命とお金に関わる保険は、生きている限りほとんどの人にとって必要不可欠な金融商品ですが、近年、その種類や保障内容が多様化・複雑化しています。本記事では、保険ショップを経営する筆者が、保険のプロフェッショナルへの相談の重要性を解説します。

保険について相談する相手の選択肢は広がっているが…

自分に合った理想の保険を作るためのライフプランニングには、保険のプロフェッショナルからの的確なアドバイスが欠かせません。

 

では、その保険のプロフェッショナルはどこにいるのか、誰に相談すればよいのか、それが問題です。

 

保険の相談相手としては、募集資格を持つ保険会社の外交員や営業担当者、保険ショップのプランナー、ファイナンシャルプランナーなどがすぐに思いつきます。

 

ファイナンシャルプランナーとは、顧客から収入や家族構成などの情報をヒアリングし、家計管理や教育、老後、住居や生命保険を含む金融資産の管理やアドバイスを行う職業です。

 

保険会社や銀行、証券会社などの金融機関に社員として所属し、業務を行う人もいますし、個人で独立して事務所を構え、相談料で収入を得ている人もいます。

 

保険会社の外交員や営業担当者、保険ショップのプランナーの中にもファイナンシャルプランナーの資格を持っている人がいます。

 

また、人に相談するだけではなく、現在ではインターネットで保険会社各社の保険を比較検討できるサイトもありますから、どこに頼めばよいのか迷ってしまう人もいるでしょう。

 

相談相手が増えたということは、保険を契約する場所・加入方法も幅広くなったということです。

 

今から20年ほど前までは、保険募集の主流はいわゆる生保レディと呼ばれる女性の外交員を通して、保険会社から直接保険に加入するスタイルでした。

 

親戚や近所の人、友人などに保険会社の社員や外交員がいて、所属する保険会社の保険への加入を勧誘された経験のある人は、かなり多いでしょう。

 

もう一つのルートは勤務先の会社に出入りの保険会社の外交員がいて、保険の勧誘活動を行うというものです。かつては4月に新入社員が入社すると一斉に勧誘が始まったものでした。

 

現在、45歳過ぎぐらいの方なら記憶にあると思いますが、会社の昼休みなどに保険外交員がオフィスのデスクまでやってきて資料を置いていき、また職場の片隅で保険の説明をしている姿が見られるという時代もありました。

 

しかし90年代後半から企業のセキュリティーが強化され、外部の人間が簡単にオフィスに立ち入ることが難しくなったため、保険外交員によるオフィスでの勧誘は難しくなってしまいました。

 

金融ビッグバン等もあり、その影響もあってか、2000年を過ぎた頃から新しいスタイルの保険募集ルートが登場しました。それが複数の保険会社の保険を一店舗で扱う乗り合い型保険ショップです。

 

それまでの保険募集は、各保険会社が自社の外交員や契約代理店を使って営業活動を行う訪問募集が中心でしたが、保険ショップの場合は保険に加入したいと思うお客様自らの意思で来店してもらいます。

 

これまでにはない来店型スタイルが話題になり、また複数の保険会社の商品からニーズに合った保険を提案してもらえるという点も人気を得て、乗り合い型の保険ショップは着実に店舗数を増加させました。テレビコマーシャルなどで宣伝する会社も出てきており、すでに世間一般にも新たな保険加入の仕方として認知されるようになっています。

 

それ以外にも実店舗を持たないインターネット専門の保険会社もあり、現在保険に加入するための方法は多岐にわたっています。

 

ただ、選択肢が増えれば増えただけ、迷ってしまうのが人間です。

インターネットでは知り得ない情報を手に入れるために

保険に加入したい、相談したいと思っていて、どこに相談すればよいかを迷っているのなら、やはり人を介在させるスタイルをお勧めします。

 

これだけの情報化社会ですから、保険について相談や、調べるだけなら、インターネットを使えば簡単に情報を得ることができます。

 

しかし、インターネットで得られる表向きの情報以外の、一般の人では知り得ない知識や経験則を山のように蓄積させているのが保険のプロフェッショナルたちです。

 

インターネット画面で申し込む保険を否定する気は毛頭ありませんが、どうすれば皆さんの不安を解決し、希望を叶えられるのかという質問に対して必ずしも答えを出してくれるとは限りません。

 

希望の保険料の金額に対して受け取れる保険金を計算してくれたり、欲しい保障内容を選んで入力すれば保険料を算出してくれたりといったことはできますが、どうしたら皆さんの不安を解消できるか、必要な保障金額はいくらなのかといったことについての相談には乗ってもらえません。

 

もう一つの理由としては、手続きの煩雑さが挙げられます。保険契約の手続きには複数の書類が必要ですし、特約や給付対象外の注意書きなど、細かい条件がたくさん付いてきます。それらを一つひとつ自分でチェックし、判断できるかどうかが問題です。

 

目の前に保険のプロフェッショナルがいれば、ひと言質問すれば解決するようなことも、自分で調べなければならないとなると、それだけでかなりの労力が必要になります。

 

保険会社の外交員や営業担当者であれ、保険ショップのプランナーであれ、対面募集にはそこにプロフェッショナルが存在している意味があります。

 

お客様ご自身では具体的に必要な保障の金額がわからなかったとしても、「自分はこうしたい」という希望や意思さえしっかりしていれば、そこから一つひとつ要望を積み上げて最終的に必要な金額を算出することができます。

 

もちろん、わからないことも解決してもらえます。

 

もし、お客様の要望が多岐にわたっていても、そこから足し算や引き算をして、納得できるまでライフプランニングをしてくれるのが、保険のプロフェッショナルならではのメリットです。

 

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    本連載は、2015年6月26日刊行の書籍『死亡保険金は「命の値段」』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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    杉山 将樹

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