短い英文をどんどん話せば、会話がはずむ!
ルール2 文章はとにかく短く!短く!短く!
わたしたちは英語を聞くとき、話すとき、頭の中に浮かんだ日本語の文章をそのまま訳そうとしてしまいますよね。
でも、それが英会話では高いハードルとなってしまうのです。
・私は古くて美しいお寺や神社がたくさんあり、世界的にも有名な京都という街の出身です。
上の文のように自分の出身地を伝えたい場合、多くの人が頭の中でこの長い文章をなんとか一文で表現しようとします。
そうすると当然ですが、時間がかかり、その間相手をじーっと待たせてしまうわけです。
ようやく話しはじめると、次のような英文になってしまいます。
I'm from a world famous city called Kyoto where there are many old and beautiful temples and shrines.
ずいぶん長い一文ですよね・・・。
中学・高校で関係代名詞を学んだ私たちは、つい関係代名詞を使って長~い文章をつくるクセがついてしまっていますが、こんなややこしい構成の文章は、新聞や本で読むならともかく、会話で聞いているとまどろこっしいだけ。
言葉が出ず、悩みながら話しているうちに、すぐにネイティブに別の話題に変えられてしまいます!
英語は結論を先に言うことが重要な言語。
前の例では、「出身地」がどこなのかすぐにわからないため、相手がネイティブの場合イライラされてしまう可能性が大です!
会話をはずませるうえで大切なのは「間をおかず、短い文をどんどん続けて話す」こと。
そのためには、伝えたい順番に、短い文章で表現してみるのがポイントです。
まずは、先ほどの自己紹介文を、次のように日本語で単純な文章につくりなおしてみましょう。
1 私は京都出身です。
2 京都には古くて美しいお寺や神社がたくさんあります。
3 世界的にも有名な街です。
1 I'm from Kyoto.
2 There are many old temples and shrines there.
3 It's world famous.
ムリやり一文で伝えようとするとやっかいな文章も、このように短く分けて、単純にした文章ならカンタンですよね?
ややこしい構成の文章を考えているうちに相手を待たせたり、うまく一文にまとまらなくてあせったりすることはなくなります。もっとスムーズに言いたいことを伝えられるようになるんです。
日本語の長い文章も「分解&単純化」すればOK
もう1つ、練習してみましょう。
・新幹線で列をはさんだ隣の席に超有名人がいて、びっくりだった。
ヒント
・まずは文章を分けましょう。
・「列をはさんだ」は子ども(5歳児)に伝わる表現でしょうか?
1 新幹線で有名人が隣に座った。
2 びっくりした。
1 A famous person was sitting near in the Shinkansen.
2 I was surprised.
[解説]
元の文にはたくさんの要素が詰め込まれています。①列をはさんだ隣の席②超有名人③びっくり・・・など。
まずは文を分解しましょう! 単純化すると2~3文に分けられます。
「列をはさんだ隣の席」は、子どもにもざっくり言うと「隣の席」で通じますから、とたんに英訳しやすくなりますね。
そのまま英語にするのはむずかしくても分解&単純化でこんなにカンタンになるわけです。
上記の例文のように、日本語では長い文章も2、3文に短く分けてからだと、英語にしやすくなりますね。
とはいえ、文章のどこで分ければいいのかな、と迷うかたもいることでしょう。
実は、文章を短く分けるにはコツがあるんです。
・「、」(読点)で分ける
・複雑な文章は時系列で表現する
では、次の文章を日本語のまま短く分けてみてください。
・昨日は春に仕込んだ味噌ができあがり、その味噌を使ったお味噌汁を昼食のときに食べた。
1 昨日、春に仕込んだ味噌ができあがった。
2 今日、その味噌を使ったお味噌汁をつくった。
3 今日の昼食のとき、そのお味噌汁を食べた。
1 I made miso in the spring.
2 Yesterday, it was ready to eat.
3 Today, I made misosoup(using it).
4 For lunch today, I ate it.
[解説]
1の文章は「、」(読点)の部分で分けたものです。2と3は時系列に沿って(お味噌汁をつくった→食べた)、分けています。長い文章も、このように短く分けると単純化できるので、英語にする作業がぐっとラクになりますよ。
Point
関係代名詞は使わない! スラスラ話すには「短文」が基本です。
奥村 美里
株式会社フェリシオンジャパン代表