ダメ保険プランナーの実力を見破る「たった1つの質問」とは?

命とお金に関わる保険は、生きている限りほとんどの人にとって必要不可欠な金融商品ですが、近年、その種類や保障内容が多様化・複雑化しています。本記事では、保険ショップを経営する筆者が、関わらないほうがいいポンコツプランナーをたった1つの質問で見抜く方法を伝授します。

保険に納得できるかどうかは、プランナーの力が大きい

保険に対してお客様が「納得」してもらえるかどうかは、非常に大切です。

 

納得できるまで話をするには、ライフプランを考え、多くの資料を準備し、シミュレーションを繰り返さなければなりません。そのためには時間も労力も必要となります。お客様にとっても、プランナーにとっても、一大作業です。

 

しかし、そこまでやらないと、本当に良い保険というものは作れません。

 

そして納得のいく保険が作れるか否かは、お客様の協力ももちろんなのですが、プランナーの力量がかなりの部分を左右します。

 

残念ながらプランナーの中には、俗に言う仕事ができる者もいれば、できない者もいます。保険に対して熱意を持ち、お客様の要望を聞いてベストなプランを作ろうと決意しているプランナーもいれば、とにかく今月のノルマを消化すること、加入件数を増やすことだけを考えているプランナーもいます。すべてのプランナーがパーフェクトな仕事ができれば最高なのですが、残念ながらそういうわけにもいかないのが現実です。

 

私はこのプロ失格のプランナーを、ポンコツプランナーと呼んでいるのですが、このポンコツプランナーに当たってしまうと、大変なことになります。

 

若いご夫婦がいたとしましょう。2人で保険の相談に見えて、死亡保険と医療保険の提案をしました。やはり2人分の保険料を合わせると予算オーバーという話になったとき、ご主人が「まだ若いから自分は大丈夫、死なないよ」と言って医療保険だけを希望しました。

 

プランナーもあっさりと「では、今回は医療保険だけにしましょうか」と言って、お二人は医療保険に加入することにして帰宅しました。

 

ところがその3カ月後、突然の交通事故でご主人が亡くなってしまったのです。即死だったので、入院も治療も行われませんでした。

 

このご主人が加入していたのは医療保険だけで死亡保険には加入していなかったので、死亡保障はもちろん医療保障も支払われませんでした。奥様は何ともやり切れません。「つい3カ月前に保険のプロと話をして、保険に加入したばかりなのに、何とかならないのか」と悲観に暮れています。

お客様の「見えない危険」に気づいてこそのプランナー

しかし、これは何ともなりません。死亡保険に加入していないのですから、保険金は出ませんし、医療保険も入院や治療をしなければ給付されないのです。

 

プランナーの言い分は「お客様のニーズに合わせただけです。お客様が予算オーバーだということでしたし、若いから死亡保険はいらないと判断なさったので」というものでした。

 

悲しみに暮れている奥様を前にして、ここまで言えたらある意味すごいですが、明らかにこのプランナーはプロ失格のポンコツです。

 

お客様が予算オーバーだと言っても、そこでもうひと言、「そうは言っても、家庭もありますし、遺族年金などが加算されたとしても最低3000万円の死亡保険は必要です。月に2500円ぐらいで加入できます、改めて考えませんか!!」とお客様に説明できていれば、事態は変わっていたかもしれません。

 

死亡保険に未加入の場合どうなるか、ご主人が亡くなった後、奥様にどのような将来が待っているのか、そこまで説明して、なおもお客様自身が死亡保険には加入しないと判断したのであれば、それは何があっても納得しなければならない加入の仕方です。

 

たとえ交通事故で亡くなったとしても、決して「こんなはずではなかった」と思ってはいけないのです。しかし、命とお金を扱う者として「主人は帰らぬ人となりましたが、あのときプランナーさんが死亡保険の大切さを教えてくれたので、経済的には何とかやっていけそうです」と奥様に言われてこそ真のプロフェッショナルなのです。

 

