保険の選択…「医療保険」より「がん保険」を優先すべき理由

命とお金に関わる保険は、生きている限りほとんどの人にとって必要不可欠な金融商品ですが、近年、その種類や保障内容が多様化・複雑化しています。本記事では、保険ショップを経営する筆者が、「医療保険」よりも「がん保険」を優先すべき理由を説明します。

保険ショップのプランナーに、何をお願いするべきか?

保険のプランを作るためには、保険会社や保険ショップのプランナーと話をしなければなりません。

 

どこの保険会社や保険ショップでも、大抵は「私が○○様を担当します」とプランナーが自己紹介をして話が始まります。

 

まずお客様の基本情報やさまざまな希望を聞くヒアリングシートが渡されるので、このシートに必要事項を記入します。その後、そのヒアリングシートに書かれた情報をベースに話が進みます。

 

ここからが問題です。

 

どのように話を切り出したら、ベストな保険プランを提案してもらえるのでしょうか。

 

ここで皆さんにお勧めしたい、ひと言があります。

 

プランナーから「今日はどのようなご相談でしょうか」と聞かれたら、ひと言「フルコンサルティングをお願いします」と頼んでみてください。

 

保険ショップに来店するお客様は、医療保険など特定の保険について話を聞きに来たり、売れている保険に加入したいと言う人が多いのですが、このような保険の加入の仕方はライフプランを基準にしたライフプランニングが重要であるという保険の考え方からすれば、間違った保険の加入の仕方であることは何度もお伝えしてきました。

 

したがって、プランナーにフルコンサルティングをお願いすることで、医療保険など特定の保険に限定せず、すべての側面から保険を検討してほしいという意思を最初に伝える必要があります。

 

そのように希望すれば、まず間違いなくスムーズにライフプランの話に移行できるはずです。事細かに要望や将来像を聞き出し、さまざまなデータや経験則を基に必要と思われる金額や保障をピックアップしてくれるでしょう。

 

これは私の個人的な意見ですが、お客様から保険の優先順位を聞かれたときに、最初に挙げるのが「死亡保険」です。その次が「がん保険」、そして3つ目に「医療保険」と答えています。

「医療保険」の一種である「がん保険」が別枠の理由

ここでは2番目のがん保険と3番目の医療保険について説明しましょう。

 

がん保険は医療保険の一部です。ではなぜ、医療保険一つで済ませないのかというと、それには理由があります。

 

がんの発生原因は遺伝や生活習慣等さまざまですが、全身のどこにでも発生する可能性があります。医療の進歩によってがんを克服できるケースも増え、不治の病とは言えなくなってきましたが、それでも日本人の死亡原因の上位を占め続けている病気でもあります。

 

医療保険の中で、がん専用の保険商品として成立しているのはなぜでしょうか。それは、やはりがんが特別な病気だからです。

 

手術で完治すればよいですが、放射線治療や抗がん剤による治療は長期にわたりますし、また一度治ったとしても、数年間は転移や再発を防げるよう定期的に検査を続けなければなりません。

 

また、今話題の高度先進医療はほとんどががんの治療に使われるものです。健康保険の対象外で高額な治療費が必要になるうえに、治療期間が長期にわたる可能性がある以上、その間の生活費や治療費、交通費等さまざまな支出に備えるためにもがん保険の必要性は高いと考えています。

 

医療保険を3番目にした理由は、がん以外の病気やケガに備える必要がどれだけあるかを考えた結果です。

 

病気やケガによる入院費や治療にかかるお金は、本来健康保険によってカバーできますし、近年は入院の短期化も進んでいますから預貯金でまかなえるケースが多いのです。また勤務先に傷病手当のような制度があれば、それもフル活用することも考えます。

 

医療保険による給付金は、治療費に充てるというよりも、入院している間の生活保障や差額のベッド代、入院中に必要になる食費や雑費などに充てられることが多いのです。

 

保険を一般論で決めてはいけないとこれまで繰り返して説明してきましたが、この医療保険に関しては1日当たり5000円から1万円といった平均値で準備しておいても、それほど大きな問題にはならないと考えます。

 

ただし、女性特有の病気に関する医療保険については、これまでもできるだけ加入するように勧めてきました。

 

女性特有の病気に罹患されますと、どうしてもデリケートな部分の病気が多く、気持ちも不安定になりがちです。

 

そのような精神状態のときに相部屋ではなく、他人の視線を気にせずに治療に専念できる、個室での入院をたとえ短期の間でも提案したいからです。差額ベッド代を医療保険でカバーできれば、安心して治療に専念することができます。

保険料が予想以上に高くても、安くするのはご法度

以上の3つの保険のほかに、子どもがいれば学資保険が加わり、その他は老後の資金が必要と考えるなら年金保険、また住宅購入費用などの資産形成を考えているのなら貯蓄型保険なども提案に加わります。

 

このように考えていくと、ご夫婦と子どもが1人という家庭の場合、要望にもよりますが少なくとも7つの保険プランが提案できます。その内訳はご夫婦それぞれに(死亡保険+がん保険+医療保険)×2、学資保険×1で、合計7つの保険となります。

 

これ以外に、住宅資金の貯蓄を保険で行うなら貯蓄型保険など、必要に応じて加えていきます。

 

ここまで聞くと、驚く人も多いでしょう。軽い気持ちで保険の相談に行ったら、まさか7つもの保険を提案されるとは思ってもみなかったはずです。しかし、ライフプランをベースに考えていくと、これだけの数の保険が必要になるのです。

 

ただ、提案された保険のすべてに加入しなければならないということではありません。ここから、実際にかかる保険料を算出し、合計してみると、大抵の人が想定していた毎月の保険料をオーバーします。

 

どんなに必要な保険でも、収入は限られていますし、収入のすべてを保険に費やすわけにもいきません。家計を見直して、予算を増額できるか、もしくは提示されたプランの中から取捨選択するか、またはライフプランと保障の金額を変更するかといった調整が必要になってきます

 

ただし、ここでも安易に保障の金額を下げて保険料を安くしようとするのはご法度です。

 

なぜなら、最初に算出した保障の金額はライフプランに従って計算し、算出した金額です。それを安易に下げてしまうと、ライフプランが根底から崩れてしまうことになります。

 

これはよくある話なのですが、保険料が予算をオーバーしたとき、プランナーの中には「保障金額を下げれば、月々の保険料は予算内に収まりますよ」と言って、新しいプランを出してくる者がいます。事前に金額別に複数のプランを用意しておいて、お客様から「高い」と言われたらすぐに安めのプランを出してきます。

 

はっきり言って、この段階でそのプランナーは失格です。保険を扱う資格のないプランナーと判断してもよいでしょう。

 

仮に、ある夫婦のライフプランで、ご主人が亡くなった場合に遺族が生活するためには5000万円の保障が必要になると計算したとしましょう。ところが保険料が月に2000円の予算オーバーでした。そこで保険料を予算内に収めるために、保障を3000万円に下げたプランを提案されました。

 

しかし、ここで安易に3000万円の保障に下げてしまったら、その後どうなるか、皆さんもおわかりのことと思います。

1970年生まれ。東京都港区在住。20代は建築設計、30代半ばまでは住宅セールスと住宅業界に身を置き、35歳より保険業界へ。外資系生保にて新人賞、TOPアドバイザー等多数のコンテストに入賞。

著者紹介

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