昨年の底値から2桁の上昇
米中通商協議に対する楽観論が浮上
■日本株式市場は昨年末を底に上昇に転じています。今週は米中通商協議の期限(3月1日)を控え、トランプ米大統領が対中関税引き上げ期限の延期を否定しない考えを示していること等から、市場心理が好転しています。
■昨日2月12日の株価と昨年12月25日に記録した2018年の底値を比較すると東証株価指数(TOPIX)が+11.1%、TOPIX500が+10.8%、TOPIX Small(*)が+13.6%といずれも2桁の上昇となりました。
(*)TOPIX Small:TOPIX算出の対象銘柄から大型株と中型株で構成されるTOPIX500の構成銘柄を差し引いた銘柄で計算された指数。
TOPIXとリビジョンインデックス
経常利益の伸び率
2018年度は1桁増益
2019年度の増益率は回復へ
■2018年10-12月期の決算発表も終盤に入り、市場は2018年度の業績とともに、2019年度の業績見通しも意識することとなります。2018年度は経常利益ベースで増益が維持されると見られるものの、米国や中国経済が減速すれば、一段と伸びが鈍化する可能性もあります。一方、2019年度は増益率の上昇が期待されます。米国経済が緩やかな減速となる中、中国経済が年後半には財政発動や金融緩和策が功を奏して緩やかに回復すると期待されることが背景です。
業績回復への期待拡大がカギ
■業績予想の勢いを判断する際に用いるリビジョンインデックスは足元で▲30%を割り込みました。2012年以降、リビジョンインデックスは▲30%~▲50%まで悪化した後に反転し、株価も上昇しています。現在のリビジョンインデックスは業績の下方修正をかなり織り込んだ水準と言えそうです。今後、株価が上昇するためには業績見通しに対する期待の拡大がカギとなりそうです。
(2019年2月13日)
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