インドの株式、長期金利
インドの政策金利と先物市場の織り込み
政策金利を0.25%引き下げ
追加利下げ期待も株価の好材料
■インド株式市場は昨年10月以降、緩やかながら堅調に上昇しています。2月7日には、インド準備銀行(RBI)が利下げ(▲0.25%)を行った他、今後の金融政策の姿勢について「引き締め」から「中立」へと変更しました。RBIはインフレ見通しも引き下げ、年内はインフレがターゲットを下回る予想となったことから市場には追加緩和期待が残っており、今後のインド株式市場を支える材料と言えそうです。
今年4月から始まる来年度予算案は総選挙を強く意識した内容
農民や中間所得層にアピールした予算案
■一方、政府は2月1日に来年度の政府予算案を発表しました。中間所得層の税負担軽減のため、所得税の非課税限度額を従来の倍に引き上げたほか、農業・農民福祉省の予算額を今年度の約2倍とするなど、来年度予算案は今年4月~5月に予定される総選挙に向けて、農民や中間所得層にアピールした内容と言えます。来年度の財政赤字の対GDP比は▲3.4%と、今年度の着地予想から横ばいとなりました。
追加利下げ期待は株式市場に追い風、総選挙には注意
■インドでは堅調な景気と落ち着いたインフレにより、株式市場にとって好ましい環境が続いていますが、これに上述の利下げ期待が加わり、追い風が強まっていると考えられます。通貨ルピーもインフレや原油価格の落ち着きを受けて安定しています。短期的なリスクは5月までに実施される予定の総選挙です。事前調査によると与党・インド人民党が過半数を獲得するのは難しい状況となっています。ただし、総選挙で現与党が敗れたとしても、インドの中長期的な成長性は依然として高いと考えられます。
(2019年2月8日)
関連マーケットレポート
2019年02月05日 アジア・マーケット・マンスリー(2019年2月)
2018年12月12日 インド中銀『パテル総裁』が辞任、政府と中銀が対立