年明けの株式市場は小じっかり、来年度予算や金融政策に注目

インドの経済・市場動向(2019年1月後半)/デイリーマーケットレポート

三井住友アセットマネジメント株式会社 調査部
年明けの株式市場は小じっかり、来年度予算や金融政策に注目

本連載は、三井住友アセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

 

インド市場の推移

(注)データは2019年1月23日基準。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注)データは2019年1月23日基準。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

インドの株式、長期金利

(注)データは2018年1月23日~2019年1月23日。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注)データは2018年1月23日~2019年1月23日。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

株式市場は小じっかりの動き

世界的なリスクオンの流れが強まる

 

■1月のインド株式市場は小じっかりの展開となっています。月初旬にパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「必要があれば金融政策を変更する」と発言したことで、行き過ぎた引き締めによる米景気の後退懸念が和らいだことに加え、中国の景気刺激策を受けて、世界的にリスクオン(選好)の流れが強まり、新興国市場も強含みました。米中貿易摩擦の緩和期待が高まったことや、インドの消費者物価上昇率が低下したことも好感され、代表的な株式指数のSENSEXは緩やかながら上昇基調を維持しています。

 

 

消費者物価上昇率が鈍化

金融緩和観測が高まる

 

■2018年12月の消費者物価上昇率は前年同月比+2.2%と、11月の同+2.3%から更に鈍化しました。インド準備銀行の物価目標レンジ(+4±2%)の中心値の+4%を大きく下回っています。モディ政権寄りのダス氏が12月にインド準備銀行の新総裁に就任したこともあり、消費者物価の発表を受けて債券市場では金融緩和観測が高まりました。

 

 

来年度予算の発表や金融政策決定会合に注目

 

■FRBの利上げ観測が大きく後退し、米長期金利が低下していることで、米国への資金還流圧力が弱まり、新興国への資金流入が続くことが期待されます。新興国の通貨安や資金流出の圧力が和らいだことは、インドの株式市場や債券市場の追い風となりそうです。今後は、来年度予算案(2月1日)や金融政策決定会合(2月7日)が注目されます。モディ政権が今春の総選挙を控えて、追加の景気対策を打ち出す可能性や、インフレの低下によりインド準備銀行が金融引き締め姿勢を修正する可能性があります。

 

(2019年1月24日)

 

 

関連マーケットレポート

2019年01月17日 2019年のインド株式市場の見通し
2018年12月18日 インドの経済・市場動向(2018年12月後半)

 

●当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
●当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、三井住友アセットマネジメント、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
●当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
●当資料は三井住友アセットマネジメントが信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
●当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