生命保険で「家族の未来を守る」ことはできるのか?

本記事は、そもそも保険とは何を守るものなのか、保険プランナーの筆者が説明します。

「人の命をお金に換算するなんて…」

これまで、保険というものにネガティブなイメージを持っていた方も多いかもしれません。

 

たしかに、保険が活躍するときは、誰かが亡くなったり、病気やケガをしたときであり、「人の命をお金に換算するなんて不謹慎だ」と拒否反応を示す人もいます。実際、保険ショップに来店してくださるお客様の中にも、そのようなイメージをお持ちの方がいます。

 

保険の必要性を感じながらも、保険に対するマイナスな感覚を捨て切れないお客様や、「とりあえず話を聞いてみたいけれど、強引に加入を迫られるのではないか」と頑なになっているお客様などさまざまです。

 

奥様に連れられて保険の相談に来店しながらも、「自分の命が紙に書かれるようで、保険は好きになれない」と言う男性がいらっしゃいました。

 

でもライフプランニングでどのような暮らしをしたいのか、教育資金や住宅の話など、将来に対する希望の話をしていると、とても楽しそうに自分の思いを語ってくださったのです。

 

そのとき、「万が一のことがあったとき、その夢は全部ダメ=叶わなくなってしまうのですよ。本当に、それを望んでいますか」という話をしました。そこまでしっかり話をすると、保険の大切さ、重要さをわかってくださります。

 

ネガティブな印象のある保険ですが、ライフプランを立て、思い描いた将来に備えるのが保険の役割であるということを理解してくださると、お客様にも「相談してよかった」と思っていただけます。

 

保険の相談のために来店するお客様は、家族のことを思い、将来を心配している方々です。ですから私たちもリスクだけを話して不安をあおり、保険加入に結び付けるようなことは一切していません。

「家族の未来」を守るのが保険の役割

保険を考えるということは、自分の、そして家族の未来を考えるということでもあります。そして忘れてはいけないのが、自分が「いずれ死ぬ」ということも含めてライフプランを考えることです。

 

誰だって、自分が死ぬ未来など考えたくはないでしょう。私だって同じです。でも、人間はいつか必ず死にます。家族のことを思うのなら、やはり自分が死んだ後のことを考えておかなければなりません。

 

皆さんはご存じでしょうか。私たちが、保険証券のことを「最後のラブレター」と呼んでいることを。

 

保険は、愛する家族に残す最後のプレゼントであり、保険証券は最後のラブレターです。最後に皆さんが家族にしてあげられること、それは保険によって家族の未来を守ることなのです。

初めての相談は2〜3時間、数回の来店も必要

保険業界で働く者は、お客様と大切な「命とお金」の話をして、お客様の最後のラブレターを作るという重要な仕事をサポートできることを誇りにしています。じっくりと話し合い、お客様が納得し、満足してくれるような保険プランを作るように、熱意を持って取り組んでいます。

 

実際、保険のプランニングには時間がかかります。初めてのご相談の場合、2時間から3時間ぐらいの時間をかけて、じっくりとお客様の現状や要望を伺います。「え、そんなに時間がかかるの」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、何よりも大切な命とお金の話をするのですから、どうしてもそれぐらいの時間は必要です。

 

考え方を変えれば、長い人生のうちのほんの2時間です。家でテレビドラマを見ていたって、2時間ぐらいはあっという間に経ってしまうではありませんか。その2時間を、自分と家族の未来のために使ってみてください。

 

実際にプランナーが保険のプランを提案し、お客様が納得して加入に至るまでには、初回のご相談以降も2回、3回と来店していただいて、検討を繰り返します。

 

初回の来店では、大体の場合、ヒアリングシートへの記入やお客様へのライフプランの聞き取りなどを行います。このとき、お客様のほうからプランナーに対して保険への熱意や思いなどをぜひ聞いてください。

 

2回目の来店では、初回の来店でヒアリングしたライフプランを基に、プランナーが作成した保険プランの提案を行います。不明な点はプランナーにどんどん質問してくださってもかまいませんし、新たに思い付いたことや考えたことなどがあればそれを加えてプランの練り直しも可能です。

 

その場で加入まで進むお客様もいらっしゃいますが、一度家に持ち帰って検討をするお客様もいらっしゃいます。

納得するまでプランナーに相談を

3回目の来店で、保険プランに納得できていれば加入へと進みます。もちろん、この段階でやはりまだ腑に落ちないことや不安なことがあるようでしたら、その旨をプランナーにドシドシ相談してください。

 

ただ、4回、5回・・・幾度となく来店を続けても、なかなか加入に至らないお客様もいらっしゃいます。そういうお客様は、まだまだ保険そのものに対する不満や不安が捨て切れず、「今、保険に加入しなくてもいいのではないか」と考えられている方が多いです。何となくモヤモヤが消えず、保険加入に踏み切れないのです。

 

しかしながら、モヤモヤが消え去るまでご相談ください。保険の必要性を認識し、自分のライフプランとデスプランをしっかりと視界に捉えれば、きっと「役に立つ保険」に加入できます。目的がしっかりと決まれば、おのずとそこに至るルート(役に立つ保険加入)が見えてくるのです。