お客様のニーズがすべてではないのです。保険を業として扱っているからこそ、わかることがあります。たとえお客様が必要性を感じていなくても、一見お客様の要望に反しても、お客様が気付いていない要望を掘り起こし「死亡保険は絶対に必要です」と、この若い夫婦に納得してもらえて、初めてプロフェッショナルのプランナーと言えます。

「お客様のニーズですから」という言葉には注意

そうなると、お客様としては是が非でも仕事のできるプランナー、熱意を持ったプロフェッショナルのプランナーに担当してほしいと思うはずで、どうやってポンコツプランナーを見分ければよいのだろうという話になります。

 

私が考えるに、仕事ができるプロのプランナーは保険の商品について詳しいのはもちろんですが、それ以上に保険の必要性やその意義について語れる人です。保険のプランナーという仕事を誇りに思い、保険に対して愛情を持っている人です。

 

その反対に、ポンコツプランナーは、「お客様のニーズですから」という言葉を繰り返します。お客様の言う通りにしておけばよいと考えているからです。

 

そして残念なことに、このようなポンコツプランナーの存在は決して珍しくありません。それは、保険という商品の評価は加入してからすぐにわかるものではないからです。

 

自動車のように、良い、悪い、の評価がすぐに判断できるものの場合、問題点をすぐに販売店に伝えて修理をしてもらうことができます。

 

しかし死亡保険が評価されるのは、誰かが亡くなったときです。その段階で、保険に加入してからかなりの時間が経過している場合も多いですし、何よりやり直しがきかない状態になってしまっています。

 

亡くなった後に「こんなつもりじゃなかった」と嘆いたところで後の祭りとなり、お客様はどうしようもありません。

 

結局、ポンコツプランナーは自分の仕事に対する評価を受けないまま、いつまでもポンコツの仕事を繰り返してしまいます。ただ、彼らに悪気があるというよりも、無自覚なだけかもしれません。しかし、それでとばっちりを受けるのはお客様です。

 

ポンコツプランナーからすれば、お客様が「保険料として月に2万円しか払えない」と言うなら、その2万円以内で保険のプランを作ったほうが成約につながりやすくなると考えます。

 

コミッションパワーを重視するポンコツプランナーは、お客様の将来を考えて「最低でも○○万円の保障が必要になりますから、もう少し保険料を上積みして備えてはいかがでしょうか」といったような面倒くさい話はしたくありません。

 

そんなことをすれば相談も長引くし、下手をしたらお客様が「じゃあ、もういいよ」と帰ってしまうかもしれません。それぐらいなら「お客様のニーズを満たした」保険を作ってとっとと募集してしまったほうが自分の成績にもなると判断します。

 

ですからお客様が「医療保険に加入したい」と来店すれば素直に医療保険をお勧めします。お客様が「売れている保険を紹介して」と言えば売り上げ上位の保険を、「大体保険料の相場っていくらぐらいなの。それと同じぐらいの保険がいい」と言えば、平均的な金額と思われる額の保険を、言われた通りに提案します。

 

そして後からクレームになっても「お客様のニーズ通りに提案しました」のひと言で責任を回避できるわけです。

 

このようなポンコツプランナーでも仕事が成り立ってしまっているのは、失礼ながらお客様が保険の必要性やその意義を十分に理解していないからという側面も多少ながらはあります。

 

お客様の要望通りに対応しておけば楽に募集ができてしまいますし、お客様もそのときは喜んで満足して帰っていきます。それでめでたしめでたし、募集1件計上となるわけです。

 

しかし、それでお客様を責めるのはまったくの筋違いで、本来ならば保険のプロであるプランナーが、お客様に対して保険がなぜ必要か、その意義をきちんと説明したうえでライフプランニングから始めなければなりません。

 

それができるのが、プロフェッショナルのプランナーなのです。

 

お客様が保険について知らないのをいいことに、手を抜いているのはポンコツプランナーのほうです。本書(『死亡保険金は「命の値段」 もっともシンプルな保険選び』)を読んで、お客様が少しでも保険加入の仕方の知識を付けてくだされば、ポンコツプランナーのカモにされることもありません。

