなり、長男の子(孫)にだけ贈与したら、他の子から不公平だと不満となり、兄弟の仲が悪くなるケースもある。
孫に喜んでもらいたいという気持ちが強いのはわかります。どのくらいの資金が必要なのか、効果はあるのかなどを検討して、この「教育資金の一括贈与制度」を利用するよう肝に銘じてください。