英語ができる人はみんな「言い換えの能力」が高い
元同時通訳者として、英語講師として、たくさんのケースを見てきて気づいたことがあります。実は、英語ができる人には共通点があるのです。
それは、「言いかえがうまい」ということ。どんなにTOEICのスコアが高くても、むずかしい英単語や文法をたくさん知っていても、いざ会話となると言葉が出てこないという人は大勢います。
一方で、中学校で習う英単語しか知らなくても会話が楽しく続く人もたくさんいます。その違いは、「言いかえ」の能力があるかどうか、だけです。
「言いかえ力」とは、言いたいことをカンタンな日本語にして、それを知っている英単語に置きかえる力のこと。
この能力さえ身につければ、今ある自分の英語力で言いたいことを表現できるようになります。たくさんの英単語を知らなくてもOK!
会話で大切なのは、むずかしい単語や表現を使うことではなく、「相手に伝わること」だと知っているからです。
英語圏に住んでいると、多くの人が英語を話せるようになります。なぜかわかりますか?
それは、日常生活で「言いたいことを瞬時に英語に言いかえる」トレーニングを積んでいるから。
スーパーマーケットやクリーニング店、レストランなどでは、辞書を引くひまなんてありませんよね。片言でもなんでもいいから、その瞬間に自分の英語力で相手に伝えなければいけないシーンの連続です。だからこそ英語で言いたいことが言えるようになります。
5歳の子どもにも伝わる「簡単な日本語」で考える
とはいえ、この「言いかえトレーニング」、海外でなく、日本にいながらだって十分にできるんです。
たとえば、私たちは5歳の小さな子どもに話しかけるとき、むずかしい熟語や言い回しを使わずに、意味が通じやすいようカンタンな言葉を使いますよね。
同じことを英語でやればいいだけです!
つまり、頭の中に浮かぶ日本語を、まずは「5歳児にもわかるカンタンな日本語に言いかえ、それを英語に変換する」のです。
私の講座を受講し、この方法を取り入れた生徒さんたちはみるみるうちに会話ができるようになっていきます。
たとえば、
・彼女は玉の輿にのった。
大人なら誰でもこの文章の意味がわかりますよね。でも「玉の輿」って英語でなんて言うのかな?と考えているうちに、ネイティブとの会話の途中で「しーん・・・」と沈黙の時間が続いてしまいます。
ですが、5歳の子どもにもわかるようなカンタンな日本語に言いかえるとどうでしょう?
↓
彼女はお金持ちの男性と結婚した。
どうですか?こんな文章ならすぐ出てきますよね?
すると、次のようなカンタンな英語で言い表すことができますね。
● She married a rich man.
● Her husband has a lot of money.
もう1つ、練習してみましょう。
・彼はずっと音信不通だ。
「音信不通」も子どもにはわかりませんね。なので、ここも「彼とはずっと話していない」とか、「彼とは1年くらい、話していない」と言いかえてみましょう。すると、次のようになります。
● I haven't talked to him for a long time.
● I haven't talked to him for about a year.
英会話の近道は「5歳児にもわかる英語に直す」こと
私たち日本人は、日本語のボキャブラリーはものすごく多くあります。これは、日本語ネイティブですから当たり前。逆に、英単語はどれほど勉強しても、とうてい日本語にはかないません。だからこそ、日本語をまずカンタンな日本語にしてカンタンな英語にするということが英語を話す近道なんです。
限られた英単語でいかに相手に伝えるか。それが英語を話す最大のポイントです。
頭に浮かんだ日本語をそのまま英語に訳そうとしていては、いつまでたっても語彙が追いつかず英語が出てきません。
日本語をそのまま英語にするのは禁止!それを5歳児にもわかる英語に直すのです。
わかりやすい日本語にしたうえで英語に言いかえてみると、びっくりするほどカンタンに表現できます!
普段わたしたちが使い慣れている日本語特有の表現やむずかしい熟語などをよりスムーズに言いかえるためには、6つのルールがあります。
このルールさえマスターすれば、あなたも4時間で英語で言いたいことを言えるようになります。
これをマスターして最初は英語が全然できなかったのに外資系企業に転職したり、海外勤務になったりする受講生たちをたくさん見てきました。
一人でも多くの方に実際に体験していただきたい!という思いを込めて、普段は講座でしかお話ししないマル秘テクニックを本連載では大公開します。
奥村 美里
株式会社フェリシオンジャパン代表