医学部に合格する生徒が「やる気を高める」ことをしない理由

本記事では、難関医学部向け少人数教育予備校を運営する岡健作氏が、医学部に合格する生徒が「やる気を高める」という非効率な行為をしない理由について説明します。

一度立ち返って、客観的に課題を洗い出すことが大切

医学部に行きたいと一念発起したものの、これまで真剣に勉強に取り組んでこなかったという生徒もいます。そういう人にとっては、できない理由を見つけるということはやはり難しいものです。いわゆる、「分からないところが分からない」という状態です。授業で出てくる新しいことについていくのが精一杯となるでしょう。これは、とても非効率で成績も上がりにくい状況といえます。

 

そういう人は、まずは一度立ち止まりましょう。今学習していることがレベルに合っていない可能性があります。自分の今の学力状況や課題を検討する時間を取ってみてください。

 

例えば英語に課題があると感じるなら、いつから「英語が苦手だ」と感じたのか、思い出してみてください。高校生になってからですか? それとも中学校で学習するような内容も覚束ないのでしょうか。課題を洗い出すときには、あくまで客観的に。たくさんの課題が見つかることで不安になるかもしれませんが、この作業を経ずにただやみくもに取り組む時間の大きさを考えれば、これはとても大切なことです。

課題を見つけたら、どう取り組むかを考える

自分で課題を見つけられたら、どう取り組むべきか考えてみてください。中学校1年生の内容に穴があるのなら、当然そこに取り組むことから考えるべきです。

 

「そんなことをやっていたら間に合わない」と不安に感じるかもしれませんが、実際に取り組んでみれば存外にすいすいと進んでいくことが分かるはずです。「中学校の内容に不安があったから集中的に取り組んでみたら、3週間で終わったし、そのあと、高校の内容もスムーズに理解できるようになりました」といった話はよく聞くものです。

教科書の目次をさかのぼってでも、「苦手」を洗い出す

勉強の苦手な人が受験生向けの模試の結果だけを見ていても、弱点がすぐに見つかるものではありません。そこに書かれているのは、その受験生向けのテストで測られたことに対して、できた、できなかったという結果だけです。その模試以前のつまずきについては、やはり自分で見つけていくしかありません。教科書の目次をさかのぼってでも、苦手を洗い出していくことです。

 

シンプルに考えてください。中学英語の内容が理解できていないのに、大学入試の問題が解けるはずはないのです。シンプルに、着実に、でも急いですばやく進めていくことを意識しましょう。ほかの教科でも基本的には同じことです。

「小さく始める」ことで勉強習慣が身に付く

気をつけなければならないのは、最初から詰め込みすぎないこと。これまであまり勉強をする習慣がなかった人にとって、はじめのハードルは勉強を継続するということでしょう。習慣を身に付けるためのコツは、小さく始めることです。

 

とにかく始める、手当たり次第やる。そんなふうに取り組むのはやめましょう。気合いや根性に逃げる前に、成果を出すための取り組みを、合理的に真面目に考えるべきです。

着実に勉強を継続できる「仕組み」を作る

いかに弱点を把握し、授業や自主学習を通して必要な知識を入れることができたとしても、それを定着させなければ効果はありません。授業の時間は理解の時間。きちんと定着させるには復習が不可欠です。そのためには、「勉強の習慣を身に付ける」ことが重要です。

 

では、学習を継続するためには、何が必要だと思いますか? 強い精神力でしょうか? それともモチベーションでしょうか? 実は継続するために必要なことは、そのような「気持ち」ではありません。ではなんなのか。それは「継続できる仕組み」を作ることです。もっと端的にいえば、やる気がないときでもやれるような仕組みを作ること。

 

考えてみれば分かることです。「やる気を高めて勉強する」というのは、言い方を変えれば、「やる気がなければ勉強しない」ということ。そんなことより、勉強を毎日の暮らしの一部にすればいいのです。習慣化についてはあとの章で詳しく説明しますが、まずは「鬼のように勉強するんだ」といった過剰な精神性は捨ててください。受験勉強は短期間で終わるものではないのですから、着実に続けられることを重視しましょう。

授業中から具体的に復習する場所を考えておく

授業で学んだことを、定着させる。そのためには振り返りの時間、復習して定着させる機会が必要です。効率よく学びを進めるためには、取りこぼしをできるだけ少なくすることです。次々に新しいことに取り組んでいく勢いよりも、知識を一つずつ自分のものにするような丁寧さのほうにより価値があります。

 

授業を受けているときから、復習すべき箇所の見当を付けておくと復習に取りかかるハードルはぐっと下がります。これは復習のコツともいうべきこと。ただ授業後に復習しようと考えているより、「この部分を見直して覚えてしまおう」とか「この問題を解き直して整理してみよう」と、頭の隅で考えながら授業を受けると、復習に取りかかりやすくなるのです。

 

何か行動を起こすときには、何をするのかが具体的であればあるほど良いと言われています。「復習をする」よりも「例題3を解き直す」のほうがより具体的なので、そのほうが取りかかりやすくなるということです。

 

今の時代、知識を得るためだけなら、もはや授業は必要ありません。参考書を読み、Webの講義を視聴すれば事足ります。むしろ大切なのは、「自分にとって」必要な知識を手に入れ、それを定着させること。どこをどんな方法で復習すれば、より定着するのかを具体的に考え、実際に定着したかどうかを細かく確認することなのです。

文法は「知識」、リスニング力は「技術」

あまり意識されないことですが、テストで点を取るためには「知識」だけでなく「技術」が必要です。

 

例えば英単語や熟語、文法などは覚えるべき「知識」です。一方で、英文をすばやく読む、リスニングで音を聞き取るというのは「技術」です。数学でも、公式や概念の理解は「知識」ですが、計算をすばやく正確に行うのは「技術」に当たります。では、その「技術」を身に付けるためには何をすればよいのでしょうか。なにも難しいことはありません。その答えはとてもシンプル。練習です。

 

授業をいくら聞いても、それだけでは技術は身に付きません。正しい練習方法が分かったら、練習をすること。それが技術を身に付ける方法です。

 

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学習塾講師、教室長などを経て、2010年2月に恵学社を設立。難関医学部向け少人数教育予備校の「烏丸学び舎」「学び舎東京」「学び舎東京PLUS」、科学的な学習法を掲載するWebメディア「Study Hacker」英語のパーソナルジム「ENGLISH COMPANY」を次々と立ち上げ、業績を急激に伸ばしている。

著者紹介

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岡 健作

幻冬舎メディアコンサルティング

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