保険はいわば「人の命」の買い物

保険は目に見えませんし、その手で触れることもできません。その目に見えない、まるで空気のようなものに対して、お客様は1カ月当たりそう安くはない保険料を支払うことになります。

 

ほとんどの皆さんはあまり意識したことがないかもしれませんが、10年、20年と支払い続けることを考えると、その支払い総額は驚くような金額になっているはずです。

 

よく、保険は家の次に高い買い物だなどと言われますが、家は形が残りますけれども、保険には形がありません。役に立つ保険ならよいのですが、そうでなかった場合、保険は人生で一番高い買い物と言えるかもしれません。

 

おそらく、車を買うときのほうが皆さんももっと熱心に検討しているでしょう。車種は何にするのか。車を買う目的は何か。日々の買い物に使うのか、長距離移動に使うのか。運転するのは家族の誰が中心か。何人乗れるのか。荷物はどれぐらい積めるのか。

 

ファミリータイプか、スポーツタイプか。保険や税金など、維持費はどれぐらいかかるのか。カタログを取り寄せ、インターネットで情報を集め、車の性能を検討し、燃費を計算するでしょう。ディーラーで試乗して、見積もりを出してもらい、支払いが可能かを検討します。

 

それ以外にも車体の色、車内のインテリアやオプションなど、実際に買うまでに家族で話し合うことは山のようにあります。

 

気付いてください! 保険は車よりも高額の商品です。

 

ディーラーに行って、フェラーリやポルシェをその場でポンと買う人はよほどのお金持ちです。普通だったら、何度もディーラーに通って、検討を繰り返して購入を決断するはずです。

 

保険も同じです。何度も話し合って、納得して決める。このプロセスは外せません。しかし、驚くことに死亡保険には未加入なのに、自動車保険には対人・対物無制限、数百万円の車両保険に加入している方も「ザラ」です。

 

何度も何度も言いますね! フェラーリより、ポルシェより、人の命のほうが高いのです。大切なのは皆さんの命であり、ご家族の未来です。

 

どんなに時間をかけてお客様と話し合っても、私たちにとっては1円の収入にもなりません。保険を募集しなければ、保険会社からの手数料収入は得られないからです。

 

売り上げだけを考えるのであれば、もっと簡単に、効率的に、それこそ売り上げ上位の保険を提案するとか、雑誌で取り上げられたランキング上位の保険を提案するとか、お客様が欲しいという商品だけを提案したほうが、楽に保険募集ができるに決まっています。コミッションパワーで動くプランナーなら、そうかもしれません。

 

それでも、プランナーが時間をかけてお客様から話を聞くのは、ひとえにお客様にベストなプランを提案したいからです。お客様に、保険のことで後悔してほしくないからです。ですから皆さんも、保険と真剣に向き合いましょう! そして「役に立つ保険」にお金を払うのです!

自身が加入している保険の意味や役割を覚えておく

あるとき、こんなお客様がいらっしゃいました。ご夫婦で来店したお客様でしたが、ライフプランについていろいろと話をしている最中に、奥様がお手洗いへと席を立ちました。ところがなかなか戻ってきません。

 

しばらくして、目を真っ赤にはらして戻られた奥様に事情をうかがうと、このようにおっしゃいました。

 

「ライフプランを考えているうちに、夫が亡くなるときのことを初めて想像しました。そうしたら涙が止まらなくなってしまったのです」

 

私にとって、とても印象的な出来事でした。なぜなら、お客様がこれほど真剣に保険について考えてくださるというのは、保険を扱う者として冥利に尽きるからです。

 

こんな経験をしたプランナーもいます。かつて自分が担当して保険に加入してくださったお客様が、保険の見直しのために来店しました。

 

見直しについて話をしていると、保険に加入したのはもう何年も前だったにもかかわらず、お客様はご自身が加入している保険の意味や役割をしっかりと覚えていてくださっていたといいます。

 

これも、プランナーにとっては嬉しいことです。加入時に時間をかけてプランニングを行った、それが決して無駄ではなかったことが実感できる場面だからです。お客様は、汗水流して働いた給料の中から保険料を払ってくださっているのです。それが無駄になっていないということを私たちが確認できる瞬間なのです。

 

そういった経験をする度に、私たちプランナーは改めて、お客様のためにベストなプランを作ろうと、キリッと心を引き締めるのです。

 

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1970年生まれ。東京都港区在住。20代は建築設計、30代半ばまでは住宅セールスと住宅業界に身を置き、35歳より保険業界へ。外資系生保にて新人賞、TOPアドバイザー等多数のコンテストに入賞。

著者紹介

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本記事は、2015年6月26日刊行の書籍『死亡保険金は「命の値段」』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

死亡保険金は「命の値段」

死亡保険金は「命の値段」

杉山 将樹

幻冬舎メディアコンサルティング

命とお金に関わる保険は、生きている限りほとんどの人にとって必要不可欠な金融商品ですが、近年、その種類や保障内容が多様化・複雑化しています。 加入者は要望に合わせて自由に保険を選べるようになったものの、その選び方…

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