 

そして何よりもポンコツプランナーに足りないのは熱意です。保険に対する熱意、お客様の役に立ちたい!!という熱意が決定的に欠けています。

 

そんなプランナーを見破るのに、一つ良い方法があります。

最初の面談で「ポンコツプランナー」を見破る質問

最初の面談時に、次の質問をしてみてください。

 

「プランナーさんの、保険に対する考えをお聞きしたい」

 

そう尋ねられたプランナーは面食らうかもしれません。でも、その質問に丁寧に、誠実に答えてくれるプランナーなら、プロフェッショナルの可能性が高いです。

 

ここで聞きたいのは、プランナーの保険に対する想いや熱意です。私はあまり話すことは得意ではありませんが、保険に関することなら2時間でも3時間でも話せる自信があります。それは、私が保険というものの意義を皆さんに知ってほしいと常に考えているからです。

 

保険に対して熱意があるプランナーなら、お客様にも保険を知ってほしいと考えているはずです。ですから、先ほどのような質問にもしっかりと答えることができるのです。

 

これがポンコツプランナーになると、保険の誕生の歴史など、通り一遍の知識を披露して終わりです。そんな教科書を読めば誰でもわかるようなことを滔々と話しても、そこに保険への熱意は感じられません。

 

しかし、得てしてポンコツプランナーであればあるほど、このような一般回答的な答えになりがちで、しかも異様に詳しかったりします。でも、その流暢な語り口にごまかされてはいけません。

 

たとえ細かい知識や優れた提案力があったとしてもそれはビジネスパーソンとして当たり前のことで、それだけでプロフェッショナルとは言えません。このように言うと語弊があるかもしれませんが、詐欺師だって膨大な知識と人を引き付けるプレゼンテーションで人を騙します。

 

おそらく、皆さんにも話しぶりからそのプランナーの力量がだんだんわかってくるはずです。プロのプランナーがミッションパワーで動くのに対して、ポンコツプランナーはコミッションパワーで動きます。

 

その違いは、たとえ保険に関しては素人のお客様でも、プランナーと話をするうちにわかるはずです。

 

それ以外にも、ポンコツプランナーを見抜く方法はあります。

 

例えば、時事ネタや世間話といった保険以外の話をしてみるという方法もあります。今日の為替レートを聞いてみるというのもよいかもしれません。後でまた説明しますが、保険にはドル建てのものもありますし保険自体が金融商品でもあるので、プロのプランナーであれば為替レートや日経平均株価のチェックを欠かしません。

 

また、雑談力を試してみるのもよいでしょう。プランナーと信頼関係を築くためには、さまざまな話をしなければなりません。保険以外にも接点があれば、より話がしやすくなりますし、関係性を築くための潤滑油の役割も果たしてくれます。

 

プロとして自覚があるプランナーならば、情報収集のために新聞や雑誌のチェックを欠かさないなど、お客様との会話の糸口を作るために努力しているはずです。

 

饒舌である必要はありませんが、雑談ができないと当然ながらコミュニケーション能力に不安が残ります。

 

この段階で担当のプランナーに対して違和感を覚えたり、コミュニケーションがきちんととれていないと感じたら、担当者を代えてもらうように頼んでみてください。

 

ここで「相手に悪いから」と遠慮して、違和感を抱えたまま話を進めても、あまり良い結果にはつながりません。

 

たとえプランナー本人の熱意や知識量に問題がなかったとしても、これは人と人との話ですから、何となく反りが合わないとか、相性が悪いといったこともあります。だからといって、プランナーのほうからお客様に対して「担当代わりますか?」とは言えません。

 

お互いに信頼関係を築き、プライベートの深い話まで打ち明けなければならないのですから、なるべく話がしやすいと感じるプランナーを見つけるようにしましょう。

1970年生まれ。東京都港区在住。20代は建築設計、30代半ばまでは住宅セールスと住宅業界に身を置き、35歳より保険業界へ。外資系生保にて新人賞、TOPアドバイザー等多数のコンテストに入賞。

著者紹介

